『あまちゃん2』あらすじ・ネタバレ・キャスト

Memoroca

『あまちゃん2』あらすじとネタバレ、キャスト。

あまちゃん

タイトルNHK 連続テレビ小説 あまちゃん
ページ作成日2013年11月15日
初回 / 最終回2013年4月1日 / 9月28日(全26週156回)
放送局 / 時間NHK総合 / 月曜日~土曜日 8:00 ほか
制作統括訓覇圭、菓子浩
演出井上剛、吉田照幸、梶原登城 ほか
原作・脚本宮藤官九郎
音楽大友良英
アニメーション鉄拳

『あまちゃん』あらすじ・ネタバレ・キャスト・結末

4月 / 1週・2週・3週・4週・5週
5月 / 6週・7週・8週・9週
6月 / 10週・11週・12週・13週
7月 / 14週・15週・16週・17週・18週
8月 / 19週・20週・21週・22週
9月 / 23週・24週・25週・26週(最終週・最終回)

あまちゃんのはじまり

 物語の舞台は、岩手県北三陸市。(※)これはドラマのための架空の街で、モデル・ロケ地は岩手県久慈市。
 1984年7月1日、北三陸鉄道が開通したその日、18歳の若き日の天野春子(有村架純)は東京に憧れて北三陸市を出て行った。
 それから長い月日が流れた。
 2008年7月、ちょうど24年後の夏。
 42歳・一児の母になった春子(小泉今日子)は一人娘の高校生・天野アキ(能年玲奈)を連れて北三陸市に戻ってきた。
 駅に降り立った二人を迎えるのは北三陸駅・駅長の大向大吉(杉本哲太)。大吉は24年間、北三陸市に戻って来なかった春子を呼び戻した張本人である。
 春子を呼び戻した方法は、メールで春子の母・天野夏(宮本信子)について「倒れた」「意識がない」などと、重篤を思わせる76通のメールを送りつけたことによる。
 早速、夏が入院したとされる病院に直行するのかと思いきや、北三陸市の観光協会に連れて来られる。
 そこで出迎えるのは観光協会長の菅原保(吹越満)とそこで働く栗原しおり(安藤玉恵)
 菅原は北三陸市のジオラマ作りを担当したり、観光客をチェックしたりしている。高校時代、春子のことが好きだったというが、春子はそっけない。

北三陸の海女さんたち~天野夏との出会い

 アキにとって祖母の夏は初対面。アキはおばあちゃんと会うのが密かに楽しみだった。
 実家がある地区・袖が浜の漁協に立ち寄ると、漁協の組合長・長内六郎(でんでん)をはじめ、海女さんの今野弥生(渡辺えり)、同じく長内かつ枝(木野花)熊谷美寿々(美保純)、海女さんであり、春子と同級生だった安部小百合(片桐はいり)といった春子と顔見知りの連中がいた。
 アキはまめぶという郷土料理をご馳走になるが、味は特に美味くもない。
 大吉がクルマを走らせ、到着した24年ぶりの実家は、主の夏が入院しているにも関わらず、扇風機が回っていたり、魚の開きが食卓の皿にのっていたり、切ったネギがまな板に転がっていたり、ガスコンロでだし汁に火をかけていたり、と、生活感がありすぎた。
 春子は夏の危篤という知らせはウソだろうと大吉に詰め寄った。
 実は帰郷した頃から、いや、帰郷のキッカケとなった危篤を知らせる顔文字混じりのメール(お母さん倒れた!('j')/)が来た時から、妙なウソ臭さに気付いていたのだ。
 アキは春子から、袖が浜の海におばあちゃんがいるから行ってみろと言われ、海岸にやって来た。
 そこでアキは夏と初めて出会う。64歳・現役の海女さんである夏は、海に顔を出すとアキに向かってウニを投げてきた。
 すぐさま海中に戻っていく夏。その姿はアキも思わず「かっけー」と声をあげてしまうほどだった。アキが海女さんという仕事に興味を持つキッカケだった。

あまちゃんの世界の言葉「じぇ」

 海辺で食べる生ウニは美味しく、アキは8つも食べる。
 かつ枝はその食べっぷりを見て「じぇ!」と言う。「じぇ」というのは驚きの表現で、もっとビックリした時は「じぇじぇ!」、ものすごくビックリした時は「じぇじぇじぇ!」と「じぇ」の数が増えるのだという。
 さきほどの顔文字「('j')/」の「j」も「じぇ」を表しているのだと大吉は言う。
 話は戻り、大吉がウソのメールを送ってまで春子を帰郷させたのは、海女の後継者不足が理由だった。夏が現役を引退すると、50歳代後半の北三陸名物の通称「北の海女」連中もこぞって引退すると言い出したらしい。
 要するに、人材不足の海女に転身させるために春子を帰郷させたのだ。しかし、春子は「海女さんになんてなるつもりはない」とキッパリと拒否する。
 ところで、この天野家、24年ぶりだが、春子の父・天野忠兵衛(蟹江敬三)が他界していたことと、それを今日の今まで知らなかったのは春子にとってショックだった。
 そこへ、海から帰ってきた夏が現れる。親子の再会の挨拶はほとんどない。
 24年分のわだかまりがあり、二人はギクシャクする。

喫茶リアスと常連客

 軽食&喫茶リアス。
 夏が経営するこの喫茶店は、普段、美寿々と吉田正義(荒川良々)が店番をしている。吉田は北三陸駅の駅員が本業で、勤務外の時間にこの店を手伝っている。
 名物はリアスのウニ丼。この喫茶リアスは一つの店舗で「スナック梨明日(りあす)」も兼ねており、19:30からアルコールを出したりカラオケを歌えたりするようになる。
 常連客の小田勉(塩見三省)は有限会社小田こはく工芸を設ち立げ、北三陸が産地である「琥珀」が何か使い物にならないかと考えている。
 弥生の旦那は今野あつし(菅原大吉)、ブティックの経営者である。

足立ユイとの出会い~足立家

 アキは夏のウニ丼販売を手伝う電車内で、地元の高校2年生・足立ユイ(橋本愛)と出会う。この田舎町では珍しく垢抜けた印象を受ける、まさしく美少女だった。
 ユイの父は足立功(平泉成)という県議会議員。元高校教師で春子や大吉も教わったことがある。
 ユイの兄は足立ヒロシ(小池徹平)でフリーター。東京で就職したが、すぐに辞め、家に居づらくパチンコ屋に入り浸っている。
 パチンコ屋ではパチンコ好きの春子とも顔を合わせる。春子が何をしているか尋ねると、最近、ヒロシは密漁を見張る監視小屋で日当5000円でバイトしているらしい。

あまちゃん(甘ちゃん)の身の上話

 アキは1991年11月23日生まれ、東京都世田谷区出身。
 母は春子、父はタクシー運転手の黒川正宗(尾美としのり)
 東京の進学校に通っているが、東京でのアキは北三陸での明るい姿とは別人のように物静か。アキは春子から「地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もないパッとしない娘になった」と言われたことがある。
 父の正宗もそんな地味な性格で、アキの性格は父親譲りだと春子は思っている。家庭は静かで、テーブルから落ちるモヤシの音が聞こえたほどだった。
 しかし、アキは北三陸市に来て明らかな変化が見られた。
 都会にはない自然や、海女さんとして働く夏との出会いがアキを活発にさせていた。
 春子はアキがここでハツラツと生活している姿を見て、夏休み中は北三陸市に居させてあげたいと思っていることを夏に話す。
 アキもまた、地味で暗くて向上心も協調性も存在感も個性も華もないパッとしない自分を変えたいと思っていた。
 アキは変わりたかった。
 いつも、学校では同級生からバカにされ、仲間外れにされてきた。
 以前、夏が言った「何でも飛び込んでみなくちゃわからん」という言葉を受けて、形容しがたいけれど、その自分を変えるきっかけを堤防から5メートル下の海にダイブすることに決めた。
 自分の殻を壊すために。
 アキは助走して海に飛び込んだ。水中から顔を出したアキには達成感と高揚感があった。
 そこに監視小屋から見張っていたヒロシが鳴らした警報を聞きつけて、夏たちが海辺に駆けつけた。
 すると、突然、アキは夏や春子たちに「海女さんになる」と宣言する。
 春子は高校卒業を絶対条件に、夏休み中だけ海女さんになっても良いと許可を出す。
 翌日、アキは「天野春子」と刺繍された春子の海女着を身につけて海に出る。ここに24年ぶりの新人海女が誕生した。
(あまちゃん 第1週「おら、この海が好きだ!」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:市長(北見敏之)、天野春子(田附未衣愛/豊嶋花))

北三陸の新生活~種市浩一に一目惚れ

 夏休み中だけ海女さんになることを許されたアキ。
 アキがウニの売り子を手伝っていると、浴衣姿でカメラマンに写真撮影をされているユイの姿を見かける。カメラマンはヒビキ一郎(村杉蝉之介)というアイドルオタクで、ユイ曰く、ブログを見て駆けつけて来たという。
 アキが北三陸の田舎暮らしを気に入っているのとは対照的に、ユイは田舎暮らしを好まず、東京に憧れを抱いていた。アキはユイと連絡先を交換し、ユイはアキにとって北三陸で初めての友だちとなった。
 夏休みも終わりが近づき、アキは春子と東京に帰ることになった。「また来年くるから」と別れを惜しみながら、駅に向かう母娘。しかし、アキが帰京をためらっている様子を見て、春子はアキを駅のホームに引き戻す。東京ではなく岩手での暮らしを選択したのだ。
 思いがけぬ春子の決断だった。こうして、アキは岩手県立北三陸高校に編入することになった。北三陸高校はユイも通っている高校である。学業と海女さんの修行を両立させようとするアキの新生活が始まった。
 だが、海女さんの修行中、アキが終了時刻を過ぎても一人で海に潜っていたところ、沖に流されたうえに昆布が足首にからみつき、溺れそうになる。美寿々に助けられたが、祖母の夏から「海をなめてかかる奴、目上の人間の言うこと聞けねえ奴は潜る資格ねえ。海女失格だ」と謹慎を命じられる。
 そんなある日、アキはユイから自宅に誘われる。ユイの母親・足立よしえ(八木亜希子)は岩手県のテレビ局の元アナウンサーで専業主婦である。
 アキが足立家で食事をごちそうになっていると、ユイの兄・ヒロシが定職に就かないことを理由に父・功から説教されている様子を目の当たりにする。ヒロシは東京で就職したが2ヶ月で退職したという。
 いつもストーブの近くから動かないことから「あいつ、ストーブなんですよ。ストーブだけがお友達」と皮肉交じりに言う功。アキは居心地が悪い。
 アキはユイから「私はお兄ちゃんとは違う。東京に行ったら帰ってこない。東京に行ってアイドルになるんだ」と打ち明けられる。その頃、ちょうど北三陸秋祭で「ミス北鉄コンテスト」が開催され、「ミス北鉄」に選ばれたユイが一躍人気者になる。
 ミス北鉄になったユイを見て、アキは奮起する。自分は海女さんとして一生懸命がんばろうと決める。漁協の組合長・六郎とかつ枝の息子・長内克也(小林優斗)が水難事故で亡くなった話を聞き、海の恐ろしさを再確認すると、夏から修行再開の許可をもらう。
 そんな中、北三陸はアイドルオタクのヒビキが「ミス北鉄決定!!足立ユイさん」なるプロモーション動画を北三陸の公式ホームページに掲載させたことで、動画を見たアイドルファンが全国から殺到する事態になっていた。
 町が活気づく中、アキの魅力に気付いているヒロシが、「なまりすぎる海女のアキちゃん」というアキの動画を北三陸の公式ホームページに掲載する。するとアキの人気もじわじわ上昇し、のちにユイの動画の再生回数を超えるほどになる。
 ヒロシは想いが募り、ついにアキに恋の告白をする。だが、アキは翌日にウニ獲りの試験を控えており、それどころではない。アキは「脳みそを使うと酸素を消費する」という先輩の話に従って、ヒロシの恋の告白を無視する。
 翌日、アキは初めてウニ獲りに成功し、先輩たちから修行の成果を認められる。そして漁協では安部がまめぶ汁のPRのために町を離れていき、安部と入れ替わるように花巻珠子(伊勢志摩)が働きだす。
 海女漁のシーズンが終了し、アキの海女さんの修行はしばらく中断となった。ユイはそんなアキのために北三陸高校に「潜水土木科」があることを教える。そこは教師・磯野心平(皆川猿時)のもと、水中での土木工事や溶接を学ぶ科だという。一学年につき男子生徒ばかり20人近くが教わっている。
 アキは総重量70キロの重装備を身にまとった生徒たちを見て「宇宙飛行士みてえだ」と興奮する。そこでアキは3年生の種市浩一(福士蒼汰)に一目惚れする。種市に恋焦がれるあまり、夢にまで彼が現れる。アキは何の迷いもなく普通科から潜水土木科に移る。
(あまちゃん 第2週「おら、東京さ帰りたくねぇ」第3週「おら、友だちができた!」第4週「おら、ウニが獲りてぇ」第5週「おら、先輩が好きだ!」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:花巻鈴(小島一華)、花巻琴(吉村美輝)、若き日の菅原保(落合モトキ))

これまで(第1週~第5週)のあらすじ

 2008年7月、16歳の天野アキ(能年玲奈)は母の天野春子(小泉今日子)に連れられて、東京から岩手県北三陸市にやってきた。
 祖母の「夏ばっぱ」こと天野夏(宮本信子)が危篤状態という緊急のメールが届いたからだ。しかし、その知らせはまったくのウソ。春子を人材不足の海女さんに転身させるために送信されたメールだった。
 こうして、アキは夏休みの期間中だけ天野家で過ごすことになった。海女さんとして働く夏に刺激を受けたアキは、「海女さんになる」と宣言。夏休み中だけ、海女漁に参加することを許される。
 東京では同級生に冷たくされ、暗い性格だったアキ。北三陸で活発になったアキの変化を見て、春子はアキを地元の北三陸高校に転校させる。
 そんな中、アキはミス北鉄の足立ユイ(橋本愛)と並んで一躍、町の人気者に。「海女のアキ」「北鉄のユイ」に会うために北三陸に大勢の観光客が訪れる。
 2008年9月、アキは北三陸高校の潜水土木科で出会った3年生の種市浩一(福士蒼汰)に一目惚れするが・・・。

忠兵衛の帰郷

 アキが北三陸高校の普通科から潜水土木科に移り、しばらくが経つ。
 ある日、亡くなったと思われていた祖父の忠兵衛が北三陸に現れる。夏が仏壇に忠兵衛の写真を飾っていたことから、春子とアキは忠兵衛が亡くなったと勝手に思いこんでいたが、実は生きていたのだった。忠兵衛は遠洋漁業の合間に帰郷したという。
 一方、観光協会にローカル番組のディレクター・池田一平(野間口徹)が出入りするようになり、アキとユイの取材を開始する。その番組は「5時だべ!わんこチャンネル」という福田萌(本人役)が司会を務める番組で、アキとユイはテレビ初出演を果たす。
 2008年11月、アキは17歳の誕生日プレゼントとして、片想いの相手・種市先輩からミサンガをもらって大喜び。アキは「潜水士の資格試験に合格したらデートしてほしい」と種市にお願いする。
 アキの誕生日パーティーの途中、酔っ払った忠兵衛が春子の秘密を暴露する。それは春子が高校生時代、「東京に行って芸能人になる」と宣言していたという衝撃の過去だった。若かりし日の春子が芸能人になりたがっていたことにアキは驚く。
 だが、よくよく考えれば春子の部屋はアイドル歌手のカセットテープやポスターが多数あり、芸能人には非常に興味があったらしい。春子は過去の秘密が解禁されると、堰を切ったように、松田聖子、ピンクレディーといった昔のアイドルや、自分がアイドルになるために上京した話をアキに語り始める。そして、長年、歌を封印してきた春子は、忠兵衛が北三陸を離れる前日のパーティーで「潮騒のメモリー」を歌う。春子の歌を初めて聞いたアキは感動する。そして、アキはこの「潮騒のメモリー」という歌を気に入るようになる。翌日、忠兵衛は遠洋漁業に旅立っていく。

種市への告白

 天野家では大きな動きがあり、2008年12月のクリスマスイブに春子と正宗の離婚が成立。2009年2月には、アキは潜水士の資格試験に見事に合格する。
 アキはユイと「JJガールズ」改め「潮騒のメモリーズ」を結成し、ヒロシがマネージャーになる。二人は海女さんの弥生から歌唱指導を受けながら北三陸鉄道の一大イベント「お座敷列車」のコンサートに備える。「アキがいるから毎日が楽しい」というユイの話を彼女の母から聞き、アキは感涙する。
 アキは種市を想う気持ちが抑えきれず恋の告白をするが、種市とユイの思わぬ関係を知る。昨年のクリスマス、種市が以前から好きだったユイに告白して交際することになったというのだ。アキは衝撃の事実にショックを受け、お座敷列車のコンサートを目前に引きこもる。
 ユイはアキのもとを訪ね、種市と交際することになった経緯を素直に話す。アキに負けたくなくて、アキが想いを寄せる種市と付き合うことにした、と。春から東京で暮らす種市と交際することで「東京に彼氏がいる」と言えるシチュエーションもユイにとって魅力的だった。
 それを聞いたアキは吹っ切れる。自信のかけらもなかった昔の自分なら、ユイに種市を奪われても悔しさは感じなかったはず、と。調子に乗っていたことを反省するとともに自分の成長を実感する。今すべきことはみんなが応援してくれているお座敷列車のコンサートを成功させることだと気持ちを改める。
 お座敷列車でのコンサートは大成功し、まもなく新社会人となる種市が上京していく。その一方で、ユイは年末から喫茶リアスに出入りしている「ミズタク」こと水口琢磨(松田龍平)の行動を不審に思う。水口は常連客・小田の琥珀収集の弟子を名乗っているが、水口の電話を立ち聞きしたユイは彼が本当は芸能事務所のスカウトマンだと確信する。
(あまちゃん 第6週「おらのじっちゃん、大暴れ」第7週「おらのママに歴史あり」第8週「おら、ドキドキがとまんねぇ」第9週「おらの大失恋」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:スーパーの主任(須藤公一)桜庭(山谷花純)坪井(久野みずき))

水口の正体

 天野家に海外にいる忠兵衛からハガキが届く。現在、忠兵衛は南アフリカ共和国のケープタウンにいるらしい。
 一方、北三陸の漁協は「海女カフェ」に改装されて町の人気スポットになる。学校ではアキに憧れて潜水土木科に入ってくる女子生徒が急増する。アキは春子からお座敷列車のコンサートを最後に学業に専念し、進路を決めるように約束させられていたが、来てくれた客の笑顔や声援を思い出して心が揺れる。
 そんな中、ユイは水口に「東京に行ってアイドルになりたい」と打ち明け、芸能界デビューするためのアドバイスを請う。水口は「アイドルになりたいと言っているだけのイタイ娘とどう違うのか、覚悟が知りたい」と言う。
 何か行動を起こさなければ手遅れになる、そう思い悩むユイは家族に内緒で東京へオーディションを受けに行こうとする。全国のご当地アイドルを集めたユニット「GMT47」のオーディションである。だが、出発する直前、ユイは水口と一緒にいたところを町の人たちに見つかってしまう。
 水口は東京の大手芸能プロダクション「ハートフル」のマネージャーだと明かし、だましていたことを詫びる。水口は非難の的になり、大吉は「ミス北鉄のユイは渡さない」と言い放つ。だが、ユイにとってはそういう束縛こそ気に入らない。「ミス北鉄になんかなるんじゃなかった」と言い、町の人たちを突き放す。結局、ユイの芸能界入りに向けた活動は一旦保留となり、水口は東京に帰っていく。

上京

 アキは女優の鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が主演を務めた1986年の映画「潮騒のメモリー」を鑑賞し、これまで感じたことがないほどの感動を覚える。
 そんな中、東京行きに失敗して以来、引きこもりがちになったユイのために、アキが企画書を出した歌謡イベント「海女~ソニック(アマーソニック)」が海女カフェで開催されることになった。そこでアキとユイによる「潮騒のメモリーズ」の復活コンサートが開かれ、大盛況となる。しかし、約束を破られたことに激怒した春子がステージに上がり込んできて、アキは平手打ちをくらう。家族会議が開かれ、アキは「アイドルになりたい」と発表するが、春子から猛反対される。
 その頃、東京では、大物プロデューサーの「太巻」こと荒巻太一(古田新太)がアキとユイの獲得に本格的に乗り出す。荒巻の代理で水口がまたも北三陸を訪れ、水口は2人を正式に「GMT47」にスカウトする。
 海女さんの業界は人材不足という背景があり、先輩の海女さんたちはアキの東京行きに難色を示す。しかし、海女さんの仕事は後でも出来るが、この夢に挑戦できるのは今しかないと言うアキの熱意にほだされ、アキを応援することを決める。観光協会や北三陸鉄道の駅員たちは、観光の目玉がいなくなることを恐れて2人の東京行きに反対するが、そんな人々を祖母の夏が説得してくれるようになる。
 25年前にアイドルになるために上京し、芸能界の厳しさを知っている春子だけは、アキがアイドルになることに最後まで反対する。だが、夢に挑戦させてほしいと訴えるアキに、25年前の自分の姿を重ねて心が揺らぐ。
 春子は25年前、今のアキと同じように母に東京行きを許してくれるように懇願した日を思い出す。夏とその日のことを初めて一対一で話す。春子は夏が自分の夢に向き合ってくれなかったことを25年間、恨めしく思っていたが、夏もまた、春子の夢に向き合ってやらなかったことを25年間、悔んでいたことを知る。
 1984年の北三陸市は、北三陸鉄道が開通し、若者は地元で就職して地域活性化のために貢献するのが当然のような空気があった。夏は地元の海女クラブの会長でもあったため、なおさら娘を東京に行かせることに賛成しにくいプレッシャーがあった。夏はそういった事情から、春子の気持ちを無下にしてしまった、という。
 夏は「本当は後悔してんだ。お前の顔を見るのが辛かった」と言い、「すまなかった」と深く頭を下げる。春子は夏が謝ってくれたことで気持ちが晴れたような気がした。春子はたとえ芸能界が厳しくても、アキが真剣に夢に挑戦しようとしているのであれば、アキを応援しようと決心する。
 しかし、この話には続きがあり、25年前の春子が上京する日、夏は本当は、春子の乗る電車に向かい、大漁旗をふって応援をしていたのだが、若かりし日の大吉(東出昌大)が春子にちょっかいをかけたせいで、それを見逃していたことがわかる。
 アキは春子たちに見送られ、北三陸鉄道に乗って東京に出発する。夏が見送りに来なかったことで心細さを感じるが、電車から夏が大漁旗をふっている姿を見つけ、勇気づけられる。あとはユイと合流するのみとなるが、待ち合わせたユイから東京には行けないと聞かされる。父の功が病に倒れたという。思いがけずアキは一人で東京に向かうことになった。
(あまちゃん 第10週「おら、スカウトされる!?」第11週「おら、アイドルになりてぇ!」第12週「おら、東京さ行くだ!」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:高幡アリサ(吉田里琴)リポーター(原史奈)司会者(小籔千豊)チャンピオン(渡辺万美))

東京編

 2009年8月、上京したアキは荒巻の芸能プロダクション「ハートフル」に所属。恋愛禁止のルールのもと、「GMT47」の岩手県代表のメンバーとなる。「GMT47」は47都道府県のご当地アイドルを集めるという荒巻の構想から誕生したアイドルグループである。アキは上野の劇場「東京EDOシアター」の華やかなステージに胸をときめかせるが、アキが通されたのは「奈落」と呼ばれる薄暗い地下のレッスン場だった。
 アキは「GMT47」の仲間たち、埼玉県代表のリーダー・入間しおり(松岡茉優)、福岡県代表の遠藤真奈(大野いと)、沖縄県代表の喜屋武エレン(蔵下穂波)、宮城県代表の小野寺薫子(優希美青)、徳島県代表の宮下アユミ(山下リオ)と、谷中の「GMT47合宿所」で共同生活を始める。アキが「潮騒のメモリーズ」として人気を博していたのと同じく、薫子は「仙台牛タンガールズ」、アユミは「うずしおセブン」として地元の人気アイドルだった活動歴を持つ。GMTはまだ6県のメンバーしか集まっておらず、暫定的に「GMT6」と呼ばれていた。
 GMTに入ったからといってステージに立てるわけではなく、GMTは飽くまでも、荒巻が最も力を入れているアイドルグループ「アメ横女学園芸能コース(アメ女)」の2軍扱い。公演では衣装チェンジの手伝いや雑用をする裏方にまわり、ステージに立てるチャンスといえば、アメ女メンバーのケガや病気などにより、欠場が出た場合の代役(シャドウ)のみだった。
 そのアメ女にも階級制度があり、主に活躍できるのは「アメ女八賢伝」と呼ばれる人気上位の8人を含む正規メンバーのみ。「アメ横女学園芸能コース」と「GMT6」を合わせた46人の所属アイドルのうち、少数のアイドルにしか活躍の場が与えられない過酷な環境だった。
 アキは荒巻から、アメ女でトップの人気を誇るセンターの有馬めぐ(足立梨花)のシャドウに選ばれる。だが、めぐが欠場することは全くなく、アキがステージに立つ日はなかなか訪れない。
 学業の面では、アキは岩手・北三陸高校から朝比奈学園・芸能コースに転校。その帰り道、アキは「まめぶ」の普及のために漁協を離れていった安部と街角で再会する。安部は「安部そば」という屋台を出し、そばやまめぶ汁を販売していた。
 劇場では、GMT・真奈がシャドウとして初めてステージを踏むも大失敗。先行きの見えない日々が続いていたが、「絶対にメジャーにしてみせる」という水口の宣言にメンバーたちは勇気づけられる。
 そんなある日、梅頭(ピエール瀧)が大将を務める劇場近くの寿司屋「無頼鮨」で、アキは憧れの女優・鈴鹿ひろ美と出会う。鈴鹿は無頼鮨の常連客だった。アキは奇跡的なめぐりあいに大感激。「映画を見て大ファンになった」と鈴鹿にアピールする。
(あまちゃん 第13週「おら、奈落に落ちる」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:マンションの女(大久保佳代子)成田りな(水瀬いのり)警備員(薬師寺順)審査委員長(浜田晃)伊東(日向丈)AP(あべこうじ)AD(前野朋哉)アシスタント(羽里早紀子)審査員(津田寛治/小林ユウキチ)少女(神定まお))

鈴鹿ひろ美の付き人になる

 アキは鈴鹿ひろ美の意外な過去を知る。鈴鹿は以前、荒巻のプロダクションに所属していたことがあるという。
 北三陸では、ユイの心境に変化が。病気に倒れた父のリハビリを手伝い、上京のタイミングを逃した現実に思い悩むうちに、ユイは高校を休みがちになっていた。
 2009年10月、アキはまめぶ汁をご馳走してくれる安部の屋台に立ち寄る日々が続いていたが、思いがけないことにそこで種市と再会する。種市と会うのは半年ぶり。
 東京で就職した種市は、東京スカイツリーの建設に加わることになったが、高所恐怖症のために仕事がうまくいかず、わずか数ヶ月で退職していた。種市は強がるあまり、「東京には用はないから故郷に引き上げる」とスカした態度をとる。アキはすっかり変わってしまった種市に腹が立ち、「おらの初恋の相手はこんなちっちゃい男だったのかよ」と一喝する。奮起した種市は心機一転、寿司屋「無頼鮨」の見習いとして働き出す。
 一方、荒巻のもとには悪いニュースが飛び込む。アメ女センターの有馬めぐがイケメン俳優とドライブデート中、後ろから追突され、全治2週間のむち打ち症になってしまったという。めぐのシャドウであるアキに出番が来るかと思いきや、めぐはデートの疑惑を否定したうえ、ステージに必ず出ると言い出す。アキは荒巻から「彼女のシャドウをやっている限り、君は奈落から這い上がれない」と宣告される。
 そんなアキの状況を見かねて、荒巻は鈴鹿の付き人になるようにアキを紹介する。アキは鈴鹿の付き人としてテレビ局に出入りするようになり、親子のようにタメ口で話す。普段の鈴鹿はただのおばさんだが、女優の仕事になると鈴鹿の演技はいつもアキの心を打つものがあった。鈴鹿と一緒にいる時間は心地良い。アキが鈴鹿にどうして優しくしてくれるのかと尋ねると、鈴鹿は「昔のアタシみたいだから」と言う。
 そんな日々の中、アキはユイの上京を心待ちにするが、この頃にはユイからのメールはぱったりと途絶えてしまっていた。

ユイがグレる

 北三陸は2つのニュースで大騒ぎになっていた。まず、ユイの母・よしえが失踪。さらにその影響からか、ユイがグレたという。ユイがガラの悪そうな小太りの男(山田健太)と腕を組んで歩く姿はあちこちで目撃され、ミス北鉄の変貌はファンに衝撃を与えた。そのニュースはアキの耳にも入るが、「潮騒のメモリーズ」のパートナーだった自分に荒れた姿を見られるのはイヤだと察し、何も行動は起こさないことに決める。
 春子はユイを気にかけて彼女に会いに行き、ユイが万引きしようとしていたところを寸前で止める。そして「東京に行きたきゃ行けばいい。親のせいで夢が叶わなかったなんて誰も同情しない」とユイを一喝する。高校を中退していたユイは春子の薦めにより、喫茶リアスでアルバイトを始める。
 東京では荒巻が多くの記者を呼び、重大発表をする。「アメ横女学園芸能コース」と「GMT6」を合わせた46人のアイドルで国民投票を行うという。
(あまちゃん 第14週「おら、大女優の付き人になる」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:カマール(アベディン)平清常(吉野容臣)AD(恩田隆一))

国民投票

 2009年11月、荒巻は「アメ横女学園芸能コース」と「GMT6」を合わせた46人のアイドルで国民投票を行うことを発表する。1位から8位までがアメ女八賢伝、20位までがレギュラー、30位までがリザーブとして年越しライブ出演のチャンスが与えられ、40位まではビヨンドとして奈落でレッスンに励むというものである。そして、41位から46位までは事務所から解雇されるという。
 活躍の機会が少なく、知名度も全くないGMTは圧倒的不利。GMT・薫子の母、小野寺さとみ(石田ひかり)も抗議に駆けつけるが、水口は自分の娘を信じなくて誰が信じるかと説き、「もしも誰かが41位以下になることがあれば自分も事務所を辞める」と言う。
 水口は知名度アップのためにイベントを計画し、アキの提案で路上イベント「GMT6ファンミーティング」を開催する。安部にも協力してもらい、屋台では各メンバーの地元の郷土料理を出しながら懸命にアピール。アイドル評論家に出世したヒビキ一郎のコラムにも取り上げられ、GMTは少しずつ人気を増す。そのイベント中、アキは失踪中のユイの母・よしえが男と歩いているところを偶然目撃してしまう。
 そんな中、アキに吉報が。鈴鹿ひろ美が主演を務める「おめでた弁護士 新春スペシャル」に「マンションの隣人C」役で出演することが決定、「島田さん、先週引っ越しましたよ」というセリフが与えられる。アキは意気揚々と撮影に備える。しかし、結果的にアキの撮影は40回もNGを出し、鈴鹿から女優には向いていないと告げられる。
 2009年12月、国民投票が開票される。結果、GMTからは20位に薫子、26位に真奈、29位にアユミがランクインする。奈落組の38位にエレンが滑り込むが、しおりは41位、アキは42位に終わる。しかし、アユミが恋愛禁止のルールを破り、恋人とデートしている写真を撮られてしまう。恋人と一緒になることを選んだアユミはメンバーに見送られ、涙の脱退。ほかにも奈落組に落ちて夢をあきらめた者がいたため、しおりとアキは順位が繰り上がり、解雇を免れる。
 2010年正月、アキはGMTのエレンを連れて北三陸へ。喫茶リアスはアキの帰郷とユイの父・功の復帰に活気づく。アキはユイと久しぶりに対面するが、ユイは別人のようになっていた。
(あまちゃん 第15週「おらの仁義なき戦い」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:監督(ベンガル)三又又三(三又又三・本人役))

これまで(第1週~第15週)のあらすじ

 2008年7月、16歳の天野アキ(能年玲奈)は母の天野春子(小泉今日子)に連れられて、東京から岩手県北三陸市にやってきた。
 アキは祖母の天野夏(宮本信子)が海女さんとして働く姿に刺激を受け、「海女さんになる」と宣言する。
 アキは、親友でアイドル志望の足立ユイ(橋本愛)と「潮騒のメモリーズ」を結成し、ご当地アイドルとしてブレイク、北三陸には大勢の観光客が訪れる。
 そんな中、春子が24年前、アイドルになるために上京した過去が明らかに。年末にはアキの両親が離婚。アキは片想いをしている3年生の種市浩一(福士蒼汰)にフラれてしまう。種市はすでにユイと付き合っていたのだった。
 2009年7月、芸能マネージャー・水口琢磨(松田龍平)のスカウトをきっかけに、アキとユイは上京することに。しかし、ユイは父が病気に倒れたことで上京が延期に。アキは一人で東京に旅立つ。
 アキは大物プロデューサー・荒巻太一(古田新太)が生んだアイドルグループ「GMT47」のメンバーになり、さらに憧れの大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の付き人を任せられる。ユイの上京を心待ちにするアキ。だが、ユイは母の失踪をきっかけに非行の道に進む。
 2010年1月、北三陸に帰ったアキはユイと対面するが、ユイは別人のようになっていた。

ユイとの和解

 アキはユイと閉店後の海女カフェで会う。ユイはアイドルになろうとしていた過去を「汚点」、アイドルの活動を「ダサイ」とまで言い放つ。初めてアキとユイはケンカするが、春子が仲介し、お互いの気持ちを理解しあうことで友情を取り戻す。
 アキが出演した「おめでた弁護士 新春スペシャル」が放送される。天野家には大勢が集まり、アキの出番を楽しみにするが、セリフをカットされてしまう。何もかも上手くいかず落胆するアキ。一時は東京に戻ることをためらうが、水口や留守番電話に吹きこまれた東京の人々からの声援、そして仲直りしたユイからの励ましを聞き、東京に戻る。
 アキは奈落に通い、レッスンの日々を再開する。奈落には、アメ女の前センター・有馬めぐの姿があった。イケメン俳優とのデート報道をきっかけに国民投票で大きく順位を落としたのだ。めぐは合宿所に寝泊まりするようになる。

春子の過去

 春子からの手紙をきっかけに、思わぬ過去が明らかになる。
 春子のアイドル浪人時代、芸能プロダクションを設立したばかりの荒巻とすでに知り合っており、なんと、春子が、歌がヘタな所属タレント・鈴鹿ひろ美の影武者として「潮騒のメモリー」を歌っていたというのである。大ヒット曲「潮騒のメモリー」を春子が歌っていたという事実は、春子と荒巻、現場にいた少数の業界関係者しか知らないトップシークレットだった。しかも、当時、鈴鹿と荒巻が交際しており、春子が「潮騒のメモリー」を自分の名義でリリースしたいという希望を、鈴鹿の一言により、結果的に悪意なく潰していたことがわかる。
 また、そのトップシークレットを知っていた人物が、実はもう一人いた。それは、タクシーの車内でその秘密の会話を聞いていた運転手、のちに春子と結婚することになる若き日の黒川正宗(森岡龍)だった。それが春子と正宗の馴れ初めだった。

地元に帰ろう

 2010年3月、アキは朝比奈学園・芸能コースを卒業。
 北三陸からは、ユイの兄・ヒロシが「岩手物産展」のPRのためにやって来る。GMTもPR活動に協力し、街角でビラを配る。
 アキはヒロシと原宿の純喫茶「アイドル」へ行き、マスターの甲斐(松尾スズキ)に出会う。甲斐はその喫茶店でアルバイトをしていた春子のことをよく覚えており、アキが春子の娘だと告げると甲斐は「じぇじぇじぇ!」と驚愕する。
 ヒロシが北三陸に帰ることになり、アキは傷つけるのを恐れてユイにも言えずにいた秘密を明かす。失踪中のよしえが男といるのを見た、と。ヒロシは「聞かなかったことにする」と言い、北三陸に帰郷する。
 一方、GMTには有馬めぐが加入。荒巻はGMTのデビュー曲「地元に帰ろう」を作詞作曲する。だが、荒巻はめぐに中心的に歌わせると発表し、他のメンバーには目立たせない構想があった。その矢先、めぐの「お泊り熱愛」が週刊誌に載ってしまい、めぐは卒業という名の脱退処分へ。荒巻はめぐが不在では売れないと決めつけ、「地元に帰ろう」のリリースを中止すると言い出す。
 そして、このリリース中止にはもう一つ、荒巻のある思惑があった。荒巻はアキに「うちにいる限り、君はデビューできない」と断言するが――。

荒巻と春子

 荒巻はアキに「うちにいる限り、君はデビューできない」と断言する。そこには、アキの母・天野春子にまつわる、ある理由があった。
 荒巻にとって、天野春子の存在は大きい。鈴鹿ひろ美の影武者として歌ってもらったことで「潮騒のメモリー」は60万枚のセールスを記録。荒巻がプロデューサーの手腕を認められるきっかけになったからだ。
 しかし、一向に芽の出ないアイドル志望の女性に影武者をさせ、世間を騙し続け、結果的に影武者として使い捨てたことは、荒巻の消せない罪となった。それと同時に、目をかけていた彼女のデビューの夢を叶えられず、彼女がチャンスを待てずに夢をあきらめたことは、ずっと荒巻の胸を苦しめていた。しかし、そういった出来事も、長い年月を経てすっかり過去のものとなった。
 アキが上京してしばらくが経ったある日、アキは荒巻に「天野春子の娘だ」と告げた。荒巻の脳裏に忘れかけていた記憶がよみがえり、荒巻は激しく動揺した。
 影武者の娘が現れたことは、荒巻にとって脅威だった。ずっと封印されてきた秘密が、いつどんな形で世間に公表されるかわからないからだ。鈴鹿ひろ美の伝説にキズをつけることは絶対に許されない。
 そういった過去の因縁から、荒巻はアキをデビューから遠ざけようとする。そこには、天野春子が何らかの意趣返しのために娘をよこしたのではないか、と荒巻が誤解している要因もある。荒巻は「うちにいる限り、俺が潰すから」とアキに冷たく言い放つ。それは解雇宣告に等しかった。
 その夜、春子のもとにアキから電話がかかってくる。「もう帰りたい」と言うアキに、20年前、夢をあきらめた頃の自分の姿が重なる。春子はアキのために上京することを決意する。
(あまちゃん 第16週「おらのママに歴史あり2」第17週「おら、悲しみがとまらねぇ」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:歌番組の司会者(糸井重里/清水ミチコ)トーク番組の司会者(中田有紀))

解雇

 電話で弱音を吐くアキを心配して春子が上京してくる。
 春子は鈴鹿ひろ美と20年越しの対面をする。鈴鹿は影武者のことを一切知らされておらず、春子をただのアキの保護者として接する。するとそこへ荒巻がやってくる。荒巻は20年ぶりに姿を現した春子にひどくうろたえる。
 話し合いはアキの解雇について及ぶ。元はといえば、国民投票で42位だったアキ。本来は解雇だったはずが、順位が繰り上がって命拾いしただけの「ポンコツ」だと荒巻は言う。荒巻は解雇に正当性があると主張するが、それに対して、鈴鹿は「彼女を解雇するなら女優をやめる」とアキをかばう。
 荒巻は根負けして解雇を撤回。GMTはデビュー曲「地元に帰ろう」のリリースに向かって再スタートする。しかし、荒巻の厳しい態度は変わらず、「CDのセールスが一万枚を超えなければGMTを解散させる」という困難な条件を追加する。
 そんな中、春子は離婚した元夫・正宗のマンションに滞在し、GMTのレッスンやレコーディングに顔を出すようになる。その夜、レコーディングを終えたメンバーのもとに脱退したアユミが訪れ、結婚したこと、そして妊娠5ヶ月であることを報告する。
 一方、北三陸のユイからは「海女さんになる」という思いがけない知らせが届く。
 ついに、GMTのデビュー曲「地元に帰ろう」が完成する。しかし、アキたちの歌声は「太巻マジック」によってコンピュータで加工され、誰の声ともわからぬ出来映えになっていた。それを試聴した春子は激怒。荒巻がかつて、鈴鹿のヘタな歌声を影武者でフォローしたように、またも歌声を別のモノでごまかすという同じ過ちを繰り返していることに憤慨する。そして、春子はとうとう荒巻のもとからアキを離そうとする。
 アキはそういった春子の意向もあり、荒巻の芸能プロダクションを退所することを決断する。それは、同時にGMTから脱退することも意味していた。
 それから数日が経った。合宿所を去ったアキは父のマンションで昔のように、両親と3人で静かな時間を過ごしていた。鈴鹿ひろ美の付き人もやめてしまい、スケジュールも白紙になった。奇しくも、アキは若かりし頃の母と同じく純喫茶「アイドル」でアルバイトをしている。
 しかし、アキは無為に日々を過ごしているわけではなく、音痴を改善しようと努力し、正宗もタクシーでアキのブロマイドを配る地道な宣伝活動をしていた。春子はそんなふたりの姿を見て、アキを所属タレント第一号とし、自身を社長、正宗を運転手とする芸能事務所「スリーJプロダクション」を設立する。
(あまちゃん 第18週「おら、地元に帰ろう!?」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

GMT5のブレイク

 2010年6月、北三陸駅の副駅長・吉田が観光協会の栗原と結婚することになり、アキは祝辞のVTRを撮影する。これが芸能事務所「スリーJプロダクション」の初仕事となる。
 アキのマネージャーは、荒巻のもとを去った水口が務めることになり、テレビ局への売り込みに奔走する。一方、北三陸では海女さんとなったユイのお披露目イベントが開かれ、大盛況となる。
 アキが脱退したGMTには「山梨とブラジルのハーフ」というベロニカ(斎藤アリーナ)が加入し、デビューシングル「地元に帰ろう」のコマーシャルが頻繁にテレビで流れるようになる。水口が口走った「天野アキがいなければGMTは売れない」という意見に発奮した荒巻が「10万枚売ってみせる」と宣言し、予算を10倍としたプロモーションを仕掛けているからだ。
 2010年7月、GMT5のデビューシングル「地元に帰ろう」は、あっさりと10万枚のセールスを突破。アキと水口は、10万枚突破の記念イベント「GMT祭り」をひっそりと観に行く。ふたりは人気アイドルに成長したGMTのパフォーマンスとファンの熱気に圧倒される。アキは自分がいるはずだったステージを胸がしめつけられる思いで見つめる。

種市への告白(2)

 傷心のアキは種市に慰められる。「辛くても逃げちゃダメだ、おめえは一人じゃねえ」と。
 そう言って励ます種市の姿は、アキの心に、かつて恋焦がれた種市先輩を呼び起こさせる。改めて考えれば、荒巻の所属を離れた今、恋愛禁止のルールに縛られることはない。
 アキの心にずっと消えていた恋の炎が燃えあがり、アキは思わず恋の告白をしてしまう。すると、種市もアキのことを「海の底さ、いた時(※)」から好きだったと言い、交際していたユイとは正月に別れたことを明かす。(※)2009年10月、仕事をやめて落ち込んでいた時をさす。
 一方、アキの仕事が増えない状況に焦りを感じた春子は、ついに奥の手を出す。例の「影武者」の秘密を知っている業界関係者たちに会いに行き、自分が天野春子だと明かして同情を引いたり、秘密の暴露をチラつかせるなどして、出演交渉をするという作戦である。この作戦の甲斐もあって、10番組の候補が集まる。
 その中から、アキは水口が取ってきた子供向けの教育番組「見つけてこわそう」をピックアップする。アキは「見つけてこわそう」にさかなクン(本人役)と出演することになり、子供たちの人気者になる。さらに、その活躍がCMプランナー・萩尾コウイチ(深水元基)の目に留まり、アキは予備校「神技ゼミナール」のイメージキャラクターに抜擢される。しかし、「受験が恋人」というキャッチコピーのため、CM放映中の一年間は恋愛禁止だという。
 アキが鈴鹿に相談すると「恋愛なんてバレなきゃいい、みんなやってた」とアドバイスをされる。アキはそのアドバイスを真に受けて、春子に内緒で種市との交際をスタートさせる。
 北三陸では、ユイと夏のあいだで東京行きの計画が立てられ、それを聞いたアキはユイの上京を楽しみにする。しかし、結果的にその計画が実現することはなかった。失踪していたユイの母・よしえが、東京にいる春子のもとに現れたからだ。ユイはどんな顔で母に会えばいいのかわからず、上京を取りやめる。
 よしえは夫のリハビリの日々から逃げてしまったことを認め、東京で元上司の男性にナレーションの仕事を斡旋してもらったり、コンビニでアルバイトをして生計を立てていたことを明かす。GMT5「地元に帰ろう」のCMのナレーションも、実はよしえが担当していたことがわかる。春子は「もう元の家族には戻れない」とよしえの過ちを咎める。
 数日後、祖母の夏が大吉に付き添われ、東京に訪れる。夏の上京にはある大きな理由があった。
(あまちゃん 第19週「おらのハート、再点火」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:テレビ局の男(富岡晃一郎))

憧れの橋幸夫

 2010年8月、祖母の夏が大吉に付き添われ、東京に訪れる。夏の上京にはある大きな理由があった。
 1964年、北三陸で橋幸夫(清水良太郎)のリサイタルが開催された時、19歳の夏(徳永えり)が花束を贈呈し、デュエットまで歌わせてもらえることになった。その時に出会って以来、橋幸夫は夏にとって忘れられぬ憧れの人となった。その橋幸夫にもう一度会いたいというのが上京の理由である。
 幸運にも、鈴鹿ひろ美が映画「潮騒のメモリー」で共演したことがあり、その縁故から夏は橋幸夫(本人役)に会えることに。橋幸夫は鈴鹿と共演したことは忘れていたが、46年ぶりに再会した夏のことは覚えてくれていた。夏は感激し、46年ぶりにふたりは「いつでも夢を」をデュエットする。
 一方、大吉は想いを寄せる春子をめぐって正宗に敵対心を燃やしていたが、正宗からソツがないパーフェクトな東京観光を演出してもらったことを契機に完敗宣言をする。
 翌日、夏は、許されなくても家族に会いたいというよしえを連れて帰郷する。一年ぶりに姿を現したよしえに、ユイは突き放した態度をとる。夫・功は元の家族に戻れなくても、これから新しい家族を築いて行けばいいとして、よしえの帰郷を受け入れる。
 ユイの心境を察して、メールで励ますアキと種市。ユイは夏に「本当は母を抱きしめてあげたい」と本音を漏らす。こうして、足立家にはおよそ一年ぶりに家族が揃う。
 その頃、東京では、荒巻が新しいプロジェクトをスタートさせることになり・・・。

これまで(第1週~第19週)のあらすじ

 2008年7月、16歳の天野アキ(能年玲奈)は母の天野春子(小泉今日子)に連れられて、東京から岩手県北三陸市にやってきた。
 アキは祖母の天野夏(宮本信子)が海女さんとして働く姿に刺激を受け、「海女さんになる」と宣言する。
 アキは、親友でアイドル志望の足立ユイ(橋本愛)と「潮騒のメモリーズ」を結成し、ご当地アイドルとしてブレイク。芸能マネージャー・水口琢磨(松田龍平)のスカウトをきっかけに、ふたりの上京が決定する。しかし、ユイは紆余曲折を経て、北三陸にとどまり、海女さんになる道へ進む。
 アキは大物プロデューサー・荒巻太一(古田新太)の芸能プロダクションに所属し、憧れの大女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の付き人を任せられる。だが、鈴鹿の大ヒット曲「潮騒のメモリー」をめぐって母・春子と荒巻の知られざる秘密が明らかになる。
 2010年6月、荒巻を信用できない春子の意向から、アキは春子が設立した「スリーJプロダクション」に移籍。子供向けの教育番組で人気を博したアキは、予備校のイメージキャラクターに抜擢される。だが、恋愛禁止の制約に逆らい、高校生時代から恋心を抱いていた種市浩一(福士蒼汰)との交際をスタートさせてしまう。
 そんな中、祖母の夏が上京、憧れの橋幸夫(本人役)と46年ぶりの再会を果たす。一方、荒巻が新しいプロジェクトをスタートさせることになり・・・。

太巻映画祭

 2010年9月、荒巻は、アメ女とGMTの二枚看板が伸び悩んでいる現状を打破するために、映画イベント「太巻映画祭」を企画する。
 映画祭の目玉は、荒巻自身が監督を務める「潮騒のメモリー」のリメイク作品である。GMT・薫子にヒロインを務めさせ、鈴鹿ひろ美に母親役を演じてもらうのが荒巻の狙いである。だが、鈴鹿は出演の条件として、ヒロインのオーディションを行うことを提示する。荒巻はその条件を受け入れ、ヒロインのオーディション開催を告知。アキは選考委員会に応募書類を提出する。
 しかし、このオーディションには裏があった。最初から薫子をヒロインに選出することが決まっている出来レースだったのである。しかも、荒巻は泳げない薫子の「吹き替え」(一部のシーンだけ別の俳優を割り当てること)として、アキに出演を依頼するつもりでいた。その話を荒巻の部下・河島耕作(マギー)から聞いた水口は激怒する。
 水口のもとに、荒巻が直々に依頼に訪れる。そこで水口は思いがけない話を聞く。
 荒巻が言うには、鈴鹿がヒロインのオーディションを行うように条件を提示したのは、アキをヒロインにするチャンスを与えるためだと言うのである。鈴鹿は例の「影武者」の件に実は気付いており、罪滅ぼしのために天野春子の娘にチャンスを与えたのだという。
 荒巻はそれを察しながらも、やはりアキに薫子の潜水シーンの吹き替えをさせてほしいという。「悪いようにはしないから」という荒巻の姿は、天野春子に「影武者」の依頼をした1986年の再現であった。
 そんな中、春子のもとに北三陸の大吉から、夏が倒れたという緊急の知らせが届く。
(あまちゃん 第20週「おらのばっぱ、勝負にでる」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:司会者(マキタスポーツ)若き日の勉(斎藤嘉樹))

オーディション

 夏が倒れたという知らせを受け、春子は北三陸へ。夏の心臓手術は成功する。春子は夏の看病のために北三陸に滞在することを決める。
 アキは「潮騒のメモリー」のリメイク作品「潮騒のメモリー~母娘の島~」のオーディションを受けるために劇場へ向かう。演技審査で夏のことを思い出したアキは感極まった演技となり、その演技が鈴鹿の胸を打つ。
 荒巻はアキを薫子の潜水シーンの「吹き替え」にしようとする考えは変わらず、アキを不合格にしようとする。だが、鈴鹿が北三陸のなまりが強いアキはヒロインに適役だと推薦する。結果、アキは一次審査を合格する。
 一方、夏の手術成功を知ったアキは安堵する。審査後、アキはGMTのしおり、真奈、エレンと寿司屋「無頼鮨」で近況を話し合う。彼女たちは合宿所を出て、建設中の東京スカイツリーが見えるマンションに引っ越したという。アキの退店後、しおりたちは荒巻と鈴鹿のウワサ話で盛り上がるが、大将の梅頭から、荒巻と鈴鹿が現在も交際しており、一緒に住んでいるという驚愕の事実を聞いてしまう。
 アキと種市の交際を知る水口は、アキの芸能活動のためにも種市に交際をやめてほしいと訴える。しかし、肝心のアキはまだ交際を続けるつもりでいた。
 オーディションは進む。二次審査、荒巻は演技するアキに天野春子の姿をダブらせてしまう。そして、ついに最終審査へ。アキは仙台のなまりが強いGMT・薫子とヒロインの座を争う。荒巻が最終的に下した決断は、アキをヒロインに起用することであった。
「事務所の社長としては小野寺を推したい。しかし、商売人になりきれないもう一人の自分が天野を推したがっている」
 そこには、24年前、天野春子に「影武者」をさせた時の後悔を繰り返したくないという思いもあった。
 結果、アキが「潮騒のメモリー~母娘の島~」のヒロインに選ばれる。アキはヒロインに選ばれたことを真っ先にユイに伝える。そして、以前にヒロシが撮影してくれたウニ獲りの動画がヒロイン決定の後押しになったとヒロシに感謝する。アキは「鈴鹿あき」の役名をもらい、監督の荒巻、母親役の鈴鹿とともにリハーサルの日々を過ごす。
(あまちゃん 第21週「おらたちの大逆転」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:医師(田中要次))

撮影開始

 映画「潮騒のメモリー~母娘の島~」の撮影が開始される。しかし、鈴鹿はアキの演技に納得せず、「オーディションで見せた迫真の演技を見せてほしい」と言う。鈴鹿は一計を案じ、本当の母娘のようになりきるために天野家に押しかけ、擬似母娘の生活を始める。一方、北三陸では退院した夏がすっかり回復し、春子は東京に戻る機会をうかがう。
 映画の撮影は進み、アキは共演するTOSHIYA(勝地涼)とのキスシーンに困惑する。もしもキスシーンを撮ることになれば、アキにとって生まれて初めてのキスの相手がTOSHIYAということになる。実は、交際中の種市からのキスはたびたび失敗に終わり、アキはまだ誰ともキスしたことがないのだ。しかも、TOSHIYAはチャラチャラした苦手なタイプ、アキはひそかにTOSHIYAを「前髪クネ男」と命名する。
「こんなことになるのなら種市先輩とキスしておけば良かった」と後悔の念でいっぱいのアキに、鈴鹿は自身の経験談を話す。鈴鹿も映画「潮騒のメモリー」の同じシーンで、好きでもない俳優とキスをしたことがあり、それが生まれて初めてのキスだったという。当時のマネージャーだった荒巻から「イヤなら女優をやめてもいい」と説得されたが、鈴鹿はその時、女優として生きることを決意してキスシーンに臨んだのだった。
 心が揺れるアキ。だが、今度は逆にTOSHIYAが「ファンがショックを受けるからキスはしたくない」と言い出す。結果的にキスシーンはカメラの角度を工夫し、キスに見せかけた撮影をすることで終了。その夜、アキは種市のもとへ行き、初めてのキスを交わす。
 撮影が進むにつれ、アキは鈴鹿の姿に祖母の夏を重ねるようになる。やがて感動のクランクアップを迎えるが、時を同じくして、怒り心頭の春子が東京にやってくる。ユイが口を滑らせてしまったために、アキと種市の交際がバレてしまったのだ。

レコーディング

 2010年12月、映画のクランクアップの日、春子が再び上京してくる。荒巻の戦略では、主題歌「潮騒のメモリー」を「天野アキ feat. GMT&アメ女」として大所帯で歌ってもらう計画があったが、春子から「落ち目のグループを混ぜるな」と反対され、アキがソロで主題歌を歌うことが決定。そのレコーディングに春子も立ち会う。
 春子がアキのために歌唱の手本を示していると、そこへ鈴鹿が姿を現す。かつての「影武者」の歌声を「影武者をあてられた本人」が聴くという状況に現場は緊迫した雰囲気となる。だが、鈴鹿は影武者をあてられたことも、その影武者が春子だということにも以前から気付いており、「私のせいで表舞台に出られなかったんですよね。ごめんなさい」と、春子に頭を下げて詫びる。荒巻もすべての責任は自分のせいであるとして「申し訳ない、春ちゃん」と、影武者をさせてしまったことを春子に謝る。
 映画は完成し、2011年3月5日に晴れて封切りとなる。北三陸駅では、ユイが主題歌「潮騒のメモリー」の手売りに精を出し、CDが飛ぶように売れる。
 東京EDOシアターではアキとGMT5の合同ライブ開催が3月12日に決まり、さらに鈴鹿が「スリーJプロダクション」に所属することが決定する。
 3月11日、アキからライブに招待されたユイは、東京に出かけるために北鉄の電車に乗り込むが・・・。
(あまちゃん 第22週「おらとママの潮騒のメモリー」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:マネージャー(奥田恵梨華))

震災と復興

 2011年3月11日、東日本大震災が発生。東北地方の太平洋沿岸を中心に甚大な被害を及ぼす。この影響によってライブは延期になってしまう。
 アキは歌番組で「地元に帰ろう」をGMTと歌ったのをきっかけに北三陸に帰ることを決心する。6月、アキは北三陸へ。町の景色は一変していたが、前向きに生きる人々に勇気づけられる。アキは町の人々と海女カフェの再建について話し合い、「潮騒のメモリーズ」再結成の夢を抱く。
 一方、東京では荒巻と鈴鹿が結婚を発表し、春子と正宗にも復縁の兆しが。東京からはまめべ売りの安部や種市が帰郷してくる。アキは「復興のミサンガ」作りを提案し、町の全員が一丸となって復興に向けて動き出す。
 そんな中、「潮騒のメモリーズ」について取り上げるテレビ番組の企画が持ち上がるが、アキはユイから出演を断られてしまう。ユイは震災のショックで心に傷を負っていた。
 そこへ水口がユイの復活を願って北三陸にやってくる。ほどなくして、GMTもチャリティーコンサートのために北三陸に来訪。彼女たちとの出会いをきっかけに、ユイの中でアイドルになる夢がよみがえり、潮騒のメモリーズは復活を果たす。
 鈴鹿が東北でチャリティーコンサートを開く計画が浮上、コンサート会場が海女カフェに決まる。さかなクンの協力もあり、海女カフェが生まれ変わる。
 北三陸に荒巻も訪れる。荒巻は潮騒のメモリーズに上京を勧めるが、アキとユイは北三陸で活動していくという。
 海女カフェが完成する。その一方で、鈴鹿が音痴ではないかという疑惑が町の人々に広まる。
(あまちゃん 第23週「おら、みんなに会いでぇ!」第24週「おら、やっぱりこの海が好きだ!」第25週「おらたち、いつでも夢を」第26週(最終週)「おらたち、熱いよね!」(前半)まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:ライター(滝藤賢一))

結末

 2012年6月30日、鈴鹿ひろ美のチャリティーコンサートの当日を迎える。
 これまで春子の特訓の成果もなく、鈴鹿の歌声はたまに奇跡的に音程が合う程度。その事態を見かねて、春子が影武者をするために東京に駆けつける。しかし、マイクのトラブルから春子の歌声が入らない。
 鈴鹿の音痴ぶりに海女カフェが地獄と化すかと思われたその時、鈴鹿が信じられないほど素晴らしい歌声を響かせる。それを聴いた観客たちは大喝采。
 その時、春子と荒巻のなかで今まで考えたことのない思いが芽生える。もしかしたら鈴鹿ひろ美は女優一本で勝負したくて、わざと「音痴を演じていた」のか、と。だが、それは鈴鹿にしかわからないことだった。
 鈴鹿のコンサートが終わり、もう一つのイベント、荒巻と鈴鹿、再婚する大吉と安部の結婚式が行われる。急遽、正宗と春子も加わり、3組の合同結婚式となる。式が終わり、夏が海女さんを引退することを発表する。
 7月1日、北三陸鉄道の一部区間が復旧する。潮騒のメモリーズはお座敷列車で万感の思いを込めて「潮騒のメモリー」を歌う。(終)
(あまちゃん 第26週(最終週)「おらたち、熱いよね!」まで~あらすじ・ネタバレ~/その他のキャスト:アナウンサー(山岸舞彩)大吉の母(星野晶子))

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NHK連続テレビ小説 あまちゃん