TV

KUTV テレビ高知

株式会社テレビ高知(テレビこうち、英: TV KOCHI BROADCASTING CO., LTD.)は、高知県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者であり、テレビジョン放送事業を行っています。略称はKUTV(Kochi UHF TeleVision)で、ホームページなどでは社名併記でKUTVテレビ高知と記載されています。JNN(ジャパン・ニュース・ネットワーク)に加盟し、TBSテレビ系列局として運営されています。

テレビ高知の設立は1969年4月8日で、翌年の1970年4月1日に開局しました。当初はフジテレビ系列での開局を予定していましたが、最終的にTBS系列に切り替えました。この背景には、読売新聞社や朝日新聞社、毎日新聞社といった全国紙を手掛ける大手新聞社が大口出資者として名を連ねていたことが影響しています。高知放送(日本テレビ系列)も同時期にTBSとの関係強化を図っていましたが、テレビ高知がTBS系列に切り替えたことで、高知放送はネットチェンジを断念しました。
テレビ高知の本社は高知市北本町三丁目4番27号にあり、東京支社は東京都中央区銀座三丁目14番10号の第一恒産ビルに、大阪支社は大阪府大阪市北区堂島浜一丁目4番16号のアクア堂島NBFタワーに、中村支局は高知県四万十市中村大橋通六丁目9番21号の中村電気ビルにそれぞれ設置されています。
開局当初、テレビ高知はフジテレビ系列としての開局を予定していましたが、最終的にTBS系列に変更しました。これは、読売新聞社や朝日新聞社、毎日新聞社との資本関係が影響しており、これらの新聞社がJNNへの加盟を保証する形で実現しました。一方で、高知新聞は高知放送の筆頭株主であるため、マスメディア集中排除の観点からテレビ高知には出資していません。
1970年4月1日に開局したテレビ高知は、開局直後に台風10号の直撃を受け、送信所が停波し、さらにマスターが水没する被害に見舞われました。この際、TBSテレビや朝日放送、山陽放送の協力により、52時間後に放送を再開しましたが、マスターの復旧には約1週間を要しました。そのため、TBSテレビが赤坂の局舎内にテレビ高知向けの臨時マスターを仮設し、番組編成に合わせて素材回線で裏送りするという非常手段が取られました。
1975年3月31日には、腸捻転解消により大阪発の準キー局が朝日放送から毎日放送に変更されました。これにより、高知放送で放送されていた毎日放送制作番組がテレビ高知に移行されましたが、NETテレビ系列(現在のテレビ朝日系列)に変更された朝日放送制作番組の一部は、高知放送と並行して放送されることもありました。
1997年4月1日には、高知さんさんテレビの開局により、一部アニメなどの再放送を除いたフジテレビ系列の全番組が高知さんさんテレビへ移行しました。これにより、テレビ高知は完全にTBS系列のフルネット局となりました。
テレビ高知は、地域に密着した放送局として、様々な自社制作番組を提供しています。平日18時台にはニュース番組『からふる』を放送し、地域の最新情報を伝えています。また、金曜22時54分からは『KUTVニュース』、土曜10時25分からは『あさコレ!』、日曜11時からは『がんばれ高知!!eco応援団』など、多彩な番組を制作・放送しています。
さらに、テレビ高知は地上デジタル放送にも対応しており、2006年6月1日から烏帽子山送信所から地上デジタル放送試験電波の送信を開始しました。同年10月1日には地上デジタル放送の本放送を開始し、県内のNHKと他の民放2局と共同制作した『高知地上デジタル放送キックオフ宣言!』という番組を放送しました。2015年4月1日からは深夜から早朝にかけてのフィラー(放送休止時間帯)に「TBSニュースバード」のサイマル放送を開始し、終夜放送を実現しています。
テレビ高知は、地域の情報発信源としての役割を果たすだけでなく、災害時の情報提供など、地域の安全・安心を支える重要な役割も担っています。今後も、デジタル技術の進化や視聴者のニーズの変化に対応しながら、高知県の情報発信の中心として、地域に根ざした放送局としての使命を果たし続けることが期待されています。
テレビ高知の主要株主には、TBSホールディングスをはじめ、読売新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、産経新聞社などが名を連ねています。これらの新聞社との関係を活かし、全国的なニュースや情報を地域に届けることができる体制を整えています。
また、テレビ高知は関連会社として、広告代理店の株式会社ユーエスケーやプロダクションの株式会社テレビ高知映像を持ち、広告制作や映像制作にも力を入れています。これにより、地域の企業や団体との連携を強化し、地域経済の活性化にも貢献しています。
テレビ高知は、開局以来、地域に密着した放送局として成長を続けており、地域の視聴者に寄り添いながら、時代の変化に対応した放送サービスを提供しています。今後も、地域の声を大切にしながら、高知県の情報発信の中心として、地域に根ざした放送局としての使命を果たし続けることが期待されています。

アナウンサー・気象予報士