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KBC 九州朝日放送
九州朝日放送株式会社(KYUSHU ASAHI BROADCASTING CO., LTD.、略称KBC)は、福岡県を放送対象地域とした中波放送(AM放送)とテレビジョン放送事業を兼営する特定地上基幹放送事業者です。2023年4月1日には、KBCグループホールディングスへの社名変更とともに、テレビおよびラジオ放送事業を新法人に分割し、新たな九州朝日放送株式会社が誕生しました。ラジオ部門については、KBCラジオとして引き続き放送を行っています。
KBCのテレビ局のコールサインはJOIF-DTVであり、2006年12月に地上デジタル放送を開始しました。ANN系列のテレビ局として活動しており、リモコンキーIDは地上アナログ放送の親局1chを引き継ぎ、テレビ朝日系列で唯一の「1」となっています。テレビ欄やラテ欄、地デジの番組表には「KBC九州朝日放送」と表記されています。また、同一法人がラジオとテレビを兼営している点が特徴です。
KBCのPRキャラクターは、創立70周年を記念したアルファベットの「K」をモチーフにした動物です。以前は創立45周年を記念して「きょろぱく」が、次に2020年東京五輪のマスコットデザイナー谷口亮による「ミセタカ!」が起用されていました。
テレビの取材地域は福岡県と佐賀県であり、かつては長崎県や山口県北西部もカバーしていました。九州、山口、沖縄エリア各局向けに多数のブロックネット番組を制作しており、在福局の中で最も多くの番組を放送しています。人事は全社規模で行われ、アナウンサーも他部署へ異動することが多いです。過去にはアナウンサーの異動を巡る裁判もあり、異動は合法とされました。
放送持株会社化について、KBCは2018年度から2022年度の中期経営計画で「地域とともにあるナンバーワンメディア」を掲げ、情報提供の方法を多様化してきました。これを受け、2023年4月1日にKBCグループホールディングスへの転換を決議し、放送持株会社となりました。これにより、地域の魅力や価値を最大化する「地域をプロデュースするメディアグループ」への進化を目指しています。
本社は福岡市中央区長浜にあり、支社は北九州市、東京都、大阪市に設置されています。支局は佐賀市にあり、ANNとしての支局は韓国のソウルやフランスのパリ、中国に特派員を派遣しています。以前は久留米市にも支社がありましたが、合理化のため廃止されました。
KBCの沿革は1951年に株式会社西日本放送として設立され、1953年に九州朝日放送株式会社に改称されました。1954年1月1日にラジオ放送を開始し、1959年3月1日にテレビ放送を開始しました。フジテレビ、日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)とクロスネット局としてスタートし、後にNET系列(現テレビ朝日系列)に変更しました。1970年にはANNに加盟し、1975年には『KBCラジオ・チャリティー・ミュージックソン』の放送を開始しました。1982年には音声多重放送を開始し、1987年には現在の本社社屋に移転しました。
1988年にはロゴおよび社名ロゴ・社旗を変更し、1990年には新編成「KBC-INPAX」を開始しました。1993年にはテレビ電波を福岡タワーから送信開始し、1997年には文字多重放送、データ多重放送を開始しました。2005年には福岡県西方沖地震で本社鉄塔が被災しましたが、放送は継続されました。
このように、九州朝日放送株式会社は地域に密着しながらも、変化するメディア環境に対応し続けています。テレビとラジオの兼営局としての特徴を生かし、地域社会に貢献する情報コンテンツを提供し続けることを目指しています。