『聖母聖美物語』は終了いたしました。
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新ドラマ『碧の海~LONG SUMMER~』につづく
愛美と繁郎の交配の結果、愛美は妊娠しなかった。
繁郎は妻の妹と直接交配することはやはり良くないと考え、それまで自然の摂理に背くことだとして精子の提供を拒否していたが、愛美の子宮を使った体外受精をすることを承諾する。
愛美はドナーベビーを柳沢家の次期跡取りにすることで、柳沢家を意のままにしようという魂胆があったが、聖美の心からの説得によって態度を軟化させる。
1ヶ月後、愛美はついに妊娠する。だが、波津子がこの極秘プロジェクトに気づいてしまい、中絶しろと激高する。
波津子は2週間悩みぬいた結果、ドナーベビーの出産を許可する。しかし、その代わりに聖美に第2子が誕生したように芝居しろという。柳沢家の格式を守るための苦肉の策だ。
このプロジェクトを成功させるためには、病院にも協力者が必要だ。そこで、信頼ができるナースの百合子と小児科医の諏訪公一(古山憲太郎)に協力を頼む。
愛美は波津子から札束を渡され、出産するまで柳沢家に引きこもることを約束する。勘の鋭い峻にもプロジェクトについて話した方がいいという愛美の提案から、プロジェクトは峻にも伝えられることになった。
1999年7月、聖美は衣服に綿をいれ、「妊娠した芝居」をしていた。しかし、看護婦長の瑞穂は聖美の妊娠を疑っていて・・・。
1999年10月、星川弁護士の娘・星川結花(諸江雪乃)が登場。同じ学校の峻と親しくなりたいという結花が柳沢家にたびたび現れるようになり、峻を困惑させる。
(聖母聖美物語 第28話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:細井ゆめの(看護婦)、富岡英里子(看護婦)、諸江雪乃(星川結花))
1999年11月、「自分はただの出産マシン」と悲観する愛美は、繁郎に温もりを求め、陽の子供部屋で密会するようになる。
しかし、繁郎の自制が働き、以前のように禁断の関係になることはなかった。
繁郎の心の中に忘れられない女性がいることを気づいた愛美は、繁郎が大切にしている女性(内田帆波)の写真について問いかける。繁郎は彼女が好きだった。彼女は婚約者と会うためにロサンゼルスに旅立ったが、飛行機事故で亡くなり、その傷心の最中に出会ったのが聖美だったという。
2000年1月、聖美は、愛美と繁郎が子供部屋で密会していることに気づいてしまう。
繁郎は「ただ二人でいるだけ」と言って肉体関係はないと弁解するが、愛美から「もはや体ではなく心でつながっている関係」と挑発された聖美はショックを受ける。
そんなある日、愛美の陣痛が始まる。いよいよ出産だ。
分娩室には繁郎と聖美もやってきて、聖美は愛美の手を握る繁郎の片方の手を握り、母として一緒に産みの苦しみを共有しようとする。愛美が出産に向けて息遣いが荒くなると、聖美も同調して息遣いが荒くなる。その異様な光景に執刀医の弘明たちは絶句する。
無事、女の子が誕生。陽の命を救うための臍帯血が採取される。聖美は安堵する一方で、本当の夫婦のように愛美を気遣う繁郎を見て切ない気持ちになるのだった。
その時、看護婦長の瑞穂が姿を現す。このプロジェクトがバレてしまったと思ったその時、瑞穂も協力者であることが判明。実は、聖美が瑞穂を頼もしい味方になると考え、密かに協力を依頼していたのだ。
女の子は「ひかり」と命名され、陽の臍帯血移植の手術が終わる。移植後の経過は良好。一方、柳沢家では峻が結花にキスされたり、聖美が愛美に柳沢家を出て行くように要求するなど新しい展開が。
(聖母聖美物語 第34話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:中山さおり(妊婦)、鴨志田媛夢(看護婦)、池田唯香(柳沢ひかり)、中村謙志(柳沢ひかり)、島崎伸夫(八百屋))
ドナーベビープロジェクトの過程で、愛美と繁郎が一度だけ直接交配したことを波津子が知ってしまう。それを知った波津子の怒りはすさまじいものになるが、その口論を立ち聞きした峻にも知られてしまう。
一方、愛美が繁郎と夫婦のように親密になって以来、柳沢家では聖美の立場が悪くなる。戸籍上ではひかりの母親は聖美だが、それも所詮は偽りの母親。繁郎との夫婦仲も冷えきったものとなってしまう。
そんな中、聖美に好意を寄せる内科医の諏訪が「僕と陽くんと3人で新しい生き方をさがしませんか」と、聖美に熱烈な愛の告白をする。
すると、諏訪に片想いをしていたナースの百合子は、嫉妬心から愛美にその告白を漏らし、柳沢家に波風を立たせようとする。
百合子の思惑通り、愛美は柳沢家の食卓で、諏訪による聖美への愛の告白を暴露してしまう。これによって、聖美は諏訪と密かな恋仲であると誤解される。
聖美はますます柳沢家に居づらくなる。ついには離婚の話に及び、聖美は離婚届を手にする。陽の親権だけは自分が持ちたいと聖美は主張するが、波津子から拒絶される。
思い返せば、繁郎との夫婦仲がこじれたことも因果応報、息子との別離も当然の報いだと受け入れた聖美は、ある覚悟を決め、柳沢家を静かに出て行く。
聖美は母の墓前で手首をナイフで切り、命を絶とうとするが、寸前で諏訪に止められる。
柳沢病院を辞めてきた諏訪は「僕も全部捨てました。残っているのはこの命だけ。僕と死んだつもりでやり直せばいい」と言い、聖美を抱き寄せる。
一方、聖美が出て行った柳沢家は、愛美が我が物顔でのさばり、あの波津子でさえも逆らえなくなっていた。
(聖母聖美物語 第39話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:赤司まり子、今村俊一、加納朋之)
2000年6月、聖美は諏訪とともに静岡県清水市に渡り、諏訪が先輩から譲り受けたという富士ヶ丘診療所にいた。
そんなある日、診療所に一通の封筒が送られてくる。差出人は峻だった。「誰にも話していないこの住所をなぜ?」と聖美は不思議に思うが、陽とひかりの写真を同封してくれた峻の好意に感謝し、手紙を返信する。
峻が聖美の住所を知っていることはすぐに柳沢家の人々に明るみになる。峻が住所を知ることができたのは、結花が星川弁護士事務所の若手に2人の足取りを追跡させて住所を突き止め、それを峻に知らせたらしい。
一方、婦長の瑞穂が18年前、弘明の子を中絶していたことが明らかになる。
18年前、波津子は家政婦だった瑞穂の母に恩義を感じていたため、シングルマザーになるという困難な道を選びかけていた瑞穂を止め、子供の父親の名を聞かずに中絶手術の手配をしてやったことがあった。
しかも、瑞穂を前婦長の後任に推挙してやることで婦長という地位も与えてやった。瑞穂は泣いて感謝し、波津子への忠誠を誓った。
だが、18年の時を経て、子の父親が弘明だったことが明らかになった。波津子にとって、弘明は最も憎む夫の愛人の子供。もしも、それを知っていたら中絶の手配も、婦長の後任もさせなかった。
波津子は「消えろ」と瑞穂に怒鳴り散らすが、その時、波津子は意識を失って倒れてしまう。一体、波津子の身に何が?
結局、波津子は高血圧で倒れたことがわかり、しばらくは病院で安静にしておくことになった。
一方、富士ヶ丘診療所に諏訪の先輩・小田島の詐欺事件を捜査する刑事(岸博之)が現れる。刑事によると、小田島は不正診療で莫大な診療報酬を得ていたという。
諏訪も詐欺の片棒を担いでいたのではないかという疑惑が浮上するが?
(聖母聖美物語 第42話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:椎原克知、岸博之(刑事)、宮地眞理子(刑事)、高瀬哲朗、法月晴幸)
諏訪の先輩・小田島の詐欺事件が発覚し、諏訪が関与していた疑惑が浮上する。諏訪は刑事に連行され、警察署へ。
星川弁護士は警察署に行き、諏訪を弁護してやる。聖美が愛した男だからこその弁護だ。星川は「もう聖美から身を引け」と諏訪に忠告する。
諏訪が警察署から帰ってくる。諏訪は自暴自棄になり、陽とひかりの写真立てを割ってしまう。
諏訪は身の潔白を話し、聖美はそれを信じる。「もう一度やり直そう」と聖美が勇気づけるが、ただでさえ経営がうまくいっていなかった富士ヶ丘診療所。今後の先行きは不安である。
そんな中、体調を回復した波津子が聖美を訪ねてやってくる。三保松原・羽衣の松のまえで2人は半年ぶりの再会。「色々あんのよ」という波津子をしばらく泊めることに決める。
波津子の携帯電話から漏れて聞こえた陽の声をきっかけに、聖美の中で陽への思いが再燃する。「思えば、身勝手な母だった」と反省の念を口にする聖美に対して、波津子は「それを繁郎に伝えたらどうか、そしたら・・・」と復縁を勧める。
だが、聖美は自分を助けてくれた諏訪を支えてあげたいと話す。
翌日、波津子は諏訪が診療所の金を持ち逃げしようとする場面を目撃してしまう。波津子は諏訪に説教し、再起を促すが、諏訪の心には届かない。諏訪は出ていったきり、行方をくらます。結局、聖美にとってパート先で錯乱状態の諏訪を見たのが、彼の姿を見た最後となる。
そんな中、聖美は繁郎から「戻ってきてほしい」と復縁のプロポーズをされる。能楽の「羽衣」の天女になぞらえて真摯に復縁を求める繁郎に聖美の心は揺れる。
診療所にミネタ不動産の久山(浅野雅博)が現れる。諏訪から「退去する」という連絡があったという。突然の退去通告に聖美は戸惑う。聖美は羽衣の松のまえで、今後の生き方を決断する。
2000年7月、聖美は半年ぶりに柳沢家に帰ってくる。繁郎とやり直すためだ。
帰ってきた聖美に、愛美が「よくもまあヌケヌケと。この恥知らず」と喧嘩をふっかける。しかし、それは柳沢家での立場が危うくなってきた焦りの表れ。そんな中、息子の峻から「ここを出ていこう。早く戻って!あの頃の僕の大好きな母さんに」と言われた愛美は・・・。
ある日の朝、愛美がひかりをつれ、柳沢家を出て行くと言い出す。波津子はひかりを残していけと要求。すると、愛美は「3000万円で手を打とう」と交渉を切り出す。波津子も引かず、「完全に縁を切って1億円か、縁は切らずに3000万円のどちらがいいか」と返す。
愛美は3000万円を選択し、ひかりを残して出て行く。峻がついていこうとするが、愛美は峻に平手打ちをして拒絶し、柳沢家を去る。
繁郎は愛美が憎まれ口を叩きながらも子供たちの将来を思い、最初からひかりと峻を柳沢家に残して行くつもりだったのだと推察する。
聖美と繁郎のもとに、波津子が未提出の離婚届を持って来る。実は2人の離婚は成立しておらず、まだ夫婦だったことがわかる。
そして、10年の年月が流れ・・・。
(聖母聖美物語 第46話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:浅野雅博(久山))
2010年1月、ひかり(小林里乃)が10歳の誕生日を迎え、柳沢家ではささやかな誕生日会が開かれていた。
長男の陽(上遠野太洸)は高校3年生。幸いにも白血病が再発する兆候もなく、センター試験を終えて志望大受験を控えている身だ。
ひかりの誕生日を祝うために、柳沢病院の医師になった峻(片岡信和)が現れる。峻は「うちのおふくろからひかりちゃんに」と、ワンピースをプレゼントする。
ひかりの実の母親が愛美だということは柳沢家最大の秘密である。ドナーベビーだったことも、ひかりは気づいている様子はないが、ひかりからの「叔母ちゃまってひかりにだけプレゼントくれる。なぜ?」という疑問の声にあからさまに家族は動揺する。
ひかり宛に友人からバースデイカードが届く。聖美たちはその中に混ざっていた「祝・ドナーベビー生誕10周年」と書かれたバースデイカードに衝撃を受ける。差出人は「マリア」とあるが、一体誰がこんな悪質なイタズラを?
聖美の嫌な予感は的中し、ひかりはその「ドナーベビー」という言葉に関心を抱いてしまう。
一方、陽が検査を受けたところ、白血球の数値が跳ね上がっていることが判明する。それは白血病が再発した可能性を意味していた。
翌日、ドナーベビーの事を調べてきたひかりが、聖美に「私はお兄ちゃんを助けるために計画的に作られた子なの?」と疑問を投げかける。聖美は弁解するが、ひかりの疑問は解けず、ひかりは弘明にドナーベビーの事を尋ねに行く。
弘明は「ひかりの実の母親が愛美」という最大の秘密だけは隠しながら、ひかりが誕生した経緯を話す。この件で柳沢家は大荒れになる。
ひかりは叔母の愛美も何かを知っていると直感し、彼女が経営するクラブ「まなみ」に行く。愛美は店にやってきた女の子がひかりだと知ると、成長した我が子の姿に目頭が熱くなり涙ぐむ。
ちょうど店に来ていた星川弁護士は柳沢家に電話し、愛美の店にひかりが来ていることを伝える。
(聖母聖美物語 第49話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:片岡信和(森尾峻)、上遠野太洸(柳沢陽)、小林里乃(柳沢ひかり)、松山愛里(星川結花)、若尾夏希(看護婦)、石井愃一(江原))
愛美はひかりを家に泊めることにする。愛美に抱擁され、ひかりはその匂いや感触に懐かしさを感じる。
翌日、聖美がひかりを迎えに愛美の家にやって来る。10年ぶりの姉妹の再会となるが、聖美がマリアからの怪文書を見せ、「犯人はあなた!?」と強く問いただしたところ、否定する愛美と口争いになる。
2010年3月、ひかりが陽の骨髄移植のドナーにはならないという意思を示す。ひかりは「知りたいの、本当のことを、2人が隠していることを・・・」と聖美と繁郎に訴える。しかし、2人は依然として本当のことを打ち明けられずにいた。
そんな中、愛美はひかりに携帯電話をプレゼントし、何か悩み事があったら電話してきてほしいと告げる。ひかりは愛美の思いやりを心から喜ぶ。
一方、マリアからの怪文書が再び届く。幸いにもひかりの目に触れることはなかったが、そこには「柳沢ひかり様、あなたの本当のお母さんが誰なのか、知りたくありませんか?」と書かれてあった。
聖美は星川弁護士にマリアからの怪文書について相談する。聖美はひかりの実母が愛美であることを星川弁護士に打ち明け、「私と一緒にマリアと闘ってほしい」と犯人探しの協力を頼む。星川弁護士はそれを承諾。容疑者は秘密を共有していた現看護師長の百合子、病院を辞めた瑞穂、行方知れずの諏訪の3人に絞られる。
しかし、百合子も瑞穂も疑いを否定。残す容疑者は諏訪のみとなるが?
柳沢病院では、弘明が聖美に恐ろしい告白をする。聖美が体外受精をおこなった時、繁郎の精子を自分の精子に一度だけすりかえた事があるというのだ。
だが、その時は稽留流産になり、生まれることはなかったという。それが弘明なりの「柳沢家への復讐」だと察した聖美は、「鬼畜よ!」と弘明を強く非難する。
一方、星川弁護士の長女・結花(松山愛里)が交際中の峻の秘密を知ってしまう。峻は両性愛者(バイセクシュアル)だった。
この発覚で一時は関係がこじれるも、結花は「峻との結婚はあきらめない」と言い、押しかけ女房のように峻の世話をするようになる。
(聖母聖美物語 第54話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:宮川浩明(客)、西山咲子(事務員)、佐藤邦洋、安藤広郎、紫乃(敏江)、山口果林(摩耶子)、加藤良輔(青年))
ひかりが陽の骨髄移植のドナーになると言いだす。陽を白血病から救うために、出生の秘密はもう追及しないと決めたのだ。
数日後、ひかりがドナーとして認められるかどうかが決定する「倫理委員会」が開かれる。しかし、委員が異議を唱えたことで却下される。どうやら11年前の「ドナーベビープロジェクト」が今になって悪い噂として広まっているらしい。
そんな中、怪文書の犯人を追っている星川弁護士が、行方知れずの諏訪の写真をもってくる。諏訪は頬がやつれ、ヒゲを生やし、昔の風貌とは別人のようだった。諏訪は現在、看護師長の百合子と親密な仲だという。百合子は諏訪の事など一言も言わなかったが・・・。聖美は百合子が何かウソをついていることに気づく。
聖美は愛美から百合子の話を聞く。愛美曰く、百合子はああ見えて嫉妬深く、裏で何を画策しているかわからない人間だという。愛美は自分だけが気づいてしまった百合子の本性を話すと、彼女こそが怪文書の差出人「マリア」だと断言する。
愛美の推理通り、怪文書を出した真犯人は百合子だった。聖美は百合子が怪文書をポストに投函しようとしている決定的な現場をおさえる。
聖美が百合子を問い詰めたところ、「何も知らないひかりちゃんに真実を教えるべき」という彼女なりの使命感からとった行動だった。さらに片想いをしていた諏訪の運命を聖美に狂わされたという思いが、彼女を過激な行動に駆り立ててしまったようだ。
聖美は百合子の心情を汲み、怒りを鎮めてほしいと懇願する。
陽は幼少から抱えていた疑問を初めてひかりに吐露する。
「思えば、母さんがひかりに母乳をあげているのを見たことがない。しかも、母さんは子供を産みにくい体だった・・・」
そう言うと、陽は「ひかり、お前はパパと愛美おばさんの子なんだよ」と、確信に満ちた表情でひかりに言う。
衝撃を受けるひかり。その時、陽が吐血してしまう。再発した白血病は刻一刻と陽の身体をむしばんでいた。
柳沢家の人々に動揺が走る中、陽が看護師の目を盗んで病院を抜けだし、姿をくらましてしまう。
それぞれが必死の捜索をする中、陽は自らの命を絶とうとしていた。院外の草むらでカッターで手首を切り、横たわる陽。そこに一人の男が現れる。その男は諏訪だった。
諏訪はその少年が陽だと気づくと、陽を柳沢病院へ。傷が浅いこともあって陽は一命を取り留める。
聖美は諏訪のとっさの行動に感謝する。諏訪は今回のことで小児科医だった頃の情熱がよみがえったようだ。諏訪は心機一転、百合子とともにボランティアとして地域医療に貢献したいという。聖美は百合子や諏訪とかたい握手を交わす。
柳沢家では、ついにひかりの実母が愛美であることが明かされる。すると、愛美はひかりに「お母さんっていうのはやっぱり、育ててくれた人のことを言うんだよ」と言い、これからも母は聖美に変わりないと告げる。
(聖母聖美物語 第60話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:細井ゆめの)
瑞穂は、弘明の実母・摩耶子(山口果林)が余命残り少ないことを知る。摩耶子は館山の介護施設に入所しているらしい。
弘明にそれを告げたところ、たとえ実母でも会う気はないという。話を聞いた繁郎は、弘明の代わりに摩耶子に会いに行く。
繁郎が館山の介護施設に到着すると、摩耶子は昏睡状態に陥り、すでに話ができる状態ではなくなっていた。
病室で繁郎は、摩耶子の息子・政彦(松永博史)から、へその緒が入った小箱を受け取る。その小箱には「弘明」と書かれていた。政彦曰く「母は人知れず、生き別れた彼のことをずっと心残りに思っていたようです」という。摩耶子が安らかに息を引き取ったのはその直後のことだった。
一方、聖美は弘明に体外受精の精子すり替えの罪を許すという。その代わり、この罪は2人だけの秘密であると約束させる。
弘明が瑞穂とともに館山にやってくる。へその緒を受け取った弘明は、何も言われなくても摩耶子の心情を察する。弘明はへその緒を海に投げ捨てることで、この日を自分の再出発とする。
夫の愛人だった摩耶子の死を知った波津子が弘明のもとを訪れる。波津子はこれまで、夫の愛人の顔がちらついて弘明を冷遇してきたように自分では思っていたが、本当はそうではなかったと気づいたという。
「弘明さん、あなたは私の鏡だったのよ。あなたを見ることで愛人を憎んでいる自分のどす黒い感情と向かい合うのが怖かった。だから幼いあなたに目を背け、繁郎だけに笑ってみせた・・・」、波津子はそう言うと、弘明に謝罪する。
すると、瑞穂が波津子の罪はまだ存在するという。それは28年前、瑞穂に弘明の子を中絶させたことだ。それに対して、波津子が「私は弘明の子だなんて知らなかった。あなただってあの時、未練たらしくうろちょろしてないで、さっさと消えれば良かったのよ」と言い返すと、瑞穂は激高し、割れたビンの破片を凶器に波津子に襲いかかる。
その時、瑞穂の凶行を止めようとした弘明が、瑞穂とともに内庭にもつれて倒れ、負傷する。弘明の身体はぐったりして動かない。緊急手術の結果、弘明は脊髄を損傷している可能性があるという。
(聖母聖美物語 第62話の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:松永博史(政彦)、福田亘(弘明の吹替)、高倉亜樹(瑞穂の吹替))
繁郎はベッドに横たわる弘明の言葉に心を打たれ、「ひかりをドナーとして認めてほしい」と再度、倫理委員会で訴える。
繁郎の熱意が届き、ひかりをドナーとする陽への骨髄移植が認められる。
手術の前日、ひかりは聖美と愛美の手を握り、手術の成功を祈っていてほしいと話す。
2ヶ月後、峻と結花が結婚式の日を迎える。
一方、陽の骨髄移植は成功したかに思えたが、肝臓の様子だけが思わしくないという。検査の結果、「劇症肝炎」だとわかる。
ひかりは胸騒ぎを覚え、結婚式場を抜け出して病院へ向かう。
その時、ひかりに向かって居眠り運転の暴走トラックが突っ込む。聖美はとっさにひかりを突き飛ばし、身代わりになってトラックにはねられてしまう。
聖美は脳死判定される。繁郎は聖美のドナーカードを見せ、聖美が臓器提供に同意していることから、「肝臓だけは陽にあげてほしい」という。
2年後、聖美の三回忌法要がおこなわれる。病魔に打ち勝った陽は医大に進学。ひかりも医療の道を志しているようだ。
柳沢家の人々は、死しても家族の幸せを願ってくれているであろう聖美の愛情を感じるのだった。(終)
(聖母聖美物語 第64話(最終回)の結末まで~あらすじ・ネタバレ~/今週からのキャスト:国広富之(黒川良輔)、小島慶子(白鳥涼子)、大和田伸也))