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abn 長野朝日放送
長野朝日放送株式会社(Asahi Broadcasting Nagano Co., Ltd.、略称abn)は、長野県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。1991年4月1日に開局し、長野県で4番目の民放テレビ局として、ANN系列のフルネット局として発足しました。アナログ放送時代の呼出符号はJOGH-TV、デジタル放送の呼出符号はJOGH-DTVで、リモコン番号は5です。
開局当初、略称は大文字の「ABN」でしたが、日本民間放送連盟の略称(NAB)と重複することを避けるため、「ABN」に決定しました。現在のマスコットキャラクターは「りんご丸」で、キャッチフレーズは「リン5(ゴ)ch abn」や「おぉ!abn」です。以前は「モーリー」と「りんごちゃん」というペアのキャラクターが使用されていました。
abnは開局以来、年に一度「abnスポーツ大賞」を開催し、アマチュアスポーツ界で優秀な成績を収めた選手や団体、スポーツ振興に貢献した個人や団体を表彰しています。本社は長野市七瀬にあり、同じビルの5階には系列新聞である朝日新聞長野総局が入居しています。系列テレビ局に朝日新聞の支局がテナントとして入居するのはabnが唯一です。
開局当初、長野県内のケーブルテレビ局の中には、テレビ朝日をベーシックチャンネルとしていたため、abnは経営的に苦戦することもありました。例えば、エルシーブイはABN開局から1993年2月までテレビ朝日をベーシックチャンネルとしていました。
abnは、長野県内の民間テレビ放送局として初めて、気象警報等の速報に市町村ごとの二次細分区域を用いて伝えています。開局時から「愛をみつめて」という社歌が存在し、局名告知や放送休止中のBGMとして使用されています。これは、他の長野県内の民放局(テレビ信州や長野放送)でも見られる共通点です。
2000年には、平成ライダーの第1作「仮面ライダークウガ」のロケがabnの屋上で行われました。主な受賞歴としては、2017年に『雷鳥を守るんだ”神の鳥その声を聴く男』が日本民間放送連盟賞番組部門テレビ報道番組優秀賞を受賞し、2022年には『abn信州がんプロジェクト』が同連盟賞特別表彰部門「放送と公共性」で優秀賞を受賞しました。また、『木曽馬と生きる~風わたる里 開田高原~』は2022年JRA賞馬事文化賞を受賞し、2023年には『はじけろ!青春 特別編 高校放送部と一緒に番組作っちゃいましたスペシャル』が日本民間放送連盟賞特別表彰部門「放送と青少年」で優秀賞を受賞しました。
abnの事業所は本社・演奏所が長野市七瀬にあり、中南信支社(松本市)、東京支社(東京都中央区築地)、大阪支社(大阪市北区中之島)、名古屋支社(名古屋市中区錦)、上田支局(上田市)、南信支局(伊那市)があります。
長野県のANN系列の変遷については、元々信越放送(SBC)が朝日新聞社関係の放送局として存在していましたが、SBCは強力なJNNに加盟していました。その後、朝日新聞社が全国朝日系テレビネットワークを構築するために新局の開局申請を行い、1969年に長野放送(NBS)が開局しましたが、NBSはフジテレビ系列に加盟しました。
その後、1980年にテレビ信州(TSB)が開局し、当初は日本テレビ系列とテレビ朝日系列のクロスネット局として運営されましたが、1989年にテレビ朝日系列としてabnが開局することが決定し、1991年に開局しました。abnは長野トヨタ自動車(トヨタUグループ)や信濃毎日新聞からの資本を受けており、開局の際には1364社の申請がありました。abn開局時には、TSBの社員の一部がabnに移籍しています。
このように、長野朝日放送は地域に根ざした放送局として、技術革新や社会貢献活動を通じて成長を続けています。視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けることを目指し、地域のニーズに応える放送局としての役割を果たしています。