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| 枠 | 2夜連続ドラマスペシャル | 
| タイトル | 李香蘭 ~激動の昭和を駆けぬけた伝説の女優~ | 
| ふりがな | りこうらん ~げきどうのしょうわをかけぬけたでんせつのじょゆう~ | 
| 放送日時 | 2006年2月11日、2月12日 20:54 (2夜連続) | 
| 制作 | テレビ東京 | 
| 放送局 | テレビ東京系列局 | 
| プロデュース | 橋本かおり | 
| 脚本 | 竹山洋 | 
| 演出 | 堀川とんこう | 
| 語り | 野際陽子 | 
昭和の時代、戦時下の荒れる日本と中国、それぞれの国民たちを熱狂させた女優・李香蘭の波瀾万丈な半生を描く。
 1920年、中国・満州で生まれた日本人・山口淑子 (上戸彩) は、成人するまでのほとんどを中国で過ごし、日本語のみならず中国語もマスター。
 18歳の頃、映画女優 「李香蘭」 (リー・シャンラン) という中国名でデビューした。
* 「李香蘭」 という中国名について・・・当時、中国では親しい家族間の子供を交換することがあり、山口淑子も父の友人の家族に預けられたことがあったそうです。 「李香蘭」 はその時に親代わりとなった李際春から名付けられました。養子縁組と似ていますが、永久的に相手側の家族にとどまるわけではなく、複雑な戸籍変更は一切ありません。親しい家族間のホームステイみたいなものでしょうか。
 山口淑子が 「李香蘭」 としてデビューした1938年当時、日本と中国の関係は冷え切っていた。前年には 「日中戦争」 も開戦し、一般の中国人にとって日本人は差別の対象。山口淑子も学生時代は日本人が蔑視される現実を目の当たりにし、つらい経験に心を痛めたこともある。
 じつは 「李香蘭」 デビューの狙いは冷え切った日本人と中国人の親交を温めることにあった。並外れた美貌と表現力をそなえ、日本語も中国語も堪能な彼女を親善大使として送り込めば、アジアの人民が友好的に暮らす 「五族協和」 を成就させられるかもしれない……。李香蘭のデビューは、そう感じ取った満州国 (当時) 国策会社 「満州映画協会」 の理事長・甘粕正彦 (中村獅童) らが考案したものだったのである。
 こうして、華々しくデビューし、中国人女優としてすっかり世間に浸透した李香蘭。
 しかし、国家間の架け橋となるのは容易なことではなく、祖国・日本を訪れた彼女を待っていたのは 「シナ語 (中国語) を喋って恥ずかしくないのか? 」 などという罵倒や非難の嵐。李香蘭は改めて両国の溝の深さを痛感し、自分に課せられた使命に虚しさを感じ始める。
 だが、李香蘭の女優人生は幸運にも順調で、次々と出演作品に恵まれる。
 当時の人気を象徴する出来事として、1941年に日本劇場で行われた実演公演 「歌ふ李香蘭」 では彼女の絶大な人気のために、劇場の周囲を七周半もの観客が取り巻き、消防車の散水によって人々を散らすように移動させたことが有名である。 (日劇七周り半事件)
 そんな中、李香蘭は日本の人気俳優・長谷川一夫 (中村福助) との共演が決定。3作の日本作品で共演したのだが、この作品への出演を李香蘭は一生後悔することになる。
 思いがけないことに、その作品中に中国人を辱める描写が含まれていたのである。 (日本人船員に殴打されながらも、彼に惹かれていく中国人女性の姿が屈辱的だと波紋を呼んだ)
 李香蘭は物語の意図を理解せず、映画に出演したことを中国の記者のまえで謝罪する。
 慌ただしい日々を送る李香蘭だったが、最大の転機が訪れたのは1946年のこと。
 時代は第2次世界大戦が終わり、李香蘭が活動を委ねていた満州国が崩壊した直後のことであった。
 李香蘭は 「漢奸罪」 (中国人でありながら敵国=日本に協力した罪) の罪を着せられ、あわや銃殺刑かという局面を迎える。しかし、旧友のロシア人・リュバの協力によって、日本国籍をもつことが証明され、処刑は免れ国外追放となる。
 「李香蘭」 を一時的に名乗るのをやめ、祖国・日本に帰ってきた山口淑子。
 日本で多くの映画に出演し、30代半ばで香港映画において 「李香蘭」 の名義で再び出演。李香蘭の人気を再燃させる。また、一度の結婚と離婚を経験するも、1958年には外交官の大鷹弘氏と再婚。
 映画界を退いた後は、フジテレビのニュース & ワイドショー番組 「3時のあなた」 の司会や環境庁政務次官や自民党婦人局長など政治家として活動するなど、変わらぬ存在感を示した。
| キャスト | 役 | 
| 上戸彩 | 李香蘭 = 山口淑子 (主人公) | 
| 菊川怜 | 川島芳子 (清朝第14代王女) | 
| 中村獅童 | 甘粕正彦 (満州映画協会 二代目理事長) | 
| 沢村一樹 | 川喜多長政 (中華電影公司 副社長) | 
| 小澤征悦 | 児玉英水 (東宝文芸部員) | 
| 斉藤陽一郎 | 田村泰次郎 (作家) | 
| 深水元基 | 松岡謙一郎 (東京帝国大学の学生) | 
| 前田耕陽 | 服部良一 (作曲家) | 
| 西田健 | 吉岡安直中将 (関東軍参謀) | 
| 川俣しのぶ | 厚見雅子 (主人公の付き人) | 
| 鶴田忍 | 内田吐夢 (映画監督) | 
| 松澤一之 | 上野真嗣 (映画監督) | 
| 鈴木正幸 | 渡辺邦男 (映画監督) | 
| 斉藤暁 | 山梨稔 (満州映画協会 総務部長) | 
| 石井英明 | 根岸寛一 (満州映画協会 理事) | 
| 徳井優 | 牧野光雄 (満州映画協会 制作部長) | 
| 中山恵 | 陳雲裳 (チェン・ユンシャン 女優) | 
| 野田よし子 | 川喜多かしこ (川喜多長政の妻) | 
| 石橋保 | 野口久光 (中華電影公司 宣伝部) | 
| 吉満涼太 | 小出孝 (中華電影公司 営業担当) | 
| 本多新太 | 辻久一 (上海陸軍報道部) | 
| 綾田俊樹 | 金沢署長 (丸の内警察署) | 
| 田口主将 | 久米正雄 (作家) | 
| 小池彩夢 | 山口淑子 (主人公の少女時代) | 
| 小野武彦 | 山家亨 (関東軍北支宣撫班少佐) | 
| 金田明夫 | 東敬三 (奉天放送局員) | 
| 中村福助 | 長谷川一夫 (俳優) | 
| 野際陽子 | 大鷹淑子 (老年期の主人公) | 
| 名取裕子 | 山口アイ (主人公の母) | 
| 橋爪功 | 山口文雄 (主人公の父) |