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NHK鳥取放送局

NHK鳥取放送局は、鳥取県を対象とする日本放送協会(NHK)の地域放送局であり、テレビとラジオで県域放送を行っています。この放送局の歴史は1936年にさかのぼり、同年12月14日に中波ラジオ放送(現ラジオ第1放送)が開始されました。当時の出力は500Wでした。その後、1950年4月にはラジオ第2放送が開始され、同じく500Wの出力で運用されました。
1959年3月3日には標準テレビジョン放送(現総合テレビ)が開始され、これは民放の日本海テレビと同日開局となりました。この時点では電電公社(現NTT西日本)のマイクロ回線が開通しておらず、NHK岡山放送局から人形峠の固定局を経由した電波を中継していました。しかし、同年6月には電電公社のマイクロ回線が開通しました。1962年4月にはラジオ送信所が現在地である鳥取市安長に移転し、1969年3月1日には全国NHK一斉にFMラジオの本放送が開始されました。

1985年12月には智頭ラジオ中継放送所が開局し、1998年11月26日には島根県松江市枕木山に総合テレビ米子中継局が開局しました。これは旧米子中継局の移転扱いで開局したもので、本州で最初の域外中継局でした。旧米子中継局は米子市内の複数のミニサテ局の一つでありました。2005年3月30日には若桜ラジオ中継放送所が開局し、2006年10月1日には地上デジタル放送が開始されました。2011年7月24日には地上アナログ放送のサービスが終了し、翌日の0時をもって完全停波となりました。
2018年4月の改編より、週末・祝日(年末年始も含む)のニュース・気象情報はテレビ・ラジオともに広島からの中国地方向け放送に変更されましたが、鳥取県の気象情報のみをテレビで18:55 - 18:59に放送していました。2022年4月の改編からは、週末・祝日のテレビの夕方ニュース・気象情報を鳥取局と松江局の2局ネットに変更しましたが、ラジオは広島発の放送が継続されました。2023年4月1日には令和改革により、部制(放送部・営業推進部等)からセンター制に見直され、コンテンツセンターと経営管理企画センターへ再編されました。5月22日にはNHKプラスで地域向けのテレビ番組の見逃し配信が開始されました。
NHK鳥取放送局は米子と倉吉に支局を持ち、主要なチャンネル・周波数はテレビとラジオの各中継局を通じて提供されています。総合テレビと教育テレビの鳥取局は鳥取市の毛無山に位置し、倉吉局と鉢伏局は鳥取県東伯郡湯梨浜町にあります。米子中継局については、民放テレビ局が鳥取・島根の相互乗り入れをしている関係で、島根県松江市内の枕木山からの域外送信が行われています。
デジタル放送については、松江局が澄水山に設置され、米子局も同様に設置されましたが、県西部では1本のUHFアンテナで鳥取・松江の両局の総合テレビとEテレが受信可能です。これに加え、鳥取県の中海テレビ放送や島根県の山陰ケーブルビジョンでも両局の総合テレビを同時に再放送しています。
鳥取放送局が制作する主な番組には、平日の朝に放送される「おはよう山陰」、平日正午の「ニュース(鳥取)」、夕方の「いろ★ドリ」、夜の「とっとりNEWS845」などがあります。また、不定期で放送される「さんいんスペシャル」や「コネクト」も人気の番組です。ラジオでは、ニュース・気象情報や「とっとりラジオハイスクール!」などの地域向け放送が行われています。
過去には「とっとり情報スポット」や「とっとり情報プラザ」、「いちおし情報便」などの番組も放送されていました。総合テレビでは、さまざまな番組がリニューアルを経て放送され続けており、地域の情報発信に貢献しています。
このように、NHK鳥取放送局はその長い歴史とともに、鳥取県内の情報提供や文化振興に大きく寄与しています。

アナウンサー・気象予報士