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TKU テレビ熊本
株式会社テレビ熊本(テレビくまもと、英: TV-Kumamoto Co., Ltd.)は、熊本県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。1968年に設立され、翌1969年4月1日に開局しました。フジテレビ系列の放送局であり、コールサインはJOZH-DTVです。通称および愛称はひらがなで「テレビくまもと」として親しまれています。
テレビ熊本は、フジテレビ系列のFNN・FNSネットワークに属していますが、くまもと県民テレビ(KKT)が開局するまでは日本テレビ(NNN)系列、熊本朝日放送(KAB)が開局するまではテレビ朝日(ANN)系列ともクロスネットを行っていました。略称のTKUは「TV Kumamoto UHF」の頭文字からきており、アナログ放送時代の親局がUHFだったことを示しています。この略称の形式は、他のテレビ局では「U○○」や「○U○」のパターンが一般的で、「○○U」は唯一のケースです。
局キャラクターとしては、1998年から「てれくまくん」が採用されていましたが、2019年4月1日よりチャンネルIDと社名にちなんだ「くまはち」に交代しました。テレビ熊本は西日本新聞や産経新聞と親密な関係にあり、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞も出資しています。ラジオ局としては、熊本シティエフエム(FM791)も運営しています。
設立発起人の一人である河津龍介は、同局のオーナーでもあり、発行済み株式の1割強を保有する大株主として名を連ねています。2019年1月からのキャッチコピーは「リズム!TKU」です。
テレビ熊本の本社は熊本県熊本市北区徳王1丁目8番1号にあり、東京、大阪、福岡にも支社を構えています。設立当初から本社は現在の場所にあり、全国的にも珍しい郡部に本社を置く放送局として知られています。熊本市に編入されるまでは飽託郡北部町に本社がありました。
テレビ熊本の沿革は、1967年10月13日に熊本にUHF民放局への電波割り当てが決定されたことから始まります。1962年から1967年10月の電波割り当てまでに11社が放送局の設置申請を行っていましたが、テレビ熊本の母体となる「熊本中央テレビ」は最後発の申請でした。免許申請の一本化調整が行われ、1967年11月14日に熊本中央テレビに対し予備免許が交付されました。1968年1月5日に創立事務所を設置し、3月12日に創立総会を開催しました。その後、社名を熊本中央テレビから株式会社テレビ熊本へ変更し、略称もTKUと決定されました。
1969年4月1日に熊本県内2番目の民放テレビ局として開局し、同日に初のローカルニュース番組を放送しました。開局当初、アナログVHF局の先発局(NHK・RKK)は県域放送局の指定がなかったため、金峰山送信所は無指向性で送信されていましたが、アナログUHF局のTKUは熊本県域局として開局したため、北から310度(おおむね北西、佐賀県方面)には送信アンテナが設置されませんでした。このため、熊本県北の有明海沿岸ではゴースト障害が発生していました。
1974年10月にはテレビ中継局数がRKKと同数になり、1976年10月には熊本県北地域の受信対策として玉名中継局が開局しました。1981年12月14日には新キャッチフレーズ「くまもとが好き だからTKU」を公表し、翌1982年から放送上で使用されました。
1982年4月1日には熊本県民テレビの開局に伴い、フジテレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット局となりました。1983年3月18日には新しい主調整室(マスター)が稼動開始し、音声多重放送も開始されました。同年6月には開局以来初の視聴率三冠を獲得し、8月には「くまもとが好き だからTKU」が楽曲として使用開始されました。1984年4月にはワイドニュース番組『TKUニュースアイ』が放送開始されました。
1986年7月にはTKUとKKTの金峰山送信所が全方向フルパワー化され、北面アンテナも設置されました。1987年4月3日には『若っ人ランド』が金曜深夜の番組として放送開始され、同年10月より土曜17時に番組枠を移動しました。1989年1月1日にはVisual Identity(VI)導入に伴い、開局20周年マークとして「TKU」ロゴを2代目に変更し、呼称「テレビくまもと」の使用を開始しました。スターダストレビュー作詞・作曲のイメージソング『NEW DAY BEGIN ~愛は風にのって』も使用開始されました。同年4月1日には開局20周年を迎え、第1回TKUの日を開催しました。10月1日には熊本朝日放送の開局に伴い、フジテレビ系列のフルネット局となりました。
テレビ熊本は、ローカル制作番組の強化にも力を入れています。1993年からは熊本県出身の偉人を発掘・顕彰する大型ドキュメンタリードラマ「郷土の偉人シリーズ」を制作し、毎年11月3日(文化の日)前後にFNS九州各局で放送しています。2013年4月からは朝の情報番組「英太郎のかたらんね」をスタートさせ、自社制作番組の強化やニュース番組の充実に取り組んでいます。「英太郎のかたらんね」は10年連続で同時間帯視聴率トップを独走中であり、「TKU Live News」も同時間帯で平均視聴率トップを記録しています。
また、2004年には熊本の放送局で初めて国際標準規格ISO 14001を取得しました。テレビ熊本は、地域に根ざした放送局として、視聴者に親しまれる存在であり続けています。