TV
OBS 大分放送
株式会社大分放送(Oita Broadcasting System, Inc.、略称OBS)は、大分県を放送対象地域とし、中波(AM)放送とテレビジョン放送を兼営している特定地上基幹放送事業者です。本社は大分県大分市今津留三丁目に位置し、ラジオ局のコールサインはJOGF(大分 1098 kHz)、テレビ局のコールサインはJOGF-DTV(大分 22ch)です。OBSはTBS系列のテレビ局で、ラジオではJRN系列とNRN系列のクロスネット局として運営されています。
OBSは、1953年に設立され、同年にラジオ放送を開始しました。設立当初からラジオ放送を手掛け、その後、1959年にはテレビ放送を開始しました。テレビ放送の開始にあたり、OBSはニュースネットワークJNN(日本ニュースネットワーク)に加盟し、TBSテレビを中心とした編成で放送を行いました。また、設立から数年内に民間放送教育協会に加盟し、教育番組の制作・放送にも取り組みました。
1955年には別府大分毎日マラソンの中継を開始し、この大会は現在も毎年2月第1週に福岡のRKB毎日放送との共同制作で全国中継されています。また、秋の「大分国際車いすマラソン」の中継もBS-TBSとの共同制作で全国中継されるなど、地域の重要なスポーツイベントの中継を行っています。
テレビの編成については、OBSは1967年に民間放送教育協会に加盟し、その後も日本テレビ系列、フジテレビ系列、NETテレビ(現・テレビ朝日)との番組共有を行っていましたが、1970年にテレビ大分が開局すると、これらの系列の番組が同局と共有されることとなり、OBSは主にTBS系列の編成に専念することとなりました。1975年には、腸捻転解消によりJNNの準キー局が朝日放送から毎日放送に変更され、テレビ大分との番組交換が行われましたが、一部の番組については引き続き放送されました。
1993年に大分朝日放送が開局すると、テレビ朝日の番組がOBSから姿を消し、日本テレビ・フジテレビの一部番組はテレビ大分へ移行しました。現在、OBSはTBS系列のテレビ局であり、一方でテレビ大分は日本テレビ系列とフジテレビ系列のクロスネット局であるため、テレビ大分では放送されない一部の番組をOBSが番組販売で放送しています。特に、テレビ東京系列の番組についても一部は放送されています。
OBSのラジオ放送は、JRN系列とNRN系列のクロスネット局として、多様なラジオ番組を提供しています。ラジオ放送のコールサインはJOGFで、1949年に設立されたラジオ大分としてスタートし、1955年には別府大分毎日マラソンの中継を開始しました。この大会は、全国的な中継イベントとして現在も続いています。
社屋については、OBSの現在の社屋は1990年代後半から段階的に建て替えられたものであり、2008年に新社屋が完成しました。また、2004年にはデジタルメディアセンターが完成し、2006年には地上デジタル放送が開始されました。社屋の構成としては、新社屋(本館)、デジタルメディアセンター、報道センター棟、スタジオ棟の4つの建物があります。新社屋の落成により、外来者は受付を通らなければ社内に立ち入ることができなくなり、1階エントランスロビーが一般開放され、映像アーカイブ利用やラジオのメインスタジオの見学が自由にできるようになりました。
OBSは、地域のニュースや情報を提供する重要なメディアとして、また、テレビとラジオの両方の放送事業を通じて地域社会に貢献しています。設立から70年以上の歴史を持ち、テレビ・ラジオの両面で多様なコンテンツを提供し続けています。また、2012年にはインターネットIPサイマルラジオ「radiko」に参加し、全国的な配信も行っています。