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FTB 福井テレビ

福井テレビジョン放送株式会社(略称FTB、通称福井テレビ)は、福井県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。1969年1月29日に設立され、同年10月1日に福井県内2番目の民間放送テレビ局として開局しました。フジニュースネットワーク(FNN)およびフジネットワーク(FNS)に加盟しており、フジテレビ系列局として運営されています。
福井テレビの本社・演奏所は福井市問屋町にあり、嶺南支社、東京支社、大阪支社、名古屋支社、金沢支社を設置しています。資本金は3億円で、2018年4月1日時点での従業員数は161人です。

同社の株主構成は、福井新聞社が20.7%、中日新聞社が15.8%の株式を保有しており、福井新聞や日刊県民福井(中日新聞福井支社発行)との繋がりが深いことが特徴です。初代社長の吉田弥は福井新聞の元社長でした。また、全国紙では朝日新聞との資本関係があります。
福井テレビの設立過程では、福井県の2局目のテレビ局として、福井新聞社、中日新聞社、朝日新聞社、産業経済新聞社などの各メディアが免許を申請していました。しかし、当時参議院議員であった熊谷太三郎の下で一本化が図られ、会社が設立されました。熊谷は会社設立時に初代会長に就任しています。
開局当初は、フジテレビ系列とNETテレビ(現・テレビ朝日)系列とのクロスネット局として開局する方針でしたが、開局直前の1969年7月にフジテレビ系単独ネットに変更されました。開局時には、県内の放送局・福井放送からNET系列の番組およびTBS系列の一般番組の一部が移行し、以後は両局で両系列の番組を共有することになりました。
福井テレビは技術面でも先進的な取り組みを行ってきました。1976年には日本の民放テレビ局では初めて、ENG対応の機材をニュース取材に導入しました。1985年には音声多重放送を開始し、1989年にはCI導入により現在のロゴマークに変更しました。
2006年5月1日には、NHK福井放送局・福井放送と同時に地上デジタル放送を開始しました。これに先立ち、2005年9月1日にデジタルマスターへの変更を完了させています。デジタル放送開始を見据えて、2006年1月よりキャッチコピーを「夢 はっしん。」に変更し、現在のキャッチコピーは「超える力」となっています。
2008年9月1日からは画面右上に自社ロゴマークのウォーターマーク表示を開始し、視聴者への認知度向上を図っています。2010年7月5日にはアナログ放送において原則全番組のレターボックス化を実施し、2011年7月24日にアナログ放送を終了、翌25日0時に完全停波しました。
福井テレビは、地域に密着した放送局として、視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けています。フジテレビ系列局としての全国ネットワークを活かしつつ、福井県の特性を反映した独自の番組制作や情報発信にも注力しています。
また、福井新聞や中日新聞との関係を活かし、地域の情報をより深く、多角的に伝える取り組みも行っています。各新聞社のテレビ番組表における福井テレビの扱いも、この関係性を反映しています。
今後も福井テレビは、技術革新と社会貢献活動を通じて成長を続け、地域のニーズに応える放送局としての役割を果たしていくことが期待されています。

アナウンサー・気象予報士