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ITC 石川テレビ
石川テレビ放送株式会社(略称ITC、通称石川テレビ)は、石川県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。1969年4月1日に開局し、FNN・FNS系列のテレビ局として、地域に根ざした放送を行っています。
石川テレビは、中日新聞社(北陸中日新聞を発行)や東海テレビ放送との関係が深く、これらの企業からの出資比率が高いことが特徴です。2005年には総務省からマスメディア集中排除原則に関する厳重注意処分を受けましたが、その後の規制緩和により、現在は問題なく運営されています。
1990年までは日本テレビ系列の番組も放送しており、1991年までテレビ朝日系列の番組も放送していました。このため、クロスネット局ではないにもかかわらず、複数の系列の人気番組を同時ネットで放送することもありました。
2015年に完成した現在の社屋「メディア館」は、耐震性や水害対策に優れた設計となっています。震度6強クラスの地震にも耐えられる構造で、重要施設を上階に配置するなど、災害時の放送継続にも配慮されています。
石川テレビの番組表は、富山県や福井県で発行される全国紙や地方紙にも掲載されており、広域での視聴者獲得に努めています。特に、テレビ金沢開局前は、富山県や福井県の新聞でもフルサイズで掲載されていました。
2021年6月から2023年6月まで、林寛子氏が石川テレビ初の女性社長として就任し、民放業界でも先駆的な役割を果たしました。現在は淺忠史氏が社長を務めています。
石川テレビは、ローカルニュースや自社制作番組をウェブサイトやYouTubeチャンネルで動画配信するなど、デジタル時代に対応した情報発信にも力を入れています。また、2022年には自社制作番組『日本国男村』が日本民間放送連盟賞テレビ報道番組部門最優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
石川テレビの歴史は、1967年の無線局免許申請に始まり、1968年の会社設立を経て、1969年4月1日に正式に開局しました。開局当初から、カラー放送の実施やプロ野球中継など、先進的な取り組みを行ってきました。1970年代には情報番組やワイド番組の放送を開始し、地域密着型の放送局としての基盤を築きました。
1980年代には音声多重放送やCMバンクの運用を開始し、技術面での進化を遂げました。また、野外コンサート「ポップヒル」の開催など、地域イベントにも積極的に取り組みました。1989年には開局20周年を記念して国際交流イベントを開催し、地域の文化振興にも貢献しています。
1990年代には社屋の増築や新館の完成、高さ160メートルの新鉄塔の建設など、放送設備の充実を図りました。同時に、自社制作番組の強化にも取り組み、ゴールデンタイムに地域密着型の番組を放送するなど、地域のニーズに応える放送を展開しています。
石川テレビは、地域に根ざした放送局として、視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けています。技術革新や社会貢献活動を通じて成長を続け、石川県の放送文化の中心的存在としてその役割を果たしています。今後も、デジタル化やメディアの多様化に対応しながら、地域社会との強い結びつきを維持し、視聴者のニーズに応える放送を続けていくことが期待されています。