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tvk テレビ神奈川
株式会社テレビ神奈川(テレビかながわ、英: Television KANAGAWA, Inc.)は、神奈川県を放送対象地域としてテレビジョン放送を行っている特定地上基幹放送事業者である。略称及び愛称はtvk(ティーブイケイ)であり、コールサインはJOKM-DTVである。1972年4月1日に関東地方における3番目の独立放送局として開局した。
2004年5月10日に横浜メディアビジネスセンター内の現社屋へ移転するまで、「TVKテレビ」という愛称を使用していたが、移転後は小文字化され「テレビ」を抜いた「tvk」が愛称として使用されている。移転日から使用されているロゴマークは、イメージカラーの空とハイビジョンの画面比16:9、tvkの文字を模してデザインされたものである。放送上、局名告知ですら「テレビかながわ」の社名が使われることなく、基本的に「TVKテレビ」あるいは「tvk」で一貫している。
本社・演奏所(スタジオ)は神奈川県横浜市中区太田町2丁目23番地の横浜メディアビジネスセンターにあり、東京支社は東京都千代田区内幸町一丁目3番3号の内幸町ダイビル7F、大阪支社は大阪市北区堂島二丁目3番7号のシンコービル3Fにある。関東の独立UHF局の中では唯一大阪にも支社を置いている。
1968年1月11日に神奈川新聞社内に仮称テレビ神奈川電波委員会が設置され、1969年5月16日に免許申請を行った。1970年11月27日に予備免許を獲得し、1971年4月20日に会社設立が行われた。1972年2月には山下町旧本社社屋が完成し、2月5日に試験電波発射、3月5日にサービス放送を開始、そして4月1日に関東地方3番目の神奈川県域の独立テレビ局として正式に開局した。
1972年の開局当初、テレビ神奈川の社員はテレビ局経験のある者が少なかったため、日本テレビやNETテレビからの出向者から指導を受けたという。開局当日の放送番組には、忍者アニメやドキュメンタリー映画、試験電波発射記念のテストパターンが含まれていた。1972年4月1日の午前9時30分には開局記念の放送第1号番組「はばたけTVK」が生放送され、関東地方での新たな放送局としてのスタートを切った。
テレビ神奈川の歴史の中で特筆すべきは、その独自性と革新性である。例えば、1985年には関東地方の独立テレビ局として初の音声多重放送のステレオ放送を開始し、1988年には二重音声(2か国語、多重)放送も整備した。音楽番組にも力を入れ、特に『ファンキートマト』『おしゃべりトマト』『ミュージックトマト』などの「トマトもの」ではMCをVJ(ビデオジョッキー)と称し、プロモーションビデオを大量に流す構成が話題となった。
1980年代から1990年代にかけて、好景気と大スポンサーの後ろ盾により自社制作率は約70%に達し、東のTVK、西のKBS京都とも称されるまでに成長した。しかし、バブル崩壊後の経営危機により制作体制が縮小し、2001年には神奈川県から神奈川新聞社に筆頭株主が変更された。これにより、第三者割当増資や新社屋建設、地上デジタル放送開始などの積極的な戦略が進められ、2005年度には3期連続増収、新社屋移転後初の黒字決算を達成した。
2004年には横浜市中区太田町に横浜メディア・ビジネスセンターが完成し、旧社屋から移転。愛称も「TVKテレビ」から「tvk」に変更され、新たなコーポレート・スローガン「ヨコハマ開放区」が導入された。このようにテレビ神奈川はその設立以来、地域に密着しながらも常に革新と成長を続けてきた。