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FBS 福岡放送
株式会社福岡放送(Fukuoka Broadcasting System Corporation、略称FBS)は、福岡県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者であり、テレビジョン放送事業を行っています。福岡放送は1968年に設立され、1969年4月1日に開局しました。コールサインはJOFH-DTVで、NNN・NNSの九州地方の基幹局として機能しています。
福岡放送は、NNN系列フルネット局がない佐賀県のニュース取材も担当しており、全国高等学校サッカー選手権大会の佐賀県大会決勝や全国大会での佐賀県代表出場試合の中継も行っています。1990年から1991年にかけては、長崎県にNNN系列の空白区域が発生した際に長崎支局を設置し、長崎県内の取材も担当していました。
福岡放送のキャッチコピーは、2012年3月から「5ing!FBS 全力放送」を使用しており、地上デジタル放送のキャッチコピーとして「地デジも全力放送。」や「地域密着No1」も使用していました。2014年の開局45周年には「未来(あした)へ」というキャッチコピーが期間限定で使用され、2016年4月からは新キャッチコピー「みたいけん。FBS」が導入されました。この「みたいけん」は博多弁で「見たいから」を意味し、「未体験」にも掛けられています。2019年の開局50周年には「さぁ、みんなで立ち上がろう! やーっ!FBS」というキャッチコピーが使用されました。「やーっ!」は福岡県内の小学校で体操座りから立ち上がる際に声を揃えて立ち上がる独特の風習から取られています。
福岡放送は、九州ブロックネット番組として『Dr.クラナガン』や『なぜなぜ九州』などを放送してきました。現在では、毎年夏と冬に放送される『九州まるごと生情報』や、年末に九州の一年の動きをまとめた『九州××××』、年に数回放送される旅バラエティ番組『今田耕司のすっぴんツアー!』などを放送しています。ゴールデン・プライムタイムには長年『ナイトシャッフル』などの自社制作番組を放送してきましたが、2019年6月に『ガンバナ! 頑張るキミに花束を!』が終了して以降はレギュラー番組としては放送されていません。
視聴率においては、2023年の年間視聴率と年度視聴率で個人全体視聴率三冠王(全日、ゴールデン、プライム)を達成しました。福岡放送は福岡県で最も多くの人に見られているテレビ局であり、個人視聴率と世帯視聴率の違いを自社のホームページで説明し、同年の年間視聴率で世帯視聴率三冠を達成した九州朝日放送(KBC)との違いをアピールしています。
福岡放送は、在福テレビ局で唯一、小倉競馬場における賞レース(社盃)を提供したことがありません。また、日本テレビ系列のテレビ単営局で唯一、社名に「テレビ(ジョン)」が付かない局であり、「(都道府県名)放送」と名乗る日本テレビ系列局では唯一テレビ単営局で、アナログ親局がUHFでした。
福岡放送の本社は福岡市中央区清川にあり、北九州、東京、大阪に支社を設置しています。かつては久留米市にも支社がありましたが、福岡本社に統合されました。また、バンコクとソウルにも支局を設け、バンコクにはNNNとしての支局を設けて支局長を派遣し、ソウルではSBSソウル放送本社内に日本テレビが開設しているNNNソウル支局に記者を派遣しています。
福岡放送の歴史は、1968年4月19日にテレビ予備免許を取得し、5月27日に設立されました。当時の本社は博多区築港本町にあり、福岡送信所は福岡市中央区小笹の鴻巣山に設置されました。1969年2月20日に試験電波を発射し、3月1日にサービス放送を開始、4月1日に正式に開局しました。開局時のキャッチフレーズは「楽しいFBS」で、県内初のUHFテレビ局としてUHFコンバータとアンテナの普及活動が行われました。
1972年にはカラー中継車を導入し、1979年には本社を中央区渡辺通のサンセルコビルに移転しました。1981年には「FBSニュースリポート」を通じて山田弾薬庫跡地の看板をスクープし、1985年には福岡送信所の送信機を更新しました。1987年にはテレビジョン文字多重放送を開始し、1990年には長崎支局を設置しました。
福岡放送は、地域に密着した放送局として、視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けています。技術革新と社会貢献活動を通じて成長を続け、福岡県の放送文化の中心的存在としてその役割を果たしていくことが期待されています。