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日本気象協会
一般財団法人日本気象協会(Japan Weather Association、略称:JWA)は、気象業務を行う日本の一般財団法人です。1950年5月10日に運輸省(現:国土交通省)の所管の下で「財団法人気象協会」として設立されました。その後、1966年4月1日に地方ごとに存在していた気象協会を「財団法人日本気象協会」として全国統合しましたが、2009年10月1日に国の公益法人制度改革に伴い、一般財団法人に移行しました。それにより、名称も「財団法人日本気象協会」から「一般財団法人日本気象協会」へと変更されました。
日本気象協会は、設立当初から気象情報及び解説の提供をほぼ独占的に行っていました。特に、1993年の気象業務法改正により一般向け予報業務の許可が容易に取得できるようになるまでは、テレビやラジオなどへの気象情報提供において大きな役割を果たしていました。現在でも、日本気象協会は気象業務法第17条第1項の許可を得た予報事業者として活動しています。
本社は東京都豊島区東池袋にあるサンシャイン60の55階に位置し、地域拠点としては北海道(札幌市)、東北(仙台市)、中部(名古屋市)、関西(大阪市)、九州(福岡市)の5箇所に支社を構えています。2000年6月1日に地方本部制から本社・支社制に改め、2006年10月には東海と九州の支社を地区支配人に名称変更しましたが、2009年1月にそれぞれ中部支社、九州支社に再改称し、元の「支社」に戻しました。同年7月には、環境・防災・予報・情報システムの4つの事業を軸とする事業部制に移行しました。
日本気象協会は、天気予報を提供するウェブサイト「tenki.jp」を運営しています。このサイトでは、全国各地の天気予報や地震情報、注意報・警報、桜の開花予想や紅葉情報など、季節に応じた生活関連のサービスを提供しています。さらに、同名のAndroidおよびiPhone向けアプリやポータルサイト「Yahoo! JAPAN」や「goo」にも気象情報を配信しています。特に「tenki.jp」は、1997年9月に気象と防災情報のポータルサイトとしてサービスを開始し、2002年6月に「tenki.jp」として本格的にサービスを展開しました。
予報情報の提供先としては、Yahoo! JAPANやgoo、NHK、ライブドア、NTT東日本、NTT西日本(177)、JR東日本(トレインチャンネル)などが挙げられます。これにより、日本気象協会は広範囲にわたって気象情報を提供し、多くの人々の生活に役立っています。
日本気象協会の役割は、単に天気予報を提供するだけでなく、防災情報の提供や環境保護活動など、さまざまな分野に及んでいます。例えば、大規模な気象災害が発生した際には、迅速かつ正確な情報を提供し、被害を最小限に抑えるための助言を行っています。また、気候変動に対する意識を高めるための啓発活動や、エネルギーの効率的な利用を促進するための取り組みも行っています。
さらに、日本気象協会は、企業や自治体と連携して気象データを活用した新しいサービスの開発にも力を入れています。例えば、農業分野では、天候に応じた農作物の生育状況を予測し、適切な農業指導を行うシステムを提供しています。また、観光分野では、気象データを活用した観光地の魅力を発信し、観光客の満足度を高める取り組みを行っています。
日本気象協会の活動は、国内にとどまらず、国際的にも広がっています。国際的な気象機関との連携を強化し、グローバルな視点での気象情報の提供や防災活動を行っています。特に、アジア地域では、気象データの共有や技術協力を通じて、気象災害のリスクを減少させるための取り組みを行っています。
このように、日本気象協会は、気象情報の提供を中心に、さまざまな分野で社会に貢献しています。日々の天気予報から大規模な防災情報、さらには環境保護や国際協力まで、多岐にわたる活動を通じて、人々の安全で豊かな生活を支えるための重要な役割を果たしています。