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EBC テレビ愛媛
株式会社テレビ愛媛(Ehime Broadcasting Co., Ltd.、略称EBC)は、愛媛県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者で、フジテレビ系列(FNN・FNS)に属しています。1969年に「愛媛放送株式会社」として設立され、2004年に現在の社名に変更されました。これにより、愛称として使用されていた「テレビ愛媛」と正式な社名が統一されました。
テレビ愛媛のマスコットキャラクターは、長年にわたり妖精のキャラクター集団が使用されてきましたが、2004年に「ビビットくん」が登場し、現在は地上デジタル放送開始に合わせてリニューアルされた2代目の「ビビットくん」が使用されています。略称はEBCで、コールサインはJOEI-DTVです。キャッチコピーは「おきたら8ch」で、フジテレビのキャッチコピーを「EBC」に変えて使用することもあります。
テレビ愛媛は2019年に開局50周年を迎え、フジテレビ系列の四国地区で最初に開局した放送局でもあります。本社は愛媛県松山市真砂町にあり、親局の送信所は愛媛県伊予市に設置されています。その他、東京、大阪、高松、新居浜、今治、宇和島に支社・支局を持ち、地域に密着した放送を行っています。
テレビ愛媛の歴史は、1964年に「愛媛UHF放送」が免許申請を行ったことに始まります。その後、1968年に「テレビ松山」を含む14社が申請し、一本化調整が成立しました。1969年1月に「愛媛放送株式会社」が正式に設立され、同年3月にフジテレビをキー局とすることが決定しました。10月には試験電波の発射を開始し、12月10日に正式に開局しました。
開局当初から、テレビ愛媛は地域に根ざした放送を展開してきました。1970年には川之江中継局と菊間中継局を開局し、東予の主要エリアをカバーしました。1971年には宇和島中継局と中山中継局を開局し、南予地域にも放送エリアを拡大しました。1977年には『えひめ 人 その風土』を開始し、愛媛県出身の先達にスポットを当てた硬派ドキュメント番組として長寿番組となりました。
技術面でも、テレビ愛媛は常に先進的な取り組みを行ってきました。1971年にはカラーフィルム現像機を導入し、1972年にはスタジオと副調整室の仮カラー化を実現しました。1973年にはカラー中継車を導入し、1974年には『おはようU』を開始するなど、カラー放送の充実を図りました。
2004年には社名変更とともに、CIを導入し、局ロゴを「EAT」から「eat」に変更しました。2006年には地上デジタル放送を開始し、2011年には地上アナログ放送を終了しました。2019年にはマスター更新に伴い、データ放送をFNN・FNS共通フォーマットから独自データ放送に刷新しました。
2021年には、八幡浜市・大洲市・西予市・内子町・伊方町への取材拠点であった八幡浜支局を、愛媛県内の他の民放テレビ局と共同運用する「八幡浜共同支局」へ改組しました。これにより、テレビ愛媛が代表して記者を駐在させ、取材した原稿と映像を他の3局(南海放送、あいテレビ、愛媛朝日テレビ)の本社へ一斉に送信する体制を整えました。
テレビ愛媛は、地域に密着した放送局として、視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けています。開局以来、技術革新と地域貢献を通じて成長を続けており、今後も愛媛県の放送文化の中心的存在として、その役割を果たしていくことが期待されています。