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RCC 中国放送

株式会社中国放送(RCC Broadcasting Co., Ltd.、略称RCC)は、広島市中区に本社を構え、広島県を放送対象地域とするラテ兼営の特定地上基幹放送事業者です。1952年に設立され、広島県内では「RCC」という略称で親しまれています。開局当初は中国新聞社と毎日新聞社、朝日新聞社の三社が均等に株式を保有し、これらの新聞社制作による「3社ニュース」も放送していました。しかし、キー局と新聞社の系列が明確化する流れの中で、1988年には中国新聞社と朝日新聞社の株式交換が行われ、中国新聞色が強まることとなります。テレビではTBSテレビ(JNN)系列のフルネット局として、TBS系列の番組を全てネットしています。また、ラジオはJRNとNRNのクロスネット局として、広島と福山で異なる周波数(広島1350kHz、福山1530kHz)で放送しています。

RCCのキャッチコピーは「広島家族。RCC」で、2012年4月1日から使用されており、旧局名である広島放送(HBS)から現在の中国放送に改称される過程で、地元密着の姿勢を一貫して強調しています。広島県内では、正式名称よりも略称の「RCC」が一般的に用いられており、地域住民に広く親しまれていることが伺えます。
同局の主要株主には中国新聞社およびその関連会社2社、フジタ、TBSホールディングス(TBSHD)、広島銀行などがあります。歴代の社長には中国新聞社出身者が多く、前社長の青木暢之や畑矢健治も中国新聞社の出身です。また、RCCのラジオはJRNとNRNの両方に加盟しており、特にNRNにおいてはネットワークラインへの送り出し設備が整っており、事実上の基幹局として機能しています。
RCCのテレビは、1959年に開局し、JNN(Japan News Network)に加盟した歴史があります。開局当初から広島カープ(現・広島東洋カープ)の公式戦を中継するなど、地域密着型の放送を展開してきました。また、1978年には国際電気通信連合の取り決めによる日本のラジオ局の周波数間隔の変更が行われた際も、RCC広島本局の周波数は変更されなかったことでも知られています。
ラジオ放送については、1952年にラジオ中国として放送を開始し、1954年にはテレビ放送の免許申請を行いました。1956年にはラジオの放送出力を3kWに増力し、1957年にはテレビの予備免許を取得。1959年にはテレビ放送も開始し、1960年代にはカラーテレビ放送を開始しました。さらに、1970年には終夜放送を開始し、1980年にはテレビの音声多重放送を開始しています。
2006年から2011年にはテレビ用のロゴやラジオ用のロゴを変更し、局キャラクター「ツキぐま☆3兄弟」も導入されました。2008年にはラジオにおける緊急地震速報の運用を開始し、2011年にはラジオのAMステレオ放送が終了。2012年には開局60周年を迎え、ステーションキャッチコピーを「広島家族。RCC」とするなど、長い歴史の中で様々な変遷を遂げてきました。
近年では、2020年3月にFM局「FMRCC西条局」の本放送を開始し、2021年には広島地区の民放で初めてフル4K HDR中継車を導入。さらに、2022年1月には開局70周年を迎え、CI(コーポレートアイデンティティ)を導入し、新しいロゴマークとシンボルマークを採用するなど、時代に合わせた変革を続けています。これにより、RCCは地域密着型の放送局として、広島県民に信頼されるメディアとしての役割を果たし続けています。

アナウンサー・気象予報士