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広島ホームテレビは、広島県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。1970年12月1日に開局し、テレビ朝日系列のANN(All-nippon News Network)に加盟するフルネット局として、広島県内で重要な役割を果たしています。
同局の歴史は、1964年に前身となる「株式会社瀬戸内海放送」が免許申請を行ったことに始まります。1969年に予備免許を取得し、翌1970年に「株式会社広島ホームテレビ」として設立されました。開局当初は「UHT」という略称を使用していましたが、1986年にCI(コーポレート・アイデンティティ)を実施し、現在の略称「HOME」に変更しました。
広島ホームテレビは、開局以来、地域に密着した放送局として成長を続けてきました。1974年にANNに加盟し、1975年にはテレビ新広島の開局に伴い、テレビ朝日系列のフルネット局となりました。その後も、音声多重放送の開始や地上デジタル放送への移行など、技術革新にも積極的に取り組んできました。
同局の特徴として、広島県だけでなく、島根県西部(益田市と鹿足郡を除く)も取材対象地域としている点が挙げられます。これにより、中国地方の広範囲にわたるニュースや情報を提供しています。また、福山、東京、大阪に支社を置き、呉と三次に支局を設けるなど、広域的な取材・情報発信体制を整えています。
広島ホームテレビの歴史において特筆すべき出来事として、1997年の在ペルー日本大使公邸占拠事件での取材活動が挙げられます。ANNの一員として、MRTA側の声明を取材し全世界に発信するという重要な役割を担いました。
2000年には開局30周年を迎え、マスコットキャラクター「ぽるぽる」が誕生しました。2013年には、2012年の年間視聴率でゴールデンタイムとプライムタイムの2つの時間帯で開局以来初めて首位を獲得するなど、地域での存在感を高めています。
広島ホームテレビの資本構成は、開局当初から変化を遂げてきました。当初は中国新聞の株式保有率が高く、報道面でも中国新聞社に依存していました。しかし、1988年に朝日新聞との株式交換を行い、朝日新聞色が強くなりました。ただし、中国新聞との友好関係は維持され、イベントの共催などで協力関係を続けています。
また、開局時の経緯から、系列外となった毎日放送や読売新聞も株主に名を連ねており、マスコミ関連以外では広島銀行やJA共済連なども株主として参加しています。このような多様な資本構成は、広島ホームテレビの独自性と地域性を支える要因の一つとなっています。
2020年12月1日には開局50周年を迎え、半世紀にわたって地域の情報発信と文化の発展に貢献してきました。今後も、地域に根ざした放送局として、視聴者のニーズに応え、質の高い番組制作と情報提供を続けていくことが期待されています。