タイトル | 金曜ドラマ「クロコーチ」 |
初回 / 最終回 | 2013年10月11日 / 12月(全10回前後) |
放送局 / 時間 | TBSテレビ系列局 / 金曜日 22:00 |
製作著作 | TBS |
プロデュース | 中井良彦、石丸彰彦 |
原作 | リチャード・ウー、コウノコウジ「クロコーチ」 |
脚本 | いずみ吉紘 |
演出 | 渡瀬暁彦、山本剛義、平川雄一朗、大澤祐樹 |
音楽 | 出羽良彰、羽深由理 |
主題歌 | TOKIO「ホントんとこ」 |
10月 / 1話・2話・3話
11月 / 4話・5話・6話・7話・8話
12月 / 9話・10話(最終回未定)
「3億円事件」が発生したのは、1968年12月10日、東京・府中市。
その日、3億円を積んだ日本信託銀行の現金輸送車は、走行中、白バイ隊員に停車を求められる。
「支店長の自宅がダイナマイトで爆破されました。このクルマにも爆弾が仕掛けられているとの連絡を受けています」
そう言うと、白バイ隊員は車体を調べ始める。その時、「あったぞ!」という声とともに、車体の底から白煙が――。
銀行員たちは慌てて、現金輸送車から避難。すると、白バイ隊員は運転席に乗り込み、現金輸送車を走らせていく。当初、銀行員たちはダイナマイトの爆発を避けるために現金輸送車を移動したのだと思ったが、白バイ隊員は戻ってくることはなく、3億円とともに姿を消した。その後、白バイ隊員は偽者で、発生した白煙は発炎筒によるものだったことがわかった。
1988年、民事時効成立。この「3億円事件」は日本犯罪史に名を残す未解決事件となった――。
2013年・横浜。
その日、黒河内圭太(長瀬智也)は、神奈川県の県会議員・郷田文吾(石丸謙二郎)から緊急の呼び出しを受け、桜木町のマンションへとやって来た。ベッドには事切れた女の姿がある。その女に会いにきた郷田が撲殺したらしい。
郷田は「何とかしてくれ!」と黒河内に泣きつく。しかし、証拠を隠滅するのは骨が折れる。「まさかタダってわけにはいかないでしょ?」、黒河内は郷田から500万円をもらうことを条件に証拠隠滅を引き受ける。
郷田の頼みを聞き入れ、証拠隠滅を引き受けた黒河内。
黒河内は、部屋に強盗が侵入したかのような偽装工作をする。まずは、郷田の指紋を拭き取り、次に郷田が裏金を隠していた金庫の中をカラッポにし、強盗が物色したかのように部屋を荒らした。女については、不幸にも強盗に襲われて絶命したことにすればいい。
最後に防犯カメラのデータを消去すれば、あとは、黒河内が郷田のアリバイを偽証するだけである。
「その夜、郷田の裏金を見つけるためにこのマンションを訪れた時には、女は生きていた。死亡推定時刻には、郷田を別のところに連れて行っていたので、郷田には犯行は不可能だ」などと言っておけば、ひとまずは郷田は疑いをかけられることはない。
翌日、神奈川県警に通報が入り、捜査一課と捜査二課は合同で桜木町のマンション女性殺人事件の捜査に乗り出す。
被害者は、ホステスの赤松里奈(Ray)。部屋のプリクラなどから郷田の愛人であることが発覚する。
その日、警察庁から神奈川県警の捜査一課に赴任してきた警部補・清家真代(剛力彩芽)は、赴任早々、その事件を担当することになった。東京大学法学部卒の才媛である清家だが、彼女の驚くべきところは、過去10年分の捜査資料を暗記していることである。
清家が現場に到着したその時、「この部屋で何かあったの?」と一人の男が現れる。捜査二課の警部補・黒河内である。
黒河内は何食わぬ顔で現場にズカズカと入ると、昨夜考えたプラン通りに「強盗の仕業だ」と決めつけ、これまた昨夜考えたプラン通りに郷田のアリバイを偽証する。
(第1話「三億円事件?昭和最後の謎!!45年前の完全犯罪に悪徳刑事が挑む…犯人は生きていた」の序盤まで~クロコーチ(クロコウチ)あらすじ・ネタバレ~)
帰署した清家は、神奈川県警の本部長・堂島則行(風間杜夫)から、黒河内とコンビを組むように命じられる。コンビと言っても本当の目的は、黒河内の内偵である。黒河内も事件の重要参考人だからだ。さらに、黒河内は署の誰よりも政治家の醜聞を握っており、秘密裏に政治家と何らかの取り引きを行っている疑惑があった。
こうして、清家は黒河内に同行することになった。ほどなくして、清家は黒河内が政治家から賄賂を受け取っていることに気付いてしまう。賄賂の受取方法は、中に札束を忍ばせた贈答品の箱を受け取るという、いかにもなやり方だった。「収賄の容疑で黒河内さんを告発します」と言う清家に対して、黒河内は交換条件として「例の桜木町の事件の犯人を教える」と言い出す。
清家は黒河内に誘われるがままに、とあるホテルへ。すると案内された部屋には、監禁された郷田の姿が。黒河内は「郷田が犯人だ」と告げる。しかし、清家は、黒河内がどうして郷田を逮捕せずに隠蔽工作を行ったのかが解らない。
なぜ、黒河内は郷田を逮捕せず、彼のために隠蔽工作を行ったのか――、清家は黒河内の思惑が理解できない。すると、黒河内は2つの未解決事件について語りだす。
1つ目はウェブデザイナーの遠山宗司(菊池敏弘)、妻・遠山秩佳子(金子路代)、長女・遠山京子(飯田杏実)の3人を被害者とする、8年前の一家3人射殺事件。
2つ目は女子高校生の金本真美(佳苗るか)を被害者とする、8年前の女子高校生絞殺事件である。
そして、その2つの未解決事件に神奈川県知事・沢渡一成(渡部篤郎)と、秘書だった郷田と橋本俊治(小木茂光)が犯行に関与している疑いがあるという。
「つまり、黒河内さんは郷田さんの今回の犯行を隠蔽することで、郷田さんから過去の2つの未解決事件の真相を聞き出そうとしているということですね」
清家は黒河内の考えの一端を理解する。黒河内は郷田の裏金を捜査する過程で、沢渡の事件の情報を手に入れたという。
黒河内が言うには、ウェブデザイナーの遠山は沢渡の機密メールを見てしまったことから消された可能性があり、そして、女子高校生の真美には事件の2日前、沢渡と密会していたという目撃情報があるらしい。彼女にも何らかのトラブルが起こった可能性が考えられる。あとは決定的な証拠が必要となるが――。
黒河内は、児童の交通安全教室に参加している沢渡のもとへ向かい、大勢の児童のまえで2つの未解決事件を連想する写真をプレゼントし、揺さぶりをかける。
一方、警察は思いがけない情報を入手する。被害者のホステスが浮気していた相手として、黒河内が浮上したのだ。清家からホテルを聞き出した刑事たちは、例のホテルの一室へと急ぐ。
すると、そこには首を吊った郷田の変わり果てた姿が――。自殺か、それとも?
清家が呆然とする中、刑事がいなくなったのを見計らって、ひょっこりと黒河内が姿を現す。黒河内は郷田の自白文とも言える遺書を手に入れたという。2つの未解決事件について書かれたその内容は、黒河内のほぼ推理通りであった。しかも、証拠が隠してあると思われる「宝の地図」まで。これで沢渡を追い詰められる。