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NHK前橋放送局
NHK前橋放送局は群馬県を対象地域とする日本放送協会(NHK)の地域放送局であり、総合テレビとFM放送による県域放送を行っています。NHK教育テレビやAM放送(ラジオ第1放送・ラジオ第2放送)は関東広域圏として、東京本局からカバー・中継されています。前橋放送局の歴史は1933年6月23日に社団法人日本放送協会前橋放送局として開局し、中波による放送を開始したことから始まります。その後、1938年12月19日に東京中央放送局の大電力化に伴い一度廃止され、総務局前橋出張所が開設されました。
1941年12月9日には前橋臨時放送所が電波管制の措置として放送を開始し、1945年10月26日に前橋中継放送所と改称されました。1946年9月1日には呼出符号JOBGが決定され、1948年には前橋出張所が前橋支局と改称されました。しかし、同年8月16日に前橋中継放送所は廃止されました。1950年6月1日には放送法の施行に伴い社団法人日本放送協会が解散し、特殊法人としての日本放送協会が設立されました。1951年7月1日には前橋支局が前橋放送局に改称されましたが、当時は送信施設を持っていませんでした。
1965年10月5日には前橋放送局が地上アナログテレビの中継を開始し、1970年3月20日にはFM放送を開始しました。その後、1972年4月1日にFM放送の呼出符号を「JOTP-FM」に変更しました。この変更は沖縄の本土復帰に伴い、沖縄放送局に「JOAP」を譲ったことによるものでした。1980年8月8日には総合テレビの音声多重放送を開始し、2003年3月22日には多野郡神流町に万場FM中継局が開局しました。
2005年12月1日には地上デジタルテレビの中継を開始し、2012年4月1日にはデジタル総合テレビで群馬県域放送を開始しました。2022年10月3日にはNHKプラスで地域向けのテレビ番組の見逃し配信が開始され、2023年4月1日には令和改革により部制からセンター制へと見直されました。
県域テレビ放送の実現については、1970年に群馬県と栃木県で県域FM放送を開始したNHKが、テレビ放送の完全デジタル化を機に総合テレビでも県域放送を開始することを目指しました。2009年度から3年間の経営計画に基づき準備を進め、2011年11月1日には政府が移行期日を2012年4月1日と定め、手続きを開始しました。電波監理審議会で群馬・栃木両県域テレビ放送の答申が認められ、2012年4月1日には前橋、宇都宮の両局で県域放送が開始されました。当初は平日に20分程度のニュース・気象情報を放送していましたが、2012年10月27日からは前橋放送局の識別信号が「NHK総合・前橋」に変更されました。
前橋放送局の主な制作番組には、「群馬県の気象情報・お知らせ」、「ほっとぐんま630」、「ぐんまスペシャル」、「キタカン+」、全国高等学校野球選手権群馬大会の決勝中継などがあります。FM放送では「ニュース・気象情報」を定期的に放送しており、過去には「ぐんま土曜広場」や「TPリクエストアワー」といった番組も放送されていました。
前橋放送局の沿革を振り返ると、その歴史は90年以上にわたり、地域に根ざした放送局として多くの人々に親しまれています。総合テレビとFM放送を通じて、群馬県内のニュースや情報を提供し、地域の文化や生活に密着した番組制作を行っています。県域テレビ放送の実現やデジタル化の推進により、今後も地域に貢献し続けることが期待されます。