TVA テレビ愛知

テレビ愛知は、愛知県全域を放送対象地域とする唯一の在名民放テレビ局です。地上デジタル放送の送信出力は広域民放4社と比べて抑えられており、スピルオーバー抑止のための指向性がかけられています。このため、名古屋市西部や南部、清須市、あま市などでは難視聴地域が発生していました。これを解消するため、2010年にJRセントラルタワーズや名古屋国際センターにデジタル中継局を設置し、試験放送を経て本放送を開始しました。これにより、名古屋市内の難視聴区域が解消されました。同年秋には名古屋市緑区大高にも中継局を設置し、さらにデジタル難視聴を解消するための中継局が開局しました。結果として、愛知県内のデジタル中継局は広域民放4社よりも多い17局が設置されています。
テレビ愛知の歴史は1982年7月13日に予備免許が交付されたことから始まります。同年12月1日に設立され、当初は「テレビ名古屋」（略称：TVN）として開局を目指していましたが、名古屋テレビとの名称の類似性から「テレビ愛知」に変更されました。1983年8月25日にサービス放送を開始し、9月1日に本放送を開始しました。開局後初めて放送された番組は『清元・四季三葉草』で、初めて放送されたネット番組は『ビジネスマンNEWS』でした。
テレビ愛知は、プロ野球中日ドラゴンズの試合中継にも力を入れており、1985年には自社制作による初の中日ドラゴンズ戦中継を放送しました。1996年には阪神甲子園球場での対阪神タイガース戦を中継し、1997年には気象情報番組自動送出システムを導入しました。これにより、日本気象協会と連携し、昼夜問わず協会職員による生音声の予報を実現しました。
1998年にはナゴヤドームで行われたオリックスブルーウェーブとのオープン戦を生中継し、同年10月にはテレビアニメ『突撃!パッパラ隊』を放送開始しました。2000年にはマスコットキャラクター『A』がデビューし、局ロゴも「テレビあいち」とひらがな表記に変更されました。2003年にはデジタル放送を開始し、2007年にはプロ野球中日ドラゴンズ対読売ジャイアンツ戦の中継に参入しました。
テレビ愛知は、地域密着型の放送局として、愛知県内の視聴者に向けた番組制作を続けています。特にプロ野球中日ドラゴンズの試合中継や、地元のイベント、特別番組などを通じて、地域の情報を積極的に発信しています。また、デジタル放送の普及に伴い、難視聴地域の解消にも取り組んでおり、愛知県内の広範なエリアで視聴可能な放送環境を整備しています。
さらに、テレビ愛知はデジタルコンテンツの制作にも力を入れており、2021年にはデジタルコンテンツを手掛ける子会社「TVA advance」を設立しました。これにより、インターネットを通じた配信サービスや、デジタルメディアを活用した新たなコンテンツ制作にも積極的に取り組んでいます。
テレビ愛知は、地域に根ざした放送局として、視聴者に親しまれる番組制作を続けるとともに、デジタル時代に対応した新たな放送サービスを提供しています。今後も、愛知県内の視聴者に向けた質の高い番組制作と情報提供を通じて、地域社会に貢献していくことが期待されています。