SUN サンテレビ

1967年にUHF波の本局使用解禁によるテレビジョン放送用周波数の割当計画が改正され、兵庫県域のテレビ局開局が認められました。神戸新聞社、ラジオ関西、姫路テレビ放送が一本化した形で「兵庫テレビ放送株式会社」として免許を申請し、1967年11月1日に予備免許が交付されました。1968年にはサンテレビジョンと改名し、1969年5月1日に開局しました。
サンテレビジョンは兵庫県・大阪府の全域、京都府、奈良県、徳島県、香川県、鳥取県、岡山県の一部及びその周辺の約750万世帯・1700万人で視聴可能です。神戸新聞社の連結子会社であり、系列新聞は神戸新聞とデイリースポーツです。また、日本で最初に「プロ野球の（試合終了までの）完全生中継」を開始した局でもあります。
同じ独立放送局で近隣の京都府にある京都放送（KBS京都）との関係が深く、2002年には相互に三都ネットを形成し、2007年に発足した東名阪ネット6にも共に参加しています。多数の自社制作番組があり、全国に番組販売されて放送されています。特に、開局当初から続くプロ野球中継をはじめとしたスポーツ番組や、釣りやゴルフといったアウトドア分野の番組を数多く手掛けています。毎年元日に放送される『新春!!漫才大爆ショー』は長寿番組であり、年始の定番でもあります。
どの独立放送局でも中継している全国高等学校野球選手権地方大会の中継について、兵庫大会は1980年代までは3回戦以降でしたが、2008年以降は決勝戦のみ中継しています。最近では、兵庫大会終了後に総集編『夏のキセキ 高校野球兵庫大会』を放送したり、2023年には兵庫大会開催中の日曜日に30分間のダイジェスト『夏のキセキ 週間ハイライト』を放送しています。また、2022年の第104回大会からは高校野球サイト「バーチャル高校野球」で兵庫大会の全試合を配信し、二つの番組も配信映像を元に試合内容を伝えています。
サンテレビジョンは、慢性的な人員不足などにより報道番組や情報番組は多くないですが、1995年の阪神・淡路大震災時には開局以来最大規模の報道体制を敷きました。2004年12月1日から地上デジタル放送を開始し、2021年6月14日からは1440×1080の画面解像度に変更しました。2005年12月1日から新キャラクター「おっ!サン」が登場し、「おっ!サンテレビ」のキャッチコピーがスタートしました。
2012年からは民放3局目となる平日のマルチチャンネルの定時放送を開始し、2021年6月の社屋移転後はメインチャンネルがHD放送となりました。近畿2府4県の民放テレビ局の中では最も遅く放送を開始し、最も早く放送が終了します。緊急を要する場合を除き24時間放送は行わず、早朝は5時台後半、放送終了は遅くても2時半ごろまでです。曜日や野球中継、UHFアニメの編成により1時台で終わる日もあります。放送終了後から翌朝早朝の放送開始前までは試験電波のカラーバーが放送され、早朝の本放送開始前に兵庫県内各地のピンポイント天気予報が放送されます。
1981年3月の社屋移転から2004年12月のデジタル放送開始前までの34年間、放送終了時にはスゥィート・ピープルのチェレスタによる「Lake Como」をバックにクロージンググラフィックが放送されました。これはデジタルキャラクター・ジェネレーターを使い、県内各地の風景や季節のイベントを描写したものでした。
1967年11月1日にアナログテレビ放送の予備免許を取得し、1968年3月8日に「兵庫テレビ放送」として会社設立、1969年5月1日に開局しました。当初からカラー放送を実施し、プロ野球中継を開始しました。1970年には『NHKニュース』の放送を打ち切り、1971年には自社制作番組のカラー化を完了しました。1975年には東京12チャンネル（現在のテレビ東京）からのネット番組を順次移行し、『サンテレビボックス席』で中継するカードの一部を東京12チャンネルへ配信することを開始しました。
サンテレビジョンは兵庫県の放送局として独自の歴史を持ち、多くの視聴者に愛され続けています。地元密着型の番組制作やプロ野球中継、高校野球中継など、地域に根ざした放送活動を展開し、視聴者に貢献しています。