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NHK佐賀放送局
NHK佐賀放送局(エヌエイチケイさがほうそうきょく)は、佐賀県を放送対象地域とする日本放送協会(NHK)の地域放送局であり、テレビとラジオで県域放送を行っています。この放送局の歴史は1941年に始まり、熊本中央放送局の出張所として開設されました。その後、半年後には臨時放送局としてラジオ放送を開始し、1948年には正式に放送局へと昇格しました。1969年には総合テレビとして初のUHF親局での県域テレビ放送を開始し、以降は佐賀県内の視聴者に向けて多岐にわたる番組を提供しています。
NHK佐賀放送局の所在地は、佐賀市松原1丁目2-35です。1941年に佐賀市白山に開設された熊本中央放送局佐賀出張所を皮切りに、佐賀県産業奨励館、徴古館、佐賀商工会館と移転を繰り返し、1968年には佐賀放送会館局舎が落成しました。しかし、老朽化と狭隘化が進んでいたため、また佐賀城下再生百年構想の範囲内に位置していたため、移転が必要となりました。2015年には佐賀商工会館跡地への移転計画がまとまり、2021年9月30日に新放送会館が竣工し、2022年5月9日に運用が開始されました。
新放送会館は「市民の交流拠点」「災害に強い放送局」「風通しのよいオール・ワンフロア職場」「周辺景観と調和する環境にやさしい会館」の4点をコンセプトに設計されました。地上3階建てで延床面積は5,120平方メートル、ニューススタジオや汎用スタジオが設置されています。これにより、より効率的で安全な放送環境が整えられました。
NHK佐賀放送局の沿革は、1941年6月に社団法人日本放送協会が受信相談などを担当する「熊本中央放送局佐賀出張所」を開設したことに始まります。同年12月28日には「佐賀臨時中継放送局」としてラジオ放送を開始しました。1948年5月には臨時中継放送局と出張所を統合し、正式に社団法人日本放送協会佐賀放送局として昇格しました。
1950年6月1日には放送法施行に伴い社団法人日本放送協会が解散し、特殊法人としての日本放送協会が一切の権利義務を継承しました。1951年6月1日にはラジオ第2放送が開始されました。1958年2月22日には九州本部(旧熊本中央放送局)でテレビ放送が開始され、佐賀平野の大部分で受信可能となりました。1963年には福岡放送局が唐津に、九州本部が伊万里にそれぞれテレビ中継局を設置しました。
1968年3月17日には佐賀放送会館が完成し、伊万里テレビ中継局を使って佐賀県域ローカルニュース放送が開始されました。1969年3月1日にはFM本放送が全国一斉に開始され、3月15日には日の隈山から佐賀県域テレビ本放送が開始されました。1974年3月20日には熊本局の出力増力に伴い佐賀ラジオ第2放送が廃止されました。
2006年10月13日には地上デジタル放送の試験放送が開始され、12月1日には本放送が開始されました。その際、日の隈山局と九千部山局との間でテレビ親局と中継局の役割が交換されました。2011年7月24日にはアナログ放送が終了し、翌日午前0時に完全停波され、デジタル放送に完全移行しました。
2018年の4月改編より、土日祝日(年末年始も含む)のローカルニュース・気象情報などはテレビ・ラジオともに原則として福岡からの九州沖縄ブロックニュースに統一されましたが、2022年4月からはテレビの18:45のローカルニュース・気象情報が各局別に戻されました。2021年9月30日には新会館が竣工し、2022年5月9日には新会館からの放送が開始されました。2023年5月15日にはNHKプラスで地域向けのテレビ番組の見逃し配信が開始されました。
現在の主な制作番組には、「ニュースただいま佐賀」(平日18:10 - 19:00)や「ニュースおかえり佐賀845」(平日20:45 - 21:00)があります。また、毎週月曜日には「YUYAのオーレ!サガン鳥栖」が「ニュースただいま佐賀」内で放送され、月に2回火曜日には「サガめし」が同じく「ニュースただいま佐賀」内で放送されています。週末には「ただいま佐賀+」(18:45 - 18:59)が放送され、不定期金曜日には「SAGA SOUL -さが魂-」(19:30 - 19:55)や「さがスペシャル」(20:00 - 20:45)も放送されています。これらの番組はNHKプラスの「ご当地プラス」において見逃し配信が実施されています。
さらに、Jリーグのサガン鳥栖主催試合やB.LEAGUEの佐賀バルーナーズ主催試合の中継も行われており、地域のスポーツイベントも積極的に取り上げています。ラジオ第1放送では、平日佐賀県向けのラジオニュースが定期的に放送されており、福岡から九州沖縄地方向けのラジオニュースも放送されています。
過去には「おはよう佐賀」や「くらしのチャンネル佐賀」、「さがん情報ひるまえてれび」、「はぴはぴテレビ」、「ひるまえ情報便」、「ゆうどき5佐賀」、「SP5」、「NHKニューススタジオ佐賀」、「イブニングネットワーク佐賀」、「ニュース630佐賀」、「610情報どっかん!」、「600情報どっかん!」、「ニュース6佐賀」、「NEWSファイル佐賀」、「とれたて!さがん情報市」、「さがんスペシャル」、「佐賀イズム」、「がばい元気宣言」、「金サガ」、「月刊 発見佐賀!食べごろギュッとくん」、「さが★てん557」など、多くの地域密着型番組が制作されてきました。
NHK佐賀放送局は、地域に根ざした放送局として、これからも佐賀県の視聴者に寄り添いながら、質の高い情報と番組を提供し続けることが期待されています。特に、デジタル技術の進歩や視聴者ニーズの変化に対応しながら、新しいメディア環境に適応したサービスの展開が注目されています。例えば、NHKプラスによる地域向け番組の見逃し配信の開始は、視聴者にとってより柔軟に情報を入手できる手段となっています。
また、地域の特性を活かした番組制作や防災啓発活動を通じて、地域社会に貢献する役割も果たしています。