TV
ITV あいテレビ
株式会社あいテレビ(i-Television Inc.)は、愛媛県を放送対象地域とし、テレビジョン放送事業を行う特定地上基幹放送事業者です。開局当初の正式社名は「株式会社伊予テレビ」(Iyo Television Inc.)でしたが、略称のITV(iyo TV)からもじった愛称「あいテレビ」が県民に浸透し、現在ではこちらが正式社名となっています。ロゴでは小文字のitvとなっていますが、表記としては大文字が正しいとされています。
あいテレビは、JNN加盟・TBSテレビ系列の最後発テレビ局として、1992年10月1日に開局しました。四国地方を放送対象地域とするJNN系列局では、テレビ高知、RSK山陽放送に次いで3番目に開局しました。愛媛新聞・毎日新聞と親密な関係にあります。初代社長は三浦工業創始者の三浦保です。コールサインはJOEH-DTV(松山 21ch)、リモコンキーIDはTBSテレビと同じ「6」です。
本社は愛媛県松山市竹原町にあり、東京支社、大阪支社も構えています。1989年11月13日、愛媛県の第4局を開設するための放送普及基本計画の変更を諮問され、1990年1月24日に郵政省が愛媛県第3局の周波数割り当てを決定しました。461件の開局申請があり、1991年4月26日にテレビ予備免許交付、7月3日に「株式会社 伊予テレビ」が設立されました。1992年10月1日に開局し、初めて放送された番組は「JNNニュースコール」でした。2002年10月1日に商号を「株式会社 あいテレビ」に変更しました。
2006年6月12日にはデジタル放送対応のマスターを更新し、6月21日に地上デジタル放送の試験放送を開始しました。10月1日に地上デジタル放送が正式に開始され、2007年4月からは終夜放送も開始されました。2011年7月24日にアナログ放送を終了し、2012年4月1日に新マスコットキャラクター『ろっくん』を採用しました。2020年7月28日に資本金を40億円から1億円に減資しました。2021年には八幡浜支局を廃止し、民放テレビ局の共同運用による「八幡浜共同支局」を設置しました。
愛媛県内のネットワークの移り変わりにおいて、1992年10月1日にTBS系列局として開局し、愛媛県の民放で正式加盟はあいテレビが初めてでした。開局当時、他の民放から移行された番組の割合は、南海放送=7:テレビ愛媛=3でした。1993年4月1日に南海放送から『サンデーモーニング』と『世界の結婚式』が移行され、同年10月1日には『すてきな出逢い いい朝8時』『地球ZIG ZAG』が移行されました。1995年4月1日には愛媛朝日テレビの開局により、一部ネットしていたテレビ朝日の番組が姿を消しました。
自社制作番組としては、「キャッチあい」「あい愛フィッシング」「おはよう えひめ」「愛媛新聞イベントガイド」などがあります。特に「キャッチあい」は、1992年10月から2017年9月までの25年間、夕方のローカルワイドニュースとして放送され続けました。
あいテレビは、2006年6月から2013年9月まで「セントラルキャスティング方式」による番組配信を行っていました。この方式は、広島の中国放送(RCC)を親局とし、系列局間のネット番組やCMの送り出しを一括管理する方式です。TBSがこの方式をJNN各局に呼びかけ、RCCとあいテレビが応じました。キー局からのネット番組はRCCを経由して松山へ、あいテレビからの番組素材やCMはRCCに送りマスターに編成された後、再び松山に戻してから放送されました。しかし、NTTが回線使用料を固定化したことによりコスト削減のメリットがなくなり、あいテレビは本社内にデジタルマスターを設置しました。
こうして全国初かつ唯一の「セントラルキャスティング方式」は終了しましたが、あいテレビは愛媛県内のテレビ放送において重要な役割を果たし続けています。