タイトル | 「真夜中のパン屋さん」 |
初回/最終回 | 2013年4月28日 / 6月16日(全8話) |
初回/最終回 (再) | 2013年11月5日 / 12月24日(全8話) |
放送局/放送日 | NHK BSプレミアム / 日曜日 22:00 |
放送局/放送日 (再) | NHK総合 / 火曜日 22:00 再放送あり |
制作統括 | 落合将、谷口卓敬 |
原作 | 大沼紀子『真夜中のパン屋さん』 |
脚本 | 寺田敏雄 |
演出 | 大原拓 |
音楽 | 岡部啓一、帆足圭吾 |
主題歌 | Chara「hug」 |
11月 / 1話・2話・3話・4話
12月 / 5話・6話・7話・8話(最終回)
パン職人(ブランチェ)の暮林陽介(滝沢秀明)がオーナーを務める「ブランジェリー クレバヤシ」は、夜11時から朝5時までを営業時間とする真夜中限定のパン屋である。
陽介と一緒に働くのは、同じパン職人の柳弘基(桐山照史)。弘基は陽介のことを「クレさん」と呼んでおり、一方、陽介にとって弘基は「パン職人の師匠」、パン作りの技術を教えてもらっている。なお、以前、陽介は海外でサラリーマンとして働いていた過去がある。
ある日、陽介が酔っ払ったサラリーマン、松川幸夫(つまみ枝豆)、高橋祐二(中嶋ベン)、池沢誠(深沢敦)たちの接客をしていると、一人の女子高生が来店してくる。彼女は篠崎希実(土屋太鳳)と名乗り、陽介の妻・暮林美和子(伊藤歩)の腹違いの妹だという。
「美和子に会わせてほしい」と言う希実だが、美和子は半年前に交通事故で他界しており、陽介がその事実を告げると希実はショックを受ける。
希実は「母が家出して生活に困っている」という。陽介は希実の言うことをひとまず信じ、希実を店の住居スペースに入れることにした。
この来訪のきっかけは、生前の美和子が半年前に出した一通の手紙だった。希実にとって異母姉妹である美和子は、希実に「いつでも訪ねて来てほしい」という手紙を出していたのだ。
その手紙を投函した日付の「2012年9月28日」は美和子の命日。つまり、美和子は手紙を出したその日に交通事故で亡くなっていた。
陽介は美和子が希実を呼び寄せたような運命的な何かを感じる。
次の日から、希実は店から桜ヶ原高校に通うことになった。陽介は「これを学校で食べて」と希実のために昼食用にパンを手渡すが、陽介は希実が「ある理由」で登校中にパンを捨てるのを目撃してしまう。
陽介はまだ知る由もないが、この時、希実は学校でイジメを受けていた。幼馴染の三木涼香(小島藤子)がクラスメートの蒲原みずき(若菜葵)、久保田舞(朝日梨帆)とつるんで、希実に執拗な嫌がらせを繰り返していたのだ。この日は、希実がトイレの個室に居たところ、頭上からバケツ3杯の水をかけられるという陰湿なイジメを受けた。
放課後、希実がズブ濡れになって店に帰ってくる。陽介は希実の身に何があったか心配しながらも、詮索はしない。
翌日も陽介が希実にパンを持たせると、この日はパンを捨てずに学校に持っていく。しかし、またも涼香たちの嫌がらせが。昨日は水をかけられっぱなしだった希実だが、この日は屈しない。涼香からパンを踏みつけられたことをキッカケに、希実が涼香と激しくケンカする。
希実が涼香とケンカしたことで、陽介に呼び出しがかかる。陽介が保護者として高校に呼ばれ、弘基も同行することになった。
陽介は「腹が減って気が立ってるんじゃないかと思って」と涼香にパンを差し出すが、涼香の母・三木淑枝(田中律子)から冷たく拒絶される。
陽介は昨日、希実がズブ濡れで帰ってきた原因が涼香にあると直感し、涼香が希実に対してなぜ嫌がらせをするのか聞き出そうとするが、涼香は答えない。
帰りの車中、希実は「あの子だって、そんな自分が自分でイヤなんだと思う」と話す。
陽介は気付く。希実が登校中にパンを捨てた理由は、「せっかくもらったパンを涼香に奪われ、ボロボロにされるのがイヤだったからだ」と。
希実は胸の内を見抜かれ、パンにまつわる思い出を話す。パンには良い記憶がない。母が娘の私にかまわず家を空けることがたびたびあり、いつも食卓にパンが残してあって一人で食べた思い出しかないから、と。
希実にとって、パンを食べる時はいつも一人ぼっちだった。しかし、今は一緒にパンを食べる陽介と弘基がいる。希実は初めて笑顔を見せる。
(真夜中のパン屋さん 第1話「謎の女子高生来たる」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/上記にないキャスト:弓坂悦郎(竹内寿)老人客(五月晴子)長谷川公男(大内厚雄)そのほかのキャスト(田中えみ、本間理紗、新井郁、川庄美雪、森田望智、采女ななみ、若山菜由、森本早紀))
店に水野こだま(藤野大輝)という8歳の男の子が現れる。こだまは「ありがとうございました!」と言って頭を下げると、代金も払わずにパンを持ち逃げしようとする。店番をしていた希実は「ドロボー!」と叫んでこだまを追いかける。
こだまを捕まえて事情を聞くと、こだまは「お姉ちゃんにパンを好きなだけ持って行っていいって言われた」と言う。希実はそんなサービスを許可した覚えはない。ひととおり話を聞いた陽介はこだまを気遣って、パンが入ったふくろをプレゼントする。
希実がこだまを家まで送り届けると、こだまの母・水野織絵(前田亜季)がちょうど帰宅してくる。織絵はこだまが万引きをしたことを知ると、ひどく動揺しながら一万円札が入った封筒をお詫びに手渡し、土下座をして希実に謝る。店に戻ろうとした希実は、家の中で織絵がこだまを厳しく叱りつけている声を聞いてしまう。
翌日、希実は織絵のもとへ一万円札を返しに行く。すると、庭にはこだまの姿が。先程まで雨が降っていたこともあって、こだまの髪はびしょ濡れである。こだまは「お客さんが来た時は外にいなきゃいけない」と言う。それはつまり、母親が男と二人きりになるために息子を外へ追い出して――。希実はその状況をすぐに理解し、幼かった頃の自分も同じ境遇だったことを思い出す。
そんな中、昨日の「お姉ちゃんにパンを好きなだけ持って行っていいって言われた」というこだまの発言の真意がわかる。「お姉ちゃん」というのは、希実ではなく、陽介の亡き妻・美和子だったのだ。この店がオープンするまえに、美和子からそう言われて指切りげんまんしていたのである。つまり、こだまは何一つ、ウソをついていなかったことがわかる。
陽介たちがこだまを家まで送り届けると、織絵がいない。織絵は「お母さんはしばらく帰れません」という書き置きを残して姿を消していた。寂しいはずなのに笑顔を絶やさず、母親に愛情を抱きつづけるこだまの姿に、陽介たちは心を打たれ――。(第2話・終了)
こだまと織絵のエピソードにはまだ続きがある。数日が経って、店にソフィア(ムロツヨシ)というニューハーフが現れる。一見、関係が無さそうなこだまの母とソフィアだが、実は思わぬつながりがあった。さらに、その後には美作元史(植草克秀)という中年の男性が現れて――。
(真夜中のパン屋さん 第2話「小さなパン泥棒」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/上記にないキャスト:8歳の希実(信太真妃)後輩1(小林裕之)後輩2(菊口富雄))
パン屋の常連客で、脚本家の斑目裕也(六角精児)にはある秘密がある。斑目は毎日、好意を抱く由香里(平川由梨)を望遠鏡で観察することを密かな喜びにしていた。早い話が「のぞき」であるが、それはいつしか喜びというよりも斑目の日課のようになっていた。斑目は彼女が何時に帰宅するかなど、彼女の行動を熟知していた。
ある日、希実とこだまは斑目にパンを届けた際に、ひょんなことから斑目の部屋のなかに入ってしまう――。
そんな中、斑目がいつものように由香里を観察していたところ、由香里の異変に気付く。由香里は睡眠薬を大量に飲んでいた。斑目と陽介たちが駆けつけ、由香里を命の危機から救う。斑目は自分にケジメをつけ、由香里への想いを断ち切る。
(真夜中のパン屋さん 第3話「普通じゃない人々」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)
由井佳乃(野村麻純)という少女が弘基を訪ねてやってくる。佳乃は弘基と交際していたことがあるらしく、佳乃は「少しだけ自分の面倒をみてほしい」という。その日から佳乃は店の看板娘になり、店は大繁盛する。
そんな中、希実は佳乃の部屋で大量の札束が入ったカバンを見てしまう。そして、実は佳乃が結婚詐欺師である疑惑が浮上する。果たして、あの大金の出どころは――?
その矢先、陽介たちは佳乃に顔がそっくりな少女と出会う。実は「由井佳乃」を名乗ってやって来たあの少女は、双子の姉「由井綾乃」であることがわかる。綾乃はある理由で「佳乃になりすまして」店に訪れたのだった――。
(真夜中のパン屋さん 第6話「もうひとりの佳乃」まで~あらすじ・ネタバレ~)
最終回を迎え、再び希実のエピソードへ。
希実が店で生活するようになってしばらくが経つ。真夜中限定のパン屋「ブランジェリークレバヤシ」も繁盛し、一周年を迎えようとしていた。
そんな中、希実のもとに母の篠崎律子(ともさかりえ)から手紙が届く。希実のなかで身勝手な母へのやるせなさと怒りと、母に会いたいという気持ちがせめぎあって、希実の心は揺れる。
一方、陽介は店に訪れた女性客が希実の母だったことに気付いて――。
(真夜中のパン屋さん 第8話(最終回)「小さな灯りをともして」まで~あらすじ・ネタバレ~)