TV
NHK松山放送局
NHK松山放送局は、愛媛県を主な放送対象地域とし、四国地方全体を管轄する日本放送協会(NHK)の地域放送局です。放送エリアには、愛媛県内に向けた放送のほか、四国地方の各放送局を統括する役割も含まれています。さらに、ラジオ第2放送の放送エリアには、山口県の屋代島や徳島県三好市も含まれています。
1941年に開局した当初、松山放送局の呼出符号はJOVGでしたが、1945年には中央放送局に昇格し、その後1948年には呼出符号がJOZKおよびJOZBに変更されました。また、NHKが全国各地に配備している取材用ヘリコプターについて、四国地方では拠点局である松山局には配備されておらず、香川県の高松局に配備されています。これは、NHKの地域拠点局において唯一の例となっています。
組織体制について、2023年4月1日よりNHK全体で部制度からセンター制に移行されました。四国地方においては、他の拠点局とは異なり規模が小さいため、地方局と同様に2センター制が採用されています。具体的には、コンテンツセンターと経営管理企画センターに再編され、各放送局の統括管理や番組制作、技術、営業、広報などの機能がそれぞれのセンターに集約されています。
松山放送局の沿革を振り返ると、1941年3月9日に開局し、中波による放送を開始しました。1943年には大阪中央放送局松山分室が設置され、四国4県を管轄することとなりました。1945年1月1日には松山分室が中央放送局に昇格し、1946年9月1日にはラジオ第2放送が開始されました。1948年にはラジオ第1放送の呼出符号がJOZKに、第2放送の呼出符号がJOZBに変更されました。1950年には放送法施行に伴い、社団法人日本放送協会が解散し、特殊法人としての日本放送協会が設立されました。
1957年には総合テレビ放送が開始され、1962年には教育テレビ放送が始まりました。1969年にはFM放送が開始され、2006年には地上デジタル放送の試験放送が行われ、同年10月1日には地上デジタル放送が正式に開始されました。2009年には遠藤景子が事実上初の女性拠点局長として着任し、2011年7月24日にはアナログ放送が終了しました。
さらに、2015年にはリアルタイム字幕放送が四国で初めて運用開始され、2016年には『NHKネットラジオ らじる★らじる』の同時配信が開始されました。2017年には民放ラジオポータルサイト『radiko』の実験配信が開始され、2018年には全国規模での実験配信が行われました。2019年には組織改正により松山拠点放送局に改称され、2021年にはNHKプラスで地域向けテレビ番組の見逃し配信が開始されました。2022年には名称が松山放送局に戻され、2023年にはセンター制に再編されました。
松山放送局が制作する主な番組には、総合テレビでの『おはよう四国』『ひるどき四国』『ギュッと!四国』などがあり、地域向け番組として『ひめポン!』『ひめDON!』『ひめポン!845』などが放送されています。また、Eテレでは『夏井いつきのよみ旅!』や『俳句甲子園』などが全国放送されており、ラジオ第1放送では『四国を読む』や『ホッと!四国』などが放送されています。FM放送では『FMリクエストアワー』や『夕べのひととき』などが過去に放送されていました。
NHK松山放送局は、地域に密着した番組制作を通じて、四国地方の情報発信に貢献しており、その歴史とともに地域住民に親しまれています。現在も、地域のニーズに応じた放送を行い、四国地方の文化や生活を豊かにするための役割を果たしています。