『氷の華』キャスト

氷の華　あらすじ

　幼少時に母を亡くした恭子 (米倉涼子) は 「吉岡病院」 の院長を務める叔父・吉岡達郎 (中原丈雄) に引き取られ、実の娘のように育てられてきた。
　恭子も吉岡のことを実の父のように慕い、聡明で気品高く育った恭子はやがてプロのピアニストとしてデビュー。さらに23歳の頃にハンサム医師・隆之 (堺雅人) と結婚、誰もが羨むような幸せな夫婦生活……、と順風満帆に年齢を重ねてきた。
　ただ一点、あることを除いては。
　恭子が気がかりなのは、結婚してから12年間、一向に子宝に恵まれることがないまま35歳を迎えてしまったことだ。恭子は不妊症だったのである。日本を代表するピアニストとなり、名誉も財産も申し分ない恭子にとって、それは重大な欠落だった……。
　そんなある雨の日のこと。
　自身のピアノコンサートを大喝采で終え、帰路に就こうとした恭子は思いがけない一報に衝撃を受ける。叔父・吉岡が自宅近くの道路で何者かのクルマにひき逃げされたという。
　意識不明の重体となった吉岡は吉岡病院に搬送され、夫の医師・隆之が緊急手術にとりかかることに。しかし、無情にも吉岡はそのまま息を引き取ってしまう。叔父を失った悲しみと、ひき逃げ犯への怒りに震える恭子。しかし、ひき逃げ犯の手がかりはつかめないまま、月日は流れ……。
　その悲劇から半年後、恭子は幼少期から可愛がってもらっている叔父の古くからの友人、弁護士の名取悦男 (渡哲也) の協力も得ながら、叔父の遺産を相続することが決定。 「吉岡病院」 も 「瀬野病院」 と名前を変え、夫・隆之は院長に、恭子は理事長となって病院を経営していくことになった。
　そんなある日のこと。恭子のもとに謎の女からの電話がかかる。それは隆之の愛人らしき女で 「隆之との間に子供ができた」 という。いたずら電話であってほしいと思う恭子だったが、女の指示通りに郵便受けを確認したところ、まったく知らぬ女の名前 「関口真弓」 と記入された母子健康手帳が……。さらには女の言うとおりに、父親は 「瀬野隆之」、夫・隆之の名前が記入されている。
　もしや隆之は不妊症の自分を見限って愛人に隠し子を……?
　そう感じた恭子は隆之の裏切りが真実かどうか、隆之本人に探りを入れようとするが、ちょうど隆之は仕事の都合で中国へ。恭子は隆之に確認するタイミングを逸してしまう。
　そんな矢先のこと、恭子の愛犬が何者かに毒殺される。まさか例の電話の 「関口真弓」 によって?
　恭子は激情にかられ、隆之を奪った真弓への復讐を決意。中国へ出張中の隆之のデスクから真弓の自宅アパートのキーを見つけだし、殺人計画を実行する……。
　変装して真弓のアパートに侵入した恭子は、真弓がいずれ飲むことを見計らって冷蔵庫の牛乳に毒を。その直後、恭子は証拠を一切残していないことを確認してアパートを後にする。
　容疑者だと悟られない配慮もぬかりなく、雑誌 「Teresa」 の編集者で友人の高橋康子 (高岡早紀) に会う予定や、大学の同窓会に出席する予定などを巧みに利用。学生時代からの友人・滝沢加代 (鈴木杏樹)、浜村ゆかり (葉月里緒奈) のまえでも動揺を悟られないように振舞う。
　そして、翌日、恭子はテレビのニュース番組で殺人計画の成功を知る。例のアパートから関口真弓 (中島ひろ子) の遺体が発見されたのだという。あの憎々しい電話の声の主の死を知らせるニュースを冷静に見つめる恭子。だが、それも束の間、恭子の心境は一変する。
　なんと、関口真弓は吉岡病院の看護師だったのだ……。
　一方、真弓のアパートでは事件担当者となった警視庁捜査一課の警部・戸田克己 (舘ひろし)、本郷西署の警部補・大塚美晴 (ともさかりえ) らが捜査を開始。
　まもなく戸田警部は隆之が真弓とプライベートでつながりがあったという事実を知り、隆之が何らかの事情で真弓を殺したのではないかという初期推理をたてる。しかし、隆之は事件当時は中国に出張中、隆之の犯行とは考えにくい。それならば夫の怪しい行動に気付いた恭子が?、戸田警部は妻・恭子に疑いの目を向けるが……。
　戸田警部の捜査が着々と進む同じ頃、恭子は焦りを感じ始めていた。真弓の 「妊娠」 が一向に明らかにされないのだ。本当に真弓は妊娠していたのか、あるいは、一連の発端となった電話の主は本当に 「関口真弓」 だったのか、恭子は初めて疑念を抱く。
　一方、戸田警部は偶然と閃きに導かれ、ついに恭子が真犯人だという証拠をつかむ。恭子を自白させ、逮捕まで持ち込む戸田警部。ところが、恭子は裁判で逆転無罪となってしまう……。

氷の華　キャスト（出演者）