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NHK長崎放送局

NHK長崎放送局は、長崎県を放送対象地域とする日本放送協会(NHK)の地域放送局であり、テレビとラジオで県域放送を行っています。かつてはNHK佐世保放送局が長崎県の北部を担当していましたが、現在は支局として機能しています。
1933年9月20日に、社団法人日本放送協会長崎放送局として開局し、その呼出符号はJOAGでした。しかし、1945年8月9日、原爆投下によって壊滅し、放送局の機能が一時的に停止しました。それでも、わずか4日後の8月13日には放送を再開しました。1950年6月1日には放送法の施行に伴い社団法人日本放送協会が解散し、特殊法人としての日本放送協会が設立されました。

1958年12月23日には総合テレビジョン放送が始まり、1964年1月20日には教育テレビジョン(Eテレ)放送が、同年5月20日にはFM放送が開始されました。1968年5月21日には新会館が完成し、2006年12月1日には地上デジタル放送が長崎市稲佐山から送信されました。2011年には対馬市内のアナログテレビ中継局のうち、厳原中継局を除く5局が先行廃止され、7月24日にはアナログ放送が完全に終了しました。
2018年4月の改編以降、土日祝日(年末年始も含む)のローカルニュースや気象情報は原則として選挙や災害時を除き、すべて福岡からの九州沖縄ブロックニュースに統一されました。その結果、長崎からのニュースや気象情報は平日のみに限られるようになりました。しかし、2022年度よりテレビの18:45枠のローカルニュースと気象情報は再び各局別に戻されました。とはいえ、大型連休の谷間やお盆休み、年末年始期間は福岡からの放送が原則となり、ラジオも引き続き福岡からの放送が基本となっています。
2023年4月1日には、令和改革の一環として部制からセンター制へと移行し、コンテンツセンターと経営管理企画センターに再編されました。同年4月にはNHK長崎放送局の開局90周年を迎え、「go これからも長崎と」というキャッチコピーが発表されました。そして、5月15日からはNHKプラスで地域向けのテレビ番組の見逃し配信が開始されました。9月20日には開局90周年を迎え、これまでの歩みを振り返りつつ新たなステージへと進む節目となりました。
長崎放送局には佐世保、諫早、五島の各支局が存在し、地域の情報を詳細にカバーしています。2023年4月3日以降の主な長崎局制作番組としては、総合テレビで放送される「ぎゅっと!長崎」(平日18:10 - 19:00)、「ニュース845長崎」(平日20:45 - 21:00)、「長崎スペシャル」(毎月第2金曜19:30 - 19:55、再放送毎月第2金曜日翌日の土曜日7:35 - 8:00)、「ぎゅぎゅっと!長崎」(週末18:45 - 18:59)、「長崎平和祈念式典」(毎年8月9日10:30 - 11:52)などがあります。また、全国高等学校野球選手権大会の放送は九州・沖縄ブロックで行われていましたが、2000年からは全国放送されるようになりました。
スポーツ中継では、JリーグのV・ファーレン長崎主催試合やB.LEAGUEの長崎ヴェルカ主催試合も放送されています。教育テレビでは毎年10月7日に行われる「長崎くんち」の生中継も行われていますが、2023年からは「長崎スペシャル」内での録画放送となりました。
ラジオ第1放送では平日11:50、12:15、13:55、17:55、18:50にFMサイマルで長崎県向けのラジオニュースが放送され、それ以外の時間帯や土日祝日は福岡からの九州沖縄地方向けのラジオニュースが放送されています。また、不定期土曜には「しゃべラジながさき」、日曜には「ながさき文学散歩」が放送され、毎年8月9日には「長崎平和祈念式典」が放送されます。
過去の制作番組には、「NHKニュースおはよう長崎」、「くらしのガイド長崎」、「ながさきひるまえ情報便」、「ながさきナビゲーター ヒルミテ」、「西坂青春一番地」、「もってこい長崎5」、「ニューススタジオ長崎640」、「ながさき630」、「イブニングネットワークながさき」、「イブニングワイドながさき」、「情報らしんばん長崎」、「もってこい長崎6」、「ニュース長崎EYE610」、「見んと!長崎」、「イブニング長崎」、「ながさき645」、「NHKニュースながさき」、「イブ長チャレンジ」、「ぼくらのピースの種」などがあります。
NHK長崎放送局は長崎県民にとって欠かせない情報源であり、地域に密着した多様な番組を提供することで地元の文化や情報を発信し続けています。90年という長い歴史を持ち、これからも地域の発展に寄与し続けることが期待されています。

アナウンサー・気象予報士