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MTV 三重テレビ

三重テレビ放送株式会社(Mie Television Broadcasting Co., Ltd.)、通称三重テレビ、略称MTVは、三重県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。ネットワークに属さない独立放送局として、全国独立放送協議会に加盟しています。アナログ放送時代には、三重県の親局である長谷山送信所から放送エリアが隣接する愛知県東三河地方まで広がり、多くの家庭が長谷山送信所向けのUHFアンテナを設置していました。しかし、デジタル放送に移行した後は、送信出力が500Wと弱くなり、愛知県尾張地方の一部を除く多くの地域で電波が届かなくなりました。これらの地域で引き続き視聴するためには、区域外再放送の同意を得たケーブルテレビへの加入が必要となりました。

1983年からはテレビ東京から多くの番組を購入して放送しており、ピーク時には全体の30%を占めていましたが、系列局のテレビ愛知が開局すると番組のネット受けは制限され、独自色を強めるようになりました。また、東海テレビとは資本関係があり、同局の元常務取締役が代表取締役社長を務めていたこともあります。さらに、関西テレビとの関係も深く、多くの番組を放送しています。ナゴヤドームが筆頭株主であり、長年にわたり東海テレビの制作協力でナゴヤドームからの中日ドラゴンズ主催のプロ野球中継を放送しています。
現在の編成では、5時台に放送を開始し翌日3時台に全番組の放送を終えています。他の独立局と比べると放送時間は比較的長いですが、深夜帯の大多数の番組はテレビショッピングです。平日には「エムツー」と題して、マルチチャンネル編成を採用し、071ch(メイン)で通常のプログラムを放送し、072ch(サブ)で『ウェザーニュースLiVE』や『TOKYOマーケットワイド』などを同時放送しています。
2007年にはハイビジョン対応の中継車を導入し、ニュースの取材映像や一部の自社制作番組およびCMもハイビジョン化しました。他局では横1440ピクセルのスクイーズ方式で送出されるのに対し、当局では横1920ピクセルのフルHDで送出しています。ウォーターマークはデジタル放送の開始以降「MTV」と表示されており、2014年には開局45周年を記念した「45周年三重テレビ」に変更されました。
本社は津市の中心市街地ではなく、少し離れた小高い住宅地付近に位置しています。これは、長谷山にある送信所へ確実にSTL電波が飛ばせることや、当時の資金から妥当な場所だったためです。設立準備室は津市中心部の三重会館内に置かれ、社屋は開局当初からのものを使用しています。
『こころの旅路~熊野古道伊勢路を行く~』が2024年4月から毎月第4土曜21:00から放送されており、一部の独立局でもネットされています。2022年7月からは『ビスケットブラザーズの行けばわかるさ!~三重街道中ひざくりげ~』がスタートし、BSよしもとでも放送されています。2023年4月3日よりFM三重の平日朝の生ワイド番組『Pick Up On Mie~Pomie!』を7:30-8:00にサイマル放送を行い、ラジオ放送とのサイマル放送を初めて行いました。さらに、2023年11月10日には民放公式配信サービスのTVerに参加し、一部の自社製作番組の配信を開始しました。
番組表では、中日新聞社の資本が強いため、三重県内向けの中日新聞朝刊のテレビ番組欄では、フルサイズで番組表が掲載されています。しかし、近畿広域圏の放送も受信できる伊賀地方・紀州地方向けの朝刊ではハーフサイズ扱いです。伊勢新聞でもハーフサイズ扱いで掲載されています。
三重テレビのキャッチフレーズには「小さい目も大きい目も三重テレビ」、「夢ステーション33」、「あなたに、ピッ!」、「地デジは7チャン!三重テレビ」などがあります。本社所在地は三重県津市渋見町693番1号、東京支社、大阪支社、名古屋支社も構えています。
三重テレビは、1967年に無線局予備免許が交付され、1968年に三重電波放送株式会社として創立されました。1969年に商号を「三重テレビ放送株式会社」に変更し、同年に開局しました。その後も、全国高等学校野球選手権三岐大会の中継や音声多重放送の開始、地上デジタル放送の開始など、多くの技術的進化と番組制作を続けてきました。近年では、緊急地震速報の放送やTVerでの番組配信など、新たな取り組みも行っています。
三重テレビはその地域に根ざした放送局として、視聴者に多様なコンテンツを提供し続けています。

アナウンサー・気象予報士