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HBC 北海道放送
北海道放送株式会社(HBC)は、北海道を対象地域とする中波放送(AM放送)およびテレビジョン放送を兼営する特定地上基幹放送事業者です。テレビはJNNの基幹局であり、札幌放送局のコールサインはJOHR-DTV、リモコンキーIDは「1」です。ラジオはJRN系とNRN系のクロスネット局で、札幌放送局のコールサインはJOHRです。
HBCは多くの取材ヘリを有し、ベル 430などを運航しています。現在の代表取締役会長は渡辺卓氏、代表取締役社長は勝田直樹氏です。本社は札幌市中央区北1条西5丁目2番地に位置しています。北海道内には旭川、函館、帯広などに放送局があり、東京や大阪にも支社があります。また、JNN-HBC北京支局やTBSモスクワ支局も設置されています。かつては北見や釧路などにも放送局がありましたが、独自番組の制作は中止され、現在はラジオ・テレビの送信および取材拠点としての業務のみを行っています。
HBCは関係会社としてHBCフレックス、HBCビジョン、三新などを有し、以前は札幌市内の手稲山一帯でスキー場・遊園地を運営していましたが、現在は加森観光に売却されています。
HBCラジオは北海道を放送対象地域とし、JRNおよびNRN系に属しています。1952年3月10日に開局し、親局は札幌1287kHzで出力50kWです。主要な中継局についてはHBCラジオの周波数を参照してください。
HBCテレビも北海道を放送対象地域とし、JNN系列に属しています。1957年4月1日に開局し、リモコンキーIDは「1」、デジタル親局は札幌19chです。主要な中継局は旭川19ch、函館17ch、室蘭22ch、網走22ch、帯広19ch、釧路45chです。
HBCは、札幌テレビ放送(STV)がラジオ局を分社したことにより、北海道内の民放で唯一ラジオ・テレビ兼営局となりました。データ放送を実施しており、番組表サービス「Gガイド」を配信しています。系列新聞は北海道新聞(道新)や道新スポーツであり、特定の新聞社との関係は薄れつつあります。
現在のマスコットキャラクターは猿をモチーフにした「もんすけ」で、過去には「ラジレオくん」というキャラクターも使用されていました。初代社長の阿部謙夫は道新から派遣され、HBCは道新系列の放送局として始まりましたが、UHB開局後は道新との資本関係が希薄化しました。しかし、ラジオニュースでは引き続き「道新ニュース」や「HBCニュース」の名称を使用しています。
HBCはテレビドラマの制作においても豊富な実績があり、1957年から生放送でドラマを制作し、「東芝日曜劇場」などで全国に作品を送り出しました。代表作には『うちのホンカン』や『ダンプかあちゃん』、『幻の町』などがあり、日本民間放送連盟賞や芸術祭賞などを受賞しました。また、ドキュメンタリー番組も数多く制作しており、『ヤンキー母校に帰る』や『大草原の少女みゆきちゃん』などが代表的な作品です。
HBCは青少年を対象とした文化活動も積極的に行っており、『HBC少年少女合唱団』や『HBCジュニアオーケストラ』を企画・運営しています。また、『全国こども音楽コンクール』の北海道ブロック大会として『HBCこども音楽コンクール』も主催しています。
旧社屋の老朽化が進んでいたため、HBCは新社屋の建設を発表し、2018年9月に着工、2020年3月31日に竣工しました。新社屋は地上9階・地下1階建てで、延床面積は1万2376平方メートルです。新社屋には関係者用のセイコーマートの無人店舗も設置されており、HBCはセコマと災害時の物資供給に関する協定を結びました。
初代ロゴマークは1956年から2001年まで使用され、その後スマートなデザインの現在のロゴに変更されました。2006年にはテレビ放送用の新ロゴも登場し、「1からはじまるHBC」のキャッチフレーズでデザインされましたが、2011年からは再び現在のロゴに戻されました。
HBCはプロ野球の中継や深夜アニメの制作・放送にも力を入れており、特に北海道日本ハムファイターズ戦の中継を自社制作しています。テレビ北海道に次ぐ数の深夜アニメを放送しており、アニメ・声優情報バラエティ番組も制作しています。