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eat 愛媛朝日テレビ
株式会社愛媛朝日テレビ(略称:eat)は、愛媛県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。1995年4月1日に開局し、ANN系列のフルネット局として、地域に根ざした放送を行っています。eatの開局により、NHKの旧拠点放送局エリアでは最も遅く、そして平成以降では唯一の民放テレビ四局化が実現しました。
eatは開局以来、地域に密着した放送局として成長を続けてきました。2005年の開局10周年を機に、局ロゴを大文字の「EAT」から小文字の「eat」に変更し、さらに2015年の開局20周年では新たなCIとロゴマークを導入しました。現在は紺青色をトレードマークとしており、ステーション・キャッチコピーは開局25周年を機に「地元を愛す。」に変更されました。
eatの成長は視聴率にも表れています。2019年には開局以来初めて、愛媛地区年間視聴率のプライムタイムで首位を獲得し、その後も5年連続でこの座を守り続けています。この快挙は、約四半世紀にわたる地道な努力の結果と言えるでしょう。
技術面でも、eatは着実な進歩を遂げています。2018年には日本民間放送連盟賞技術部門で「データベース不要!ファイルベース化におけるMAMの自社開発」で優秀賞を受賞し、平成新局としては初の受賞となりました。2020年にも「超テレビ連動アプリ テレビちゃん。システムの開発」で同賞を受賞するなど、技術革新にも積極的に取り組んでいます。
eatのマスコットキャラクターも、時代とともに変遷してきました。初代の「ガブリ君」から始まり、2代目の「ココロン」、3代目の「一平くん」(広報大使)を経て、2020年3月30日からは4代目となる「eatフレンズ」が就任しました。「eatフレンズ」は、eatの文字と愛媛県の特産品であるミカン科の果実3種を組み合わせたキャラクターで、地元愛を表現しています。
本社は愛媛県松山市に置かれ、東京と大阪に支社を、新居浜、宇和島、今治、八幡浜に支局を設置しています。かつては高松にも支社があり、現在でも高知県西部も取材対象地域に含まれるなど、四国全体をカバーする体制を整えています。
eatの開局までの道のりは、1992年10月16日の放送普及基本計画の変更諮問から始まりました。1994年1月25日に予備免許が交付され、同年4月8日に会社が設立されました。1995年1月25日には試験電波の発射を開始し、3月13日に本免許を取得。3月25日からサービス放送を開始し、4月1日に正式に開局しました。
開局当初は、既存の放送局から番組の移行が行われました。その割合は南海放送(RNB)が6、テレビ愛媛(EBC、当時は愛媛放送)が3、あいテレビ(ITV、当時は伊予テレビ)が1となっていました。ただし、民間放送教育協会制作の番組は、南海放送が脱退しなかったため移行されませんでした。
eatは、地上デジタル放送への移行にも積極的に取り組みました。2006年10月1日に地上デジタル放送を開始し、2011年7月24日には地上アナログ放送を終了しました。
このように、eatは開局以来、技術革新と地域密着型の放送を通じて、愛媛県の視聴者に独自の価値を提供し続けています。視聴率の向上や技術賞の受賞は、その努力の成果と言えるでしょう。今後も、愛媛県唯一のANN系列局として、地域社会との強い結びつきを維持しながら、視聴者のニーズに応える放送を続けていくことが期待されています。