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ABC 朝日放送

朝日放送グループホールディングス株式会社(英: ASAHI BROADCASTING GROUP HOLDINGS CORPORATION)は、日本の認定放送持株会社です。傘下には地上デジタルテレビ放送事業を行う朝日放送テレビ、AMラジオ放送事業を行う朝日放送ラジオ、CSデジタル放送事業を行うスカイAなどが含まれています。1951年3月15日に「朝日放送株式会社」として設立され、同年11月11日に日本で3番目のAMラジオ放送を開始しました。その後、1956年12月1日に設立に関わった大阪テレビ放送が西日本で初となるテレビ本放送を開始しました。1959年6月1日には大阪テレビ放送との合併により「朝日放送テレビ」としてテレビ放送を開始し、2018年3月31日までAM放送とテレビ放送を同一法人で行う兼営局でした。

2018年4月1日にはテレビ・ラジオの放送免許と放送事業全般の業務を新設した事業子会社に承継し、商号を「朝日放送グループホールディングス株式会社」に変更、認定放送持株会社に移行しました。略称であるABC(エービーシー)で広く知られており、日本の放送局では初めて国際環境規格「ISO14001」を認証取得しました。これは系列局のテレビ朝日や名古屋テレビ放送、瀬戸内海放送などにも影響を与え、同じくISO14001を取得するきっかけとなりました。朝日新聞社系列であり、朝日新聞主導で開局した最初の放送局です。人材交流も活発で、ABC所属の社員が朝日新聞に出向し、逆に朝日新聞の社員がABCに出向することもあります。アナウンサーが朝日新聞記者となった例もあり、多様なキャリアパスが存在しています。
放送局を取り巻く環境の変化に対応するため、朝日放送では2016年に中間持株会社のABCフロンティアホールディングスと事業子会社のABCアニメーション、ABCインターナショナル、ABCライツビジネスを発足させました。これによりアニメーション制作や海外への番組・フォーマット販売、ライセンス・物販事業といった放送関連事業を分社化し、効率的な運営を開始しました。2017年2月8日には、さらなる経営の迅速化と柔軟な判断を目指し、放送持株会社への移行とテレビ・ラジオそれぞれの分社化を発表しました。これにより、2018年4月1日には朝日放送が「朝日放送グループホールディングス株式会社」に商号を変更し、免許を含めた放送事業を朝日放送テレビと朝日放送ラジオに分割承継しました。これにより、朝日放送グループホールディングスの傘下に朝日放送テレビ、朝日放送ラジオ、スカイAなどの基幹放送事業者が含まれる体制が整いました。
朝日放送のロゴは、時代とともに変遷してきました。初代のロゴは開局時に登場し、1989年まで使用されました。1973年には2代目のロゴが登場し、これ以後も初代ロゴは一部の番組や放送機材で使用され続けました。1989年4月1日には3代目のロゴが導入され、2007年12月31日まで使用されました。2008年1月1日には現在の4代目ロゴが導入され、「昇る朝日」をイメージしたサンライズオレンジの色を基調とし、アクティブなスピード感を表現しています。このロゴは、ABCの各部門でも使用されており、例えば「ABC Radio」や「ABC TV」専用のロゴも存在します。
1948年秋には朝日新聞東京本社内に朝日放送設立準備委員会が設置され、1949年12月15日には「朝日放送株式会社」の設立申請を郵政当局に提出しました。1951年には大阪で新日本放送との合同工作に失敗し、放送免許獲得競争を展開することになりました。3月15日には創立総会を開き、朝日放送株式会社が正式に設立されました。初代社長には石井光次郎が就任し、大阪市北区中之島の朝日会館に本社を置きました。同年11月11日には日本で3番目のAMラジオ放送を開始し、その後も数々の変遷を経て成長を続けてきました。
2018年4月1日には放送持株会社体制に移行し、朝日放送グループホールディングスとして新たなスタートを切りました。現在も地上デジタルテレビ放送、AMラジオ放送、CSデジタル放送など多岐にわたる事業を展開し続けています。

アナウンサー・気象予報士