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TSK 山陰中央テレビ
TSK山陰中央テレビジョン放送株式会社(TSK San-in Chuo Television Broadcasting Co., Ltd.)は、島根県松江市に本社を置くテレビジョン放送事業者であり、島根県と鳥取県(山陰地方)を放送対象地域としています。登記上の商号は「陰」が異体字であり「ョ」が大文字のTSK山隂中央テレビジヨン放送株式会社となっていますが、対外的には一般的な表記で通しています。
通称はTSKさんいん中央テレビであり、略称は「TSK」です。これは、島根放送株式会社(しまねほうそう)としての開局当初の通称「テレビしまね」から来ています。開局以来一貫してFNN・FNSに所属するフジテレビ系列のフルネット局です。コールサインはJOMI-DTV(松江 43ch / 1kW)で、リモコンキーIDはキー局のフジテレビ・準キー局の関西テレビなどと同じ「8」を使用しています。2020年4月からのステーションキャッチコピーは「ハズムチャンネル」です。
TSKは山陰両県の民放テレビとしては日本海テレビジョン放送 (NKT)、山陰放送 (BSS) に次ぐ第3局であり、最も新しい民放テレビ局です。NKTは鳥取市、BSSは米子市に本社を置いていますが、TSKは島根県松江市に本社を置く唯一のテレビ局です。島根県に本社を置く民放局は他にエフエム山陰 (V-air) しかありません。
設立の経緯から田部グループの関与が強く、関連会社の山陰中央新報社と公益財団法人田部美術館が25%以上の株式を保有しており、キー局のフジ・メディア・ホールディングスの持ち分を上回っています。初代社長は田部智久で、2016年には田部家25代当主で元フジテレビ社員の田部真孝が社長に就任しました。
TSKは、いわゆる「アナログUHF局大量免許」に乗じて開局したため、アナログ放送の時点で中継局も含めた全局がUHFで、VHFを使用した局はありませんでした。また、毎年スポーツの日に行われる出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)には、グループの山陰中央新報及びエフエム山陰と共に後援として大会運営に参画し、全国中継にも製作協力の形で関与しています。
TSKの本社所在地は島根県松江市向島町140-1で、松江駅から徒歩10分の場所にあります。支社は出雲市、浜田市、鳥取市、米子市、広島市、大阪市、東京都中央区にあり、広範囲にわたるネットワークを持っています。
本社移転の経緯については、老朽化した初代社屋から2010年に松江市向島町にある新社屋に移転するための土地を購入し、2015年の竣工を目指して新社屋を建設、2016年8月29日に全面移転しました。移転後、新社屋敷地内は「TSKエリア8」としてイベント広場として活用されており、移転記念特番や新社屋披露イベントなどが開催されました。
旧社屋は解体され、跡地には2019年に住宅展示場「TSK住マイルスクエア」が開業しましたが、文教地区であることから分譲売却型を採用し、新型コロナウイルスの影響で一時的に休業を余儀なくされました。
TSKの歴史は1968年に予備免許が交付され、1969年に島根放送株式会社として設立されました。1970年に島根県で放送を開始し、1972年には山陰中央テレビジョン放送株式会社に社名変更し、鳥取県でも放送を開始しました。以降、ロゴタイプの変更や地上デジタル放送の開始など、さまざまな変遷を経て現在に至ります。
TSKはフジテレビ系列(FNN・FNS)に加盟しており、その経緯は設立当初からの山陰中央新報との関係にあります。もともとは日本テレビ (NTV) 系列を希望していましたが、フジテレビがネットワーク拡大に積極的であったため、フジテレビ系列に加盟しました。
現在、TSKは山陰地方における重要な情報源として、地域に根ざした放送活動を続けています。