枠 | ドラマ8 |
タイトル | キャットストリート |
ふりがな | きゃっとすとりーと |
放送日時 | 木曜日 20:00 ほか |
制作著作 | NHK、テレパック |
制作 | NHKエンタープライズ |
放送局 | NHK |
初回 / 最終回 | 2008年8月28日 / 2009年10月2日 (全6話) |
制作統括 | 黒沢淳、小松昌代、遠藤理史 |
原作 | 神尾葉子 「キャットストリート」 |
脚本 | 浅野妙子 (1-4、6)、篠崎絵里子 (5) |
演出 | 佐々木章光 (1-2、5-6)、藤尾隆 (3-4) |
音楽 | 渡辺雄一 |
主題歌 | いきものがかり 「プラネタリウム」 |
◆キャットストリート
名子役として知られた青山恵都 (谷村美月) は、10歳当時、親友だと思っていた現・女優の園田奈子 (高部あい) に裏切られたことをきっかけに10歳から7年間、ひきこもりの生活を送ってきた。
ある日、恵都はフリースクール 「エル・リストン」 の校長・森口健太郎 (生瀬勝久) に出会う。そのフリースクールは高校中退者やワケあって高校に進学しなかった若者が通う学校。本心ではひきこもりを脱け出し、新たな一歩を踏み出したいと考えている恵都はフリースクールに通うことを決意する。
そこで恵都はパソコンのプログラミングに詳しい峰浩一 (勝地涼)、ロリータファッションを愛好する野田紅葉 (黒川智花)、吃音症を抱えるヒップホップ青年の鈴木剛太 (木村了) たちと出会い、恵都は彼らとのふれあいを通じて次第に昔の明るさを取り戻す。
そして恵都の再出発への第一歩は、恵都にかつて 「心の傷」 を与えた奈子、恵都に芸能活動を強いてきたことを後悔している母・由美子 (賀来千香子) など、様々な人々の心を揺り動かしていく。
NHKの木曜日20:00のドラマ 「木8ドラマ」 の第3作目。
原作者は少女漫画では日本一の売り上げとなる5900万部の大ヒット作 「花より男子」 で知られる漫画家・神尾葉子。脚本はNHKでは連続テレビ小説 「純情きらり」 以来の作品となる浅野妙子、TBSドラマ 「クロサギ」 などを手がけた篠崎絵里子。演出はドラマ 「汚れた舌」「それは、突然、嵐のように...」「年下の男」 を演出した佐々木章光が担当する。
原作のテーマはそのままにドラマ化にあたって原作にはいないキャラクターが登場するなど原作とは若干の違いがある。
◆キャットストリートとは
屋根の上に猫がいるように見える飾りつけのこと。原作の第6巻で初めて話題に。
フランス・ノルマンディー地方で撮影したという、ある登場人物の写真集に関する会話シーンにて。
写真集を見た恵都が屋根の上の猫の飾りつけに注目し、
「かわいい、この屋根、猫が乗ってるの? 」
と、尋ねると、その登場人物が返事を。
「それは屋根につける猫の飾り。屋根の上で深夜、猫の集会がよくあって、それをキャットストリートっていうんだって」
ちなみに、それを聞いた恵都は 「あたし、ここにいたことがある気がする」 と感慨深げにポツリと一言。なお、作中では自分たちを野良猫と例えるシーンが数回描かれる。
◆キャットストリート 第1話 「奇跡の出逢い」
17歳・青山恵都 (谷村美月) は10歳の頃から7年間のひきこもり生活を送っている。
両親や妹とはほとんど会話をしない。外出する時は、コンビニで買い物をする時か、家族に来客があり邪魔者扱いされた時ぐらいである。7年前の 「ある出来事」 から恵都の生活は一変してしまったのだ。
ある日、恵都は出かけたコンビニで小学生時代の同級生・原沢大洋 (石黒英雄) と久しぶりに再会。大洋は恵都をたびたび見かけていたが、声をかけそびれていたという。大洋は恵都がひきこもり生活を送っていることを知っており、あまりその話題にふれないように気をつかう。
その時、恵都は手に取った雑誌で女優・園田奈子 (高部あい) の記事を目にする。 「天才子役から女優へ」 と書かれたその記事を見るや、恵都は乱暴に雑誌を置いてコンビニを出て行く。追いかけてきた大洋に 「私に構わないで、本当はバカにしてるくせに」 と言い残して……。
そんな中、恵都はフリースクール 「エル・リストン (意味:散歩道) 」 の校長を名乗る中年男・森口健太郎 (生瀬勝久) から声をかけられる。恵都をたびたび見かけていたという森口は、恵都が高校に通っていないことを言い当てる。そして、森口は軽い気持ちで構わないから自分の学校を見ていかないかと言う。
恵都は森口に誘われ、フリースクールに立ち寄ることに。そこには30人近くの生徒がおり、ほとんどの生徒がイジメやひきこもりなどを理由に高校に通わず、大学入学資格検定に合格するために勉強しているのだという。ただし、束縛はせず、自由に生活しても構わないと森口は話す。実際、パソコンのプログラミングに詳しくPCルームを借り切っている峰浩一 (勝地涼)、吃音症を抱えるヒップホップ青年の鈴木剛太 (木村了) などはそういうタイプのようだ。
「家でひきこもってんのと何が違うんだって言われると困るけど、家以外にこもる場所があるってのも悪くないだろ? 」
そんな森口の言葉が妙に心に残った恵都。そんな中、恵都はサッカー・セリエA入りの夢に向かって練習に励む大洋に勇気づけられ、もう一度フリースクールを訪ねることを決める。そこでロリータファッションを愛好する生徒・野田紅葉 (黒川智花) のペースに巻き込まれ、すっかりあたふたする恵都だったが、その時……、 「青山恵都だろ。『サニーデイズ』の主役。声を失くした天才子役……だった人だろ? 」
生徒・浩一からの一言に動揺した恵都は浩一を突き飛ばし、フリースクールを出て行ってしまう。
それは恵都にとって最も触れられたくない過去だった。実は恵都は10歳の頃までテレビ・舞台などで活躍する有名な子役だったのだ。そして、恵都がひきこもるようになったキッカケは、現在、女優として活躍している園田奈子からのある裏切りが原因だったのである。
◆キャットストリート 第1話 「奇跡の出逢い」 (回想編)
10歳の頃、恵都 (美山加恋/回想) は天才子役と知られ、テレビ・舞台などで活躍していた。
……ある日、恵都はスターの登竜門として名高いミュージカル 「サニーデイズ」 の主役オーディションに参加し、その高い演技力が認められ、見事合格する。
その知らせを聞いた母・由美子 (賀来千香子) は喜ぶ。恵都を芸能界で成功させること、それが由美子の生きがいだったからだ。
時を同じくして、 「昼の部」 と 「夜の部」 のダブルキャストで公演される 「サニーデイズ」 には、もう一人の少女が主役に合格した。同い年の園田奈子 (鈴木理子/回想) である。
恵都は稽古初日に奈子と親しくなり、恵都は子役の先輩という自負もあって奈子に芝居のアドバイスをする。やがて2人はお互いの舞台を成功させるために一緒に稽古に励む仲となる。
一方、母・由美子は恵都を演技未経験の奈子とダブルキャストにされたことに憤慨し、鼻息が荒い。
「あなたは特別な人間なの。絶対に負けちゃダメよ! 」 と、恵都を奮起させようとする由美子。
だが、恵都にしてみればそんなことはどうでもよかった。小学校では芸能人であることを同級生から冷やかされ、友達もいなかった恵都……、そんな恵都にとって、奈子は何よりもかけがえのない親友だったからだ。
そんな中、公演初日を数日後に控え、奈子は 「ダブルキャストにした意味がない」 とスタッフがボヤいているのを聞いてしまう。自分が恵都に比べて芝居が劣っていることが理由だ。恵都と比較され、傷ついて弱気になった奈子を励ます恵都だったが……。
こうして迎えた 「サニーデイズ」 舞台公演の初日のこと。自分が担当する 「夜の部」 の公演開始を待つ恵都は、スタッフが騒がしいことに気付く。 「昼の部」 を担当する奈子が体調を崩したのだという。
急遽、恵都が 「昼の部」 も演じることがスタッフの間で話し合われるが、奈子はどうしても舞台に立ちたいと言う。スタッフは奈子の意思に添うように、このまま奈子に 「昼の部」 を演じてもらうことを決断。ただし、恵都が舞台袖で見守り、ドクターストップだと判断した時は恵都が代役として入れ代わることが決まった。
つらそうな奈子のもとに駆け寄り、声をかける恵都。恵都はその時、奈子の体調の無事と舞台の成功を心から祈っていた。だが、恵都は気付いてはいなかった。奈子が恵都を見つめる瞳に暗い影を宿していることに……。
まもなく当初の予定通り、奈子が主役を務める 「昼の部」 第1回公演が開演する。一時は体調を心配されたが、奈子はそれを感じさせない演技で観衆を魅了。奈子は大歓声と拍手を浴びる。舞台袖で固唾を呑んで見守っていた恵都も代役に備えていたことも忘れ、いつしかその素晴らしさに惹き込まれていた。
こうして最高の結果を残し、共演者やスタッフ、業界人たちに讃えられる奈子。舞台袖の恵都も奈子を祝福しようとする……、が、その時、奈子から返ってきた言葉は思いもよらない言葉だった。
「お礼を言ってほしいの? あげないよ、何にも。……友達ひとりもいないなんて、気持ちわるい人……」
奈子は冷めた表情でそう言うとまた笑顔に戻り、舞台を締めるカーテンコールの挨拶に戻っていく。その瞬間、恵都の人生は一変した。親友だと思っていた奈子からの思わぬ裏切りによって……。
恵都はショックのあまり、その夜の舞台も公演時間15分を一切演じることが出来ず終え、その日限りで主役を降板し、子役も引退。そして、不登校になり、部屋にひきこもるようになった。
恵都はあの日からずっと真っ暗な闇の舞台に立っているのだ……。
◆原作漫画・神尾葉子作 「キャットストリート」 全体のあらすじ
*結末を含む。
16歳の恵都は9歳の頃までは名子役として知られていたが、心の傷が原因で芸能界を退き、ひきこもりの毎日を送っていた。
ある日、スクール長との出会いからフリースクール 「エル・リストン」 に通い始めた恵都は、天才サッカー少年として知られていた玲、パソコンの知識に優れたIQ 200の天才・浩一、ロリータファッションを愛好する紅葉との出会いをきっかけに心を開いていく。
そんな中、名子役だった恵都を特別扱いしなかった大洋と再会する。大洋のさりげない優しさに心惹かれる恵都だったが、大洋にはすでに恋人がおり、恵都は失恋してしまう。そんな時、いつも飾らない優しさで恵都を支える玲、浩一、紅葉。
一方、恵都に心の傷を与えた女優・奈子は、恵都に再会しようと手回しを。 「もう芸能界の人間じゃないから」 と奈子を避けようとする恵都だったが……。
やがて奈子の代役で若手ミュージシャンのPV出演が決定した恵都。恵都の出演したPVは業界で評判になるが、有名演出家の海老名から発声がまるでダメ、女優失格だと指摘される。もう芸能界に未練などはないと思っていた恵都だったが、本心では悔しくてたまらない。恵都がプロ意識に気付いた瞬間だった。
まもなくして映画で主役の恋敵となる友人役をもらった恵都。女優として奮闘する中、昔は会話すらしなかった両親や妹とのわだかまりも氷解し、女優・奈子とは良き友人かつライバルとして認め合う仲となる。
時を同じくして、恵都は玲と浩一との三角関係に苦悩。玲から告白され付き合い始めるが、心のなかには浩一の存在が。玲はそれに気付き、恵都に別れを切り出す。
フリースクールでの生活を経て、様々な喜びや悲しみに遭遇する恵都。しかし、後になって気付くのである。すべてが最高の日々だったことに。だが、やがて彼らにも別れが訪れる……。
2年半後、スクール長が亡くなり、起業したPC会社を波に乗せた浩一が 「エル・リストン」 を再建する。プロサッカー選手となった玲も帰国し、4人は運命の再会を果たす。浩一との交際もスタートさせた恵都。4人はかつて光り輝いていた 「エル・リストン」 での日々を胸に、今を生きている。≪終≫
(全8巻を要約)
◆原作との主な違い
最も大きな違いは、
・原作で描かれた天才サッカー少年・佐伯玲が登場しない。
・原作にはいなかった鈴木剛太 (木村了) という吃音症を抱えるヒップホップ青年が登場する。
など。ただ、佐伯玲の不在については、原作の佐伯玲の言動 「恵都が天才子役だったという過去を指摘する」 を、劇中では峰浩一 (勝地涼) が担当していることから、佐伯玲の言動を峰浩一が兼ねていることが伺える。
また、第1話に関しては原作では 「心の傷」 を負った過去の経緯が若干異なり、奈子が本番数日まえからナーバスになり恵都のことを無視しはじめるといったシーンが含まれる。 (恵都、ショックを受け 「舞台が終わったら元の奈子に戻ってくれるはず」 と呟く)
そのほか、奈子が恵都に対してスターに出会ったように憧れを表現するシーンや、恵都が奈子に演技のアドバイスを丹念にする (結果的に奈子が恵都のロボットと揶揄される) シーンなどが原作にはある。
キャスト | 役 | 初回 |
谷村美月 | 青山恵都 | 1 |
勝地涼 | 峰浩一 | 1 |
黒川智花 | 野田紅葉 | 1 |
木村了 | 鈴木剛太 | 1 |
石黒英雄 | 原沢大洋 | 1 |
荒井萌 | 青山知佳 | 1 |
美山加恋 (子役) | 青山恵都 (10歳) | 1 |
大島優子 (AKB48) | 平野ユミ | 2 |
寺門ジモン | レポーター | 3 |
大島蓉子 | 野田志津江 | 3 |
馬場徹 | 山口健 | 3 |
鈴之助 | 吉井真二 | 3 |
飯田基祐 | プロデューサー | 5 |
秋田真琴 | マドカ | 6 |
峯岸みなみ | エル・リストン生徒 ゆかり | 1 |
寉岡瑞希 | エル・リストン生徒 京香 | 1 |
里中隼人 | エル・リストン生徒 直樹 | 1 |
小野恵令奈 | 知佳の友達・雅美 | 1 |
深澤嵐 | 原沢大洋 (10歳) | 1 |
鈴木理子 | 園田奈子 (10歳) | 1 |
有末麻祐子 | さゆみ | 5 |
秋山奈々 | 恵美 | 5 |
高部あい | 園田奈子 | 1 |
秋本奈緒美 | 栗田ひとみ | 4 |
池田成志 | ディレクター・木下 | 1 |
小林美江 | ファミレスの母親 | 1 |
吉田羊 | 監督 | 4 |
夕輝壽太 | 高校生・清 | 5 |
清水良太郎 | 高校生・治司 | 5 |
まるお | 男子生徒・篤郎 | 5 |
中村映里子 | リサ | 3 |
麻生夏子 | 美咲 | 3 |
沢井美優 | 奈々 | 3 |
山上賢治 | プロデューサー | 1 |
山本康平 | 教師 | 1 |
三国由奈 | 園田奈子のマネージャー | 1 |
五十嵐飛大 | サッカー部員 | 1 |
玉有洋一郎 | 舞台関係者 | 1 |
西田心 | 1 | |
沼田芙由美 | 劇場アナウンス | 1 |
宮内洋 | 1 | |
久住祐葵 | 1 | |
田中真音 | 1 | |
小島藤子 | 青山知佳の同級生 | 2 |
あいか | 青山知佳の同級生 | 2 |
坂巻奈津穂 | 青山知佳の同級生 | 2 |
薬袋一久 | 2 | |
雨宮洸 | 2 | |
村上剛基 | 2 | |
川内崇 | 2 | |
高濱正朋 | 若者 | 2 |
坪田和也 | 鈴木剛太の同級生 | 2 |
風間由次郎 | 若者 | 2 |
大澤奨 | 鈴木剛太の同級生 | 2 |
阿良川真士 | 山口健の仲間 | 3 |
荒川大三郎 | 警察官 | 3 |
岩崎紀世 | スタッフ | 3 |
川村幸代 | リサの仲間 | 3 |
水元秀二郎 | 刑事 | 3 |
阿部新 | スタッフ | 3 |
河瀬ゆり | 女子生徒 | 4 |
吉見幸洋 | 撮影スタッフ | 4 |
ちかみれい | 撮影スタッフ | 4 |
坂本亜里紗 | 春香 | 4 |
岡田幸樹 | 撮影スタッフ | 4 |
木下裕由 | ミカ | 4 |
住吉晃典 | 相原 | 4 |
りょうすけ | 研一 | 4 |
山本絵里 | 生徒 | 4 |
阿部朋子 | 春香の母 | 5 |
北沢洋 | 助監督 | 5 |
杉浦大介 | 助監督 | 5 |
吉岡佑 | ナンパの男 | 5 |
八代進一 | 記者 | 5 |
向井恭介 | 記者 | 5 |
戸田慎吾 | 高校生 | 5 |
白洲慶子 | 店員 | 5 |
岡田桂子 | 指導員 | 5 |
東加奈子 | 映画スタッフ | 5 |
桐山凌一 | コンビニ店員 | 5 |
足立麻美 | アシスタント | 6 |
豊永純二 | 司会者 | 6 |
杉原禎 | ダンサー | 6 |
堀越涼 | 声の出演 | 6 |
蓬田広平 | ダンサー | 6 |
田中圭 | 小沢雅信 | 3 |
宇治部莉奈 | 1 | |
児玉愛里 | 1 | |
小林風花 | 1 | |
遠田ひな乃 | 1 | |
樋口沙耶 | 1 | |
大田原彩那 | 1 | |
小林ひな実 | 1 | |
渋谷紗優稀 | 1 | |
橋本真優 | 1 | |
福原佑実 | 1 | |
真瀬垣琴里 | 1 | |
山本理乃 | 1 | |
吉山瑠美 | 1 | |
星野奏子 | 1 | |
松下南海 | 1 | |
横大路彩乃 | 1 | |
渡部由梨香 | 1 | |
鳥居みゆき | ヘアメイク | 6 |
大友康平 | 映画監督 | 5 |
高橋ジョージ | 青山隆一 | 1 |
生瀬勝久 | 森口健太郎 (スクール長) | 1 |
賀来千香子 | 青山由美子 | 1 |