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NKT 日本海テレビ
日本海テレビジョン放送株式会社(NIHONKAI TELECASTING CO., LTD. 略称 NKT)は、鳥取県鳥取市に本社を構え、鳥取県と島根県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。日本海テレビとして知られ、制作クレジットなどにもその名が使われます。この会社は日本テレビ系列(NNN・NNS)に属し、コールサインはJOJX-DTV(鳥取38ch / 100W)、リモコンキーIDは系列局で唯一「1」を使用します。ステーションキャッチコピーは「いまを伝え、未来を創る」です。
本社と演奏所は鳥取市にあり、松江市には島根総局が存在します。日本海テレビは読売新聞、日本テレビ、読売テレビ放送と親密な関係を持ち、日ノ丸自動車や丸由百貨店と共に佳友倶楽部に加盟する日ノ丸グループの一員でもあります。ただし、同じ鳥取県の地方新聞である日本海新聞との資本関係はありませんが、旧社の時代には設立母体として関係がありました。
日本海テレビは山陰地方で唯一「山陰」が入っていない県域放送局で、NNN・NNS加盟局で唯一社名に「テレビジョン」を使用しています。本社所在地は鳥取県鳥取市田園町4丁目360番地で、他に米子支社、島根総局、出雲支社、浜田支社、広島支社、大阪支社、東京支社があります。特に大阪支社は近鉄堂島ビルに、東京支社は内幸町ダイビルに位置しています。
日本海テレビの歴史は1957年に予備免許が交付され、翌年1958年に会社設立、そして1959年3月3日に鳥取県での放送を開始しました。開局当初はJNNに加盟していましたが、同年12月に山陰放送の開局に伴い脱退し、日本テレビ系列となりました。1966年にはNNN、1972年にはNNSに加盟し、同年9月には鳥取・島根の相互乗り入れにより島根県でも放送を開始しました。
1992年には本社が現在の場所に移転し、音声多重放送を開始。2006年には地上デジタル放送を開始し、2007年には24時間放送をスタートしました。2011年には地上アナログ放送が終了し、翌年には公式Facebookを開設。2014年には情報カメラの名称を「SKY VISION」とし、2019年には「NNS標準営放システム」サービス提供を開始しました。
日本海テレビは元々産業経済新聞社および旧日本海新聞社をバックに設立されましたが、フジテレビ系列の回線確保ができなかったため日本テレビ系列となりました。1969年には読売新聞と関係の深い島根新聞を母体に島根放送が設立されましたが、日本テレビ系列の番組は日本海テレビが保持していたためフジテレビ系列に加盟しました。
1978年には読売と産経が出資分を交換し、日本海テレビは読売テレビ・日本テレビと資本的にも親密になりました。一方、1975年に旧日本海新聞社が倒産した後、新日本海新聞社は日本海テレビとは関係を持たず、エフエム山陰の設立に際しては山陰中央新報社と共同出資しました。
1989年には鳥取県内の大規模団地で在阪局や兵庫エリアU局の区域外再放送計画が持ち上がり、日本海テレビや山陰中央テレビがこれに抵抗しました。この問題がきっかけで日本海テレビは変則編成を解消する一因となりました。
現在、山陰地方にはテレビ朝日系やテレビ東京系の系列局が存在しないため、地域のケーブルテレビは朝日放送テレビ、瀬戸内海放送、広島ホームテレビ、山口朝日放送、テレビせとうちを区域外再放送してこれを補完しています。