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STV 札幌テレビ
札幌テレビ放送株式会社(STV)は、北海道を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者です。略称はSTVで、通称は札幌テレビ。コールサインはJOKX-DTVです。本社は北海道札幌市中央区にあり、旭川、苫小牧・室蘭、函館、釧路、帯広、北見など北海道内の主要都市に放送局を持ち、東京と大阪にも支社を構えています。
STVは1958年にテレビ放送を開始し、1962年からはAMラジオ放送も開始しました。これは、日本で唯一の「テレビが先行開局し、その後ラジオ放送を開始した」ラジオ・テレビ兼営局でした。しかし、2005年にラジオ部門を分社化し、現在は再びテレビ単営局となっています。STVの本社屋は、道内のテレビ局の中で最も古い建物であり、これは北海道テレビや北海道放送、NHK札幌放送局がそれぞれ新社屋に移転したためです。
STVのマスコットキャラクターは「どさんこくん」で、2018年1月1日から使用されています。キャッチフレーズは「どんどんどさんこ」です。
STVは視聴率でも非常に高い実績を持っています。1992年度から全日(6 - 24時)で31年連続首位を獲得しており、これは全国民放最長の記録です。1993年から2004年まで4冠を続けていましたが、2005年から2007年にはUHBにゴールデンタイムとプライムタイムの2冠を奪われ、視聴率4冠を逃しました。それでも、2008年から再び4冠に返り咲き、2023年まで世帯視聴率で16年連続3冠を獲得しています。個人視聴率でも3年連続3冠を達成し、2023年度は個人視聴率で4年連続、世帯視聴率で16年連続、全日の個人視聴率で32年連続首位という記録を持っています。
STVの歴史は、1950年代にさかのぼります。北海道開発庁の諮問機関である北海道開発審議会での黒澤酉蔵議長や菊地吉治郎特別委員らの雑談から始まりました。1956年から複数の企業が北海道における民放テレビ第二波の免許申請を行い、最終的に1957年にチャンネルが割り当てられました。当時、北海道新聞の対抗紙であった北海タイムスは、北海道放送(HBC)との親密な関係に対抗してテレビ局の開設を決意し、「札幌テレビ放送」として免許を申請しました。一方、日本テレビや産経新聞札幌支局、東京急行電鉄と毎日新聞社なども免許を申請しましたが、萩原吉太郎らがこれらを取りまとめ、「札幌テレビ放送」として一本化しました。
開局当初からSTVは日本テレビとの関係が強く、フジテレビとも深い関係を持っていました。当初は「準教育局」として免許されていたため、日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)ともネットを結んでいました。創立事務局長は大輪武治北炭財務課長が務めました。
こうしてSTVは開局し、北海道における主要なテレビ局としての地位を確立してきました。現在も、視聴率での高い実績と幅広いネットワークを持ち、北海道で最も視聴されているテレビ局としての役割を果たしています。