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THK 東海テレビ
東海テレビ放送株式会社は、中京広域圏を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者として、フジテレビ系列のテレビ局として知られています。1958年12月25日に開局し、以来60年以上にわたり、名古屋を中心とする東海地方の視聴者に親しまれてきました。
同社の特徴の一つは、フジテレビ系列局でありながら、リモコンキーIDが「1」であることです。これは系列局の中で唯一の例外であり、東海テレビの独自性を象徴しています。また、東海ラジオ放送とは長年にわたり密接な関係を維持しており、社屋の一部共用や報道部門の連携、中日ドラゴンズの試合中継における協力など、様々な面で協力関係を続けています。
東海テレビの歴史を振り返ると、開局当初は日本テレビやTBS(当時のラジオ東京)、関西テレビなど複数の局の番組をネットワークで受けていました。その後、1959年にフジテレビが開局すると、フジテレビをキー局とするネットワークに加盟しましたが、しばらくの間は他局の番組も放送し続けました。1962年に名古屋放送(現メ~テレ)が開局したことで、フジテレビの番組が中心となり、1966年にはFNN(フジニュースネットワーク)に、1969年にはFNS(フジネットワーク)に加盟し、現在の体制が確立しました。
東海テレビは、自社制作番組にも力を入れています。特に昼の帯ドラマでは、『華の嵐』『真珠夫人』『牡丹と薔薇』『冬の輪舞』などの作品が社会現象を引き起こすほどの人気を博しました。また、報道分野では司法をテーマにした番組制作に注力し、『重い扉』『裁判長のお弁当』『黒と白』『光と影』などの番組で高い評価を得ています。
さらに、バラエティ番組の制作にも積極的で、吉本興業とのパイプを活かした『爆笑!駐在君が行く!』『ぐっさん家』『西川きよしのご縁です!』などの番組を企画・制作し、一部は全国ネットでも放送されています。スポーツ中継では、毎年3月に開催される『名古屋ウィメンズマラソン』の中継を担当し、全国に向けて放送しています。
東海テレビは、地域に根ざした放送局としての役割も果たしています。三重県の独立局である三重テレビとは資本関係を結び、プロ野球中継番組の制作支援などを行っています。また、本社がある名古屋市だけでなく、三河、岡崎、岐阜、三重、四日市に支社や支局を設置し、地域の情報発信に努めています。
近年では、アニメ制作にも着手し、2009年から関西テレビとの共同製作で『くるねこ』を、2011年から2014年まで自社単独で『かよえ!チュー学』を制作・放送するなど、新たな分野にも挑戦しています。
このように、東海テレビ放送は、フジテレビ系列局としての役割を果たしつつ、独自の番組制作や地域密着型の放送局としての特色を持ち合わせています。今後も、変化する媒体環境や視聴者ニーズに対応しながら、中京広域圏の視聴者に寄り添った放送局として、さらなる発展が期待されています。