TV
YTS 山形テレビ
株式会社山形テレビ(やまがたテレビ、英: Yamagata Television System Inc.)は、山形県を放送対象地域とし、テレビジョン放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者です。同社はANN・テレビ朝日系列局に属しており、略称はYTS、コールサインはJOYI-DTVです。山形テレビは、山形市城西町に本社を構え、庄内支社、置賜支社、仙台支社、東京支社、大阪支社といった複数の支社を持っています。開局当初は山形新聞および山形放送(YBC)と密接な関係を持っていましたが、2007年に山新グループを脱退しました。
山形テレビの設立には、UHF帯での第2波割当てに際して19件の申請があり、旧山形2区選出の松沢雄蔵衆議院議員が調停役となり、新聞社系など6者に各7%、9者に各2.5%、3者に各2%、県議会関係で計10%、調停役の松沢が役員となる外部人材への分配を視野に入れた保留株を含める「一任分」として19.5%の出資比率とする形で一本化調整が行われました。しかし、その後松沢が一任分19.5%の所有権を主張し裁判に発展しましたが、1974年に一任分の大半を地元銀行4行に中立株として配分し和解に至りました。
山形テレビのロゴマークは、1970年の開局以来使用されている小文字の「y」を具現化した社章であり、略称の「YTS」のロゴマークも全角と半角状のものが使用されています。社名のロゴマークは、山新グループ時代の名残でグループ共通の明朝体調のロゴタイプを使用しています。1996年10月から2003年9月末までは、テレビ朝日ネットワークのシンボルマークを略称及び社名のロゴマークに併記していました。地上デジタル放送の画面上におけるウォーターマークは、「YTS 5ch」で表示されています。
1999年9月1日、翌2000年4月の開局30周年を控えて、イメージキャラクター「みるるん星人(みるるにあんず)」が誕生しました。緑色のみるるん星人の名前は「みるるん@あっと」で、「みるるん星」からやってきた宇宙人という設定です。「みるるん星」は宇宙の彼方Y38星雲にあり、男女の区別もないとされています。その他にも、妖精型の「みにみる」やアニマル型の「みるるん@みるぽっち」といった仲間たちが設定されています。これらのキャラクターは、金曜23時10分から放送されている「みないと」の紙芝居形式のコーナー「みるるん@劇場」で起用されているほか、番組公式サイトでも紹介されています。関連商品としては飲料水「みるパインサイダー」や菓子「たべてみるるん」などが販売されています。
山形テレビの沿革は、1968年に山形県にUHF波の民放第2局の周波数割り当てがなされたことから始まります。1969年には予備免許が交付され、1970年4月1日に山形県内で2番目のテレビ局として開局しました。同時にカラー放送も開始されました。1972年には全日放送を開始し、ニュース映像を完全カラー化しました。1979年には新館・スタジオ棟が完成し、1982年には開局10周年を記念して『やまがたのうた わたしのまち / ふるさとの径』を制作・放送しました。1984年にはCMバンクを導入し、1990年には音声多重放送を開始しました。
1993年4月1日、山形テレビはフジテレビ系列からテレビ朝日系列に変更し、テレビ朝日系のフルネット局となりました。このネットチェンジにより、山形県内で放送されるフジテレビ系の番組はごく一部を除いて姿を消しました。1997年にはマスター(主調整室)とノンリニア対応のCMバンクと番組バンクへ更新し、1998年には文字多重放送・データ放送 (ADAMS) を開始しました。2005年には地上デジタル放送対応の増築棟と送信用鉄塔・YTSタワーが竣工し、2006年には地上デジタル放送を開始しました。2011年にはアナログ放送が終了し、2017年にはテレビ朝日ホールディングスによる持分法適用関連会社化が行われました。2020年には開局50周年を迎え、2021年にはSDGs宣言を発表し、SDGメディア・コンパクトに加盟しました。
山形テレビは、開局以来、地域に密着した放送を行い続けており、今後もその役割を果たしていくことが期待されています。