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NHKさいたま放送局

NHKさいたま放送局(エヌエイチケイさいたまほうそうきょく)は、日本放送協会(NHK)の一部門で、埼玉県内向けにFM放送を行う地域放送局です。AM放送および地上テレビジョン放送は関東広域として東京本局(NHK首都圏局)からカバーされています。
この放送局はさいたま市桜区道場にある平野原送信所を通じて、85.1MHzの周波数でFM放送を行っています。秩父地区向けには83.5MHzの周波数で放送を行っており、こちらの送信所は最大実効輻射電力59Wで運営されています。さいたま放送局はまた、地域ニュースの動画配信を行っており、これはNHKの地域放送局としては非常に先進的な取り組みでした。2008年にはこの取り組みが『お元気ですか日本列島』で紹介され、その後、全国に広がっていきました。

テレビ中継局はすべて東京本局の中継局扱いとなっており、さいたま局の管理下にある埼玉県内の送信所を通じて運営されています。デジタル放送においては、複数の地域に向けて異なるチャンネルと空中線電力で送信が行われており、秩父、児玉、小川、小鹿野などでそれぞれ適切な放送が行われています。
さいたま放送局には災害時の放送を行うための報道別館が隣接しており、首都直下地震などの大災害時に東京都内の施設が機能しなくなった場合には、ここから放送が行われることが計画されています。この施設は、2013年9月1日に訓練の一環として実際に放送を行った実績があります。
現在のさいたま放送会館は1966年に竣工され、地上3階、延べ床面積約2460平方メートルの建物です。しかし、老朽化とスペースの狭さが問題となっており、新しい放送会館の建設が望まれています。東日本大震災以降の経営計画では、東京本局のバックアップ機能を整備し、敷地面積約3000平方メートル、延べ床面積約5000平方メートルの広さを持つ新施設の建設が計画されています。
さいたま放送局はまた、埼玉県内に複数の支局と営業部を持っています。所沢、秩父、春日部に支局があり、さいたま市中央区に営業部が設置されています。営業部はさいたま市北区以外の市町村を担当しており、川越市にはさいたま西営業センターがあり、こちらは営業部の担当地域以外のすべての地域を担当しています。
情報カメラも多数設置されており、さいたま放送局屋上やさいたま市役所、大宮、所沢市役所、川口、熊谷、関越自動車道新座料金所などに設置されています。これらのカメラはHDやSD画質で映像を提供し、地域の状況をリアルタイムで伝えています。さらに、宝登山や荒川、羊山公園芝桜の丘、菖蒲城趾あやめ園、コスモスふれあいロードなどの季節限定カメラも設置されています。
沿革を見てみると、1944年に浦和市に総務局浦和出張所が開設され、1948年に浦和支局と改称されました。1950年には放送法施行に伴い、社団法人から特殊法人としての日本放送協会が設立され、浦和支局として再編されました。その後、1951年には浦和放送局と改称され、1966年には現在の放送局舎が竣工しました。1971年にはFM放送を開始し、2001年にはさいたま市誕生に伴い、さいたま放送局と改称されました。2018年にはエフエムナックファイブとのコラボレーションイベントを開催し、2023年には令和改革により部制からセンター制に再編されました。
さいたま放送局は県域FM放送として様々な番組を制作しており、「日刊!さいたま~ず」や「ひるどき!さいたま~ず」、「週刊☆サッカー王国」などが放送されてきました。また、Jリーグ中継も不定期に行われており、地域に密着した放送局としての役割を果たしています。

アナウンサー・気象予報士