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FCT 福島中央テレビ
株式会社福島中央テレビ(ふくしまちゅうおうテレビ、英: Fukushima Central Television Co., Ltd.)は、福島県を放送対象地域とし、テレビジョン放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者です。コールサインはJOVI-DTVで、略称・愛称は「中テレ」と呼ばれています。2019年12月31日までは略称「FCT」が使用されていましたが、現在は「中テレ」に統一されています。
福島中央テレビは、福島県の県庁所在地である福島市ではなく、経済的中心都市である郡山市に本社と演奏所を置いています。日本テレビ(NNS・NNN)系列の民放テレビ局であり、1963年に開局した福島県初の民放テレビ局である福島テレビ(FTV)とは異なる経緯で設立されました。福島テレビの設立当初、福島県や福島県議会が調停に入り、福島県が50%の株を持つ形で設立されましたが、これに対して郡山商工会議所青年部らが中心となり、「県民テレビ運動」(新免テレビ運動)を起こしました。
1968年8月、福島県において2局目の割り当てが行われ、予備免許申請社は9社に及びました。その中には、当時の福島交通社長である織田大蔵が代表を務める「福島放送」も含まれていました。織田氏との激しいやりとりの末に、ラジオ福島(RFC)や福島民報社は申請を取り下げ、1969年4月4日に小針幸太郎が代表を務める「福島中央テレビ」に予備免許が交付されました。福島民友新聞(福島民友)と朝日新聞社、郡山市財界が中心となり、1970年に開局しました。
福島中央テレビの本社は郡山市にあり、郡山市商工会館に仮事務所を設置し、発起人および初代社長も郡山商工会議所出身であるため、郡山市に本社と演奏所が置かれています。このため、福島市に本社がある福島テレビやテレビユー福島(TUF)と比較して、郡山色が濃いという特徴があります。
福島中央テレビは、ビデオリサーチによる2023年の年間世帯平均視聴率調査で、全日7.4%、ゴールデン12.6%、プライム11.6%を記録し、三つの時間帯全てで12年連続県内5局のトップとなりました。年間個人平均視聴率でも全日4.2%、ゴールデン8.0%、プライム7.2%と三つの時間帯全てで3年連続県内5局のトップとなり、年度個人視聴率でも全日4.1%、ゴールデン7.9%、プライム7.1%と三つの時間帯全てで4年連続県内5局のトップとなり、4年連続の視聴率三冠を獲得しました。2022年の年度世帯平均視聴率でも全日7.8%、ゴールデン13.6%、プライム12.6%と三つの時間帯全てで11年連続県内民放4局のトップとなり、年度平均個人視聴率でも全日4.4%、ゴールデン8.7%、プライム7.9%と三つの時間帯全てで3年連続県内5局のトップとなりました。2017年には、毎週の平均視聴率でも年間全ての週で民放4局を比較して三冠となっています。
福島中央テレビの初代ロゴマークは、略称・和文ともに斜体で角張ったデザインで、略称の「FCT」のロゴマークのカラーは赤・緑・青に制定されていました。2代目のロゴマークは、2006年にイメージキャラクター「中テレくん」が誕生した際に新たに制定され、愛称も「中テレ」となりました。2020年に開局50周年を迎えたのを機に、メガホンをモチーフに、ブラッドオレンジをコーポレートカラーとした3代目のロゴマークに一新されました。
福島中央テレビは、開局50周年を記念して制作されたオリジナルドラマ第2作『浜の朝日の嘘つきどもと』(主演:竹原ピストル、高畑充希)が2021年日本民間放送連盟賞ドラマ部門最優秀賞を受賞しました。同賞のドラマ部門で東名阪以外の局が最優秀賞を受賞したのは2019年の北海道テレビ放送(HTB)の『チャンネルはそのまま!』(主演:芳根京子)以来で、同年のテレビ部門グランプリも併せて受賞しました。2017年には中テレ初のオリジナルドラマである『タチアオイの咲く頃に~会津の結婚~』(主演:石橋杏奈、中村蒼)でも優秀賞を受賞し、2作品連続で受賞しました。また、『浜の朝日と嘘つきどもと』は第58回ギャラクシー賞選奨も受賞し、映画化も決定しました。さらに、『1Fドキュメンタリー あの日、原発の傍らにいた人たち』が第59回ギャラクシー賞テレビ部門に入賞しました。
福島中央テレビの現社屋は築50年以上と老朽化しており、2025年までを目処に郡山市内に新社屋の建設を検討していますが、現在のところその動きはありません。また、東北地方の日本テレビ系列局では唯一終夜放送を行っていないことも特徴です。
福島中央テレビは、地域に密着した放送を続けており、今後もその役割を果たしていくことが期待されています。