TV
ABA 青森朝日放送
青森朝日放送株式会社(ABA)は、青森県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者であり、テレビジョン放送事業を行っています。略称はABAで、コールサインはJOAH-DTVです。ABAはANN系列フルネットのテレビ放送局であり、テレビ朝日の親会社であるテレビ朝日ホールディングスの持分法適用会社でもあります。
ABAの資本系列は朝日新聞社系に属し、マスコットキャラクターとして「ドキタン」を採用しています。局のキャッチフレーズは「ミテミテ!ABA」で、地上デジタル放送の試験電波では「ミテミテ!5ちゃん!」というキャッチフレーズも使用されました。2006年からは「ミテ!朝」という愛称も導入され、自主制作番組や新聞紙上の番宣などで使用されています。環境キャンペーンのスポットCMでは、この「ミテ!朝」が頻繁に使用されました。
2010年には開局20周年を記念して「夢はここから ABA 20th」というキャッチコピーが使用され、2012年からは「20th」が取れた「夢はここから ABA」が引き続き使用されています。2016年には開局25周年として「夢はここから ABA 25th」が使用されました。ABAは在青テレビ局の中で唯一、開局以来略称ロゴを変更していない局でもあります。
ABAの社名ロゴは、放送開始前のカラーバーや報道・情報番組での発局表示には正式な社名ロゴが使用されていません。正式な社名ロゴは、既存の書体である石井中太ゴシック(写研)を用いたものです。
青森県のANN系列の歴史は、1969年に青森テレビ(ATV)が開局したことに始まります。当時、朝日新聞社が全国朝日系テレビネットワークを構築するために全国各地にUHF新局の開局申請を行い、青森テレビもその一環として開局しました。しかし、青森テレビは開局当初からTBS系列に番組編成の主軸を置き、ニュースネットも正式にJNNに加盟することを希望しました。1975年には青森放送(RAB)がANNとのネット関係を結び、青森テレビはJNN系列に一本化されました。
1990年代に入り、青森県でも第3局開局の機運が高まり、テレビ朝日系としてABAが設立されました。1986年1月17日に青森地区第3局の周波数割り当てが行われ、1990年4月2日に予備免許が交付されました。ABAは1991年9月24日にサービス放送を開始し、同年10月1日に本放送を開始しました。青森県の3番目のテレビ局として開局したABAは、開局記念番組として『私の青森「ABAからこんにちは!」ABAができるまで』を放送しました。
ABAの開局に伴い、青森放送(RAB)から多くのテレビ朝日系列の番組が移行されました。ニュース番組はRABからの引き継ぎが行われ、朝のニュースと昼のニュースが新規ネット開始されました。1998年には開局7周年を記念して「ドキタン」を局キャラクターとして採用しました。
2005年にはデジタルマスターへ更新し、2006年には地上デジタルテレビ放送の試験放送を開始しました。2008年には取材ヘリコプターが墜落事故を起こし、ABAアナウンサーとカメラマンが行方不明となる悲劇もありました。2011年にはアナログ放送が終了し、地上デジタル放送に完全移行しました。
2012年には県内ローカルテレビ局初のインターネット回線経由を使ったデータ放送双方向機能を使用開始し、2017年にはテレビ朝日ホールディングスの持分法適用関連会社となりました。2020年には終夜放送を開始し、青森県内の全民放局で終夜放送が実施されることになりました。2021年には開局30周年を記念して特別番組が放送されました。
このように、青森朝日放送は青森県におけるテレビ放送の歴史とともに成長し、地域に密着した放送局としての役割を果たしています。技術革新や社会貢献活動を通じて、地域の視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けています。