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NHK岐阜放送局

NHK岐阜放送局は、日本放送協会(NHK)の地域放送局として岐阜県を対象とし、総合テレビとFM放送で県域放送を行っています。その歴史は1940年(昭和15年)9月1日に名古屋中央放送局岐阜出張所として設立されたことに始まります。この日が開局日とされ、1942年(昭和17年)10月2日には高山臨時放送所が開設されました。その後、1945年(昭和20年)1月1日に名古屋中央放送局高山出張所が開設され、10月26日には高山臨時放送所が高山中継放送所と改称され、高山出張所が廃止されました。

1946年(昭和21年)9月1日には高山中継放送所に呼出符号JOCK3が割り当てられ、1948年(昭和23年)5月1日には岐阜出張所が岐阜支局に改称されました。同年7月1日には高山中継放送所の呼出符号がJOCQに変更されました。その後、1951年(昭和26年)7月1日に岐阜支局が岐阜放送局に改称されましたが、送信施設は持っていませんでした。
1971年(昭和46年)3月26日に県域FM放送が開始され、呼出符号JOOP-FMが与えられました。岐阜県内のFM放送中継局は名古屋局より移管されました。1973年(昭和48年)2月17日にはUHFによる県域アナログテレビジョン放送が開始され、岐阜県内のテレビ中継局も名古屋局から移管されました。ただし、教育テレビは引き続き名古屋局の管轄でした。
2004年(平成16年)11月1日には県域地上デジタル放送が開始され、2011年(平成23年)7月24日にはアナログ放送が終了しました。2023年(令和5年)には、令和改革により部制からセンター制へ移行し、放送部や営業推進部などがコンテンツセンターや経営管理企画センターへ再編されました。同年4月3日には名古屋局と津局の合同キャンペーンとして「I LOVE 東海」が開始され、5月29日にはNHKプラスで地域向けのテレビ番組の見逃し配信が始まりました。
放送エリアについて、親局の放送エリアは主に濃尾平野とその周辺部に限られていますが、岐阜県全体から見ると比較的狭い範囲をカバーしています。ただし、人口比では多くの人々に届いています。教育テレビ及びAMラジオの2波(第1放送・第2放送)は中京広域圏として名古屋局を直接受信し、県内の中継局は名古屋局から中継されています。岐阜市内には名古屋局(NHK鍋田ラジオ放送所)の送信ができなくなった際に運用されるラジオ第1放送の予備送信所が設置されています。
岐阜放送局の総合テレビの県域放送が始まる前は、岐阜放送テレビにてNHKニュースが「岐阜放送ニュース」として放送されていました。現在の支局としては高山と多治見があり、主な岐阜局制作の番組には『みのひだ情報局』や『県内の気象情報』、『まるっと!ぎふ』などがあります。『みのひだ情報局』は平日の11:50から11:54まで放送されており、名古屋局制作の『ぐるっと!』の一部となっていますが、EPG上では独立番組として扱われています。『県内の気象情報』は平日の11:57から12:00まで放送されており、これも独立した番組としてEPG上で扱われています。
『まるっと!ぎふ』は平日の18:30から18:59まで放送されており、過去には名古屋局の気象情報がネットされていましたが、現在は岐阜局からの気象情報が伝えられています。特に、著しい気象条件が発生した場合には、岐阜局の気象予報士が出演し、県内中心の気象情報が伝えられます。また、名古屋発の『まるっと!』を飛び降り後、ステブレレスで接続される場合もあります。
FC岐阜関連の番組も放送されており、試合や編成状況によっては岐阜局のみで生放送されることもあります。過去には岐阜放送局開局70周年記念のドラマ『恋するキムチ』が制作・放送されました。
以上のように、NHK岐阜放送局は長い歴史を持ち、多様な番組を通じて岐阜県内の情報を提供し続けています。これからも地域に根ざした放送局として、岐阜県民に愛される存在であり続けることでしょう。

アナウンサー・気象予報士