更新日 | 2013年11月25日 |
タイトル | NHK 連続テレビ小説(89作目)「ごちそうさん」 |
初回 / 最終回 | 2013年9月30日 / 2014年3月29日(全150回) |
放送局 / 時間 | NHK総合 / 月曜日~土曜日 8:00 ほか・再放送あり |
制作統括 | 岡本幸江 |
プロデューサー | 内田ゆき |
演出 | 木村隆文、小林大児 ほか |
原作・脚本 | 森下佳子 |
音楽 | 菅野よう子 |
主題歌 | ゆず「雨のち晴レルヤ」 |
ロケ地 | 博物館明治村、奈良県今井町、兵庫県加古川市、大阪府、滋賀県 |
11月 / 6週・7週・8週・9週
12月 / 10週・11週・12週・13週・14週
1月 / 15週・16週・17週・18週
2月 / 19週・20週・21週・22週
3月 / 23週・24週・25週・26週(最終週・最終回)
1945年。
焼け野原の大阪で、子供たちに芋煮汁を配るひとりの女性がいた。
これは食べることを愛し、食べさせることを愛した卯野め以子(杏)の物語である。
34年前の1911年、東京・本郷。
6歳の卯野め以子(豊嶋花)は筋金入りの食いしん坊で、その日も大好物の料理ができあがっていく夢を見ては、ヨダレで枕を濡らしていた。その日のメニューはオムレツとぬか漬け、納豆である。
母・卯野イク(財前直見)に起こされ、め以子が食卓に向かうと、そこには夢で見たオムレツ、ぬか漬け、納豆の3点セットが。
「オムレツをこんなに旨く焼けるのは、東京でもお父ちゃんぐらいだぞ」と得意げに言う父・卯野大五(原田泰造)。大五はフランス料理を中心とする自宅兼店舗の洋食屋「開明軒」の料理人である。そして、弟は卯野照生(山崎掌)、ぬか漬けを作ったのは、母方の祖母・卯野トラ(吉行和子)だ。
食事中、オムレツに卵を使い過ぎたことにイクが不満を漏らしているのを見ため以子は、小学校のニワトリ小屋に卵があることを思い出す。
(第1週「いちご一会」第1話の結末まで/上記にないキャスト:山本(城土井大智)教師(中川浩三)そのほかのキャスト(藤田聖理、向鈴鳥、森遥野、高山純平)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
卵を求め、小学校のニワトリ小屋に忍び込んだめ以子は、ニワトリに全身をつつかれ、傷だらけになってしまう。
やっとの思いで卵を入手するも、勝手に卵を持ち帰ることは禁止されている。母のイクはめ以子を叱りつけると、め以子に夕食抜きの罰を与える。
そんなめ以子に、祖母のトラは「盗みは人としてやってはいけない事」と優しく教えるのだった。一方、イクも叱るだけではなく、お腹を空かせため以子にパンを食べさせようする優しさもあって――。
その矢先、め以子がまたもやらかす。悪ガキの泉源太(屋島昴太)たちと一緒に、寺のお供えのいちごを食べてしまったのだ。その美味しさは絶品。「いちご」という名前すらも浸透していなかった時代、め以子はその美味しい赤い実のことが忘れられなくなってしまう。
そんな中、め以子がいちごを気に入っていることを知った常連客の新井社長(南条好輝)は、いちごジャムをめ以子にプレゼント。め以子は大喜びする。
(第1週「いちご一会」第2話の結末まで/上記にないキャスト:役名なし(松井圭三、平澤洋爾、赤松悠実)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
新聞を読んでいた大五が激怒する。覆面記者による開明軒の批評が書かれてあったのだ。「何の驚きもない店」「米の飯は出さず、箸も使わせない」「一流店気取り」など、大五のプライドを逆撫でする酷評である。
一方、め以子はいちごジャムを宝物のように持ち歩く。家族にも食べさせず、その味を独り占めする。しかし、小学校に持って行ったところ、源太に奪われ、源太が手を離した拍子にいちごジャムは池の中に落ちてしまう。
そんな中、例の批評が掲載されて以来、客は激減。大五のなかで開明軒の今後に迷いがあって――。大五はイクにその本心を見透かされ、イクと口論になる。
(第1週「いちご一会」第3話の結末まで/上記にないキャスト:チヨ(藤田聖理)紳士(松井桂三)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
め以子はいちごジャムを独り占めしたことで同級生の反感を買い、源太たちから「ケチンボメイコ」とからかわれる。さらに「お前んちの店、マズイんだって?」と父のことも馬鹿にされる。め以子は悔しくて源太たちを開明軒に連れて行く。
子供たちに美味しいって言わせてみろ――、イクに発破をかけられた大五はただでフランス料理を振る舞うも、子供たちの評価はイマイチだった。
め以子は子供たちに馴染みのある「ご飯を使った料理」をリクエストする。本格派にこだわる大五は拒否するも、イクが後押ししてくれて――。
大五のオムレツとケチャップライスは子供たちに大好評。め以子がケチャップライスにオムレツを乗せて食べたところ、これまで食べたことのない絶品となる。子供たちの笑顔を見て、大五は料理人になった頃の気持ちを取り戻す。そんな中、祖母のトラが体調を崩して倒れてしまう。
(第1週「いちご一会」第4話の結末まで~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
祖母のトラが体調を崩して倒れてしまう。め以子はトラを真似して、キュウリのぬか漬けを作るが、美味しくできない。
め以子は食欲のないトラにいちごを食べさせることを思いつき、寺の和尚(亀井賢二)から、例のいちごをお供えした「アカミネさん」の住所を聞き出す。「人さらいが出てるから、大人と一緒に行きなさい」と和尚は注意するも、逸る気持ちからめ以子は一人で行ってしまう。と、その時、め以子に声をかける男が現れる――。
め以子はその男の不審な様子から、人さらいだと直感して逃げ出すが、勘違い。その男・黒田(金替康博)は知人の白川(伊藤えん魔)とともに、め以子を亡きアカミネ先生のいちご畑に案内してくれる。そこでいちごを収穫しため以子は帰路につくが、いちごを川に落としてしまう。
一方、母のイクは帰ってこないめ以子を心配し、め以子を捜しに行く。源太も一緒に捜してくれることに。すると、大雨の中、川に入って一心不乱にいちごを探すめ以子の姿を見つける。イクは「それがおばあちゃんのためでも、め以子が病気になってしまったら一番悲しむのはおばあちゃんなんだよ」と、め以子を叱りつける。
トラはめ以子の思いやりに「ごちそうさま」と感謝する。「何も食べてないのにどうして?」、首をかしげるめ以子に、トラは「ごちそうさま」という言葉の意味を教える。「昔はね、お客様に食事を出すために馬を馳せて、走り回って、野菜や魚を集めたんだって。今日のめ以子のようにね」、そういったたおもてなしに感謝して「ご馳走さま」と表現するようになったと言う。
と、そこに源太が一粒のいちごを届けてくれる。トラはいちごを食べると「ごちそうさま」と礼を言う。祖母のことが大好きなめ以子はトラに抱きついて――。
トラがその生涯を終えたのは、それからしばらくのことだった。
開明軒は、ケチャップライスをオムレツで包んだ「オムレットライス」が人気を博し、さらなる活気を生んでいた。
それから10年の月日が流れ、め以子は17歳の女学生になった。
(第1週「いちご一会」第6話の結末まで/上記にないキャスト:役名なし(金替康博、平山達男、高谷恭平)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
1922年、め以子は17歳の女学生になった。もっぱらの悩みは、身長が高くなりすぎたことである。
両親はあいかわらず開明軒の切り盛りに忙しく、弟の照生(井之脇海)はそこで見習いとして働いている。現在、父の大五は、ひき肉で卵をくるみ揚げたスコッチエッグを試作中だ。母のイクはめ以子に料理を手伝ってほしいが、め以子は食べることが専門で、作ることにはまったく興味がない。
その日も、め以子は友人の「桜子様」こと堀之端桜子(前田亜季)、「タミちゃん」こと野川民子(宮島麻衣)と清明高等女学校に通う。め以子の食いしん坊ぶりは健在である。放課後、め以子は桜子から銀座のカフェに誘われ、出されたデザートに舌鼓を打つ。
そんな中、桜子と民子のあいだで恋愛の話がはじまる。「め以子は食事しか興味がないんでしょ」とからかわれ、ムッとしため以子は思わず、生クリームを後ろの男子学生(東出昌大)の背中に飛ばしてしまう。め以子は慌ててクリームを拭こうするが、帝大の校章を付けたその学生は「拭いてもシミを染み込ませるだけだ」と、め以子の思慮の足りなさを説く。
め以子は良かれと思った行動を否定され、帰り道も怒りが収まらない。め以子は男子学生が高身長で関西弁だったことから、彼を「通天閣」と呼んで気を晴らす。
その矢先、卯野家に下宿人が入ることが決まる。下宿人は帝大の学生だという。「帝大生といえば・・・」、先ほどの「通天閣」のことが思い出されるが――。
イクから下宿人の写真を見せられため以子は、ハッとする。イクが指さした下宿人の学生はまさかの通天閣・・・ではなく、その隣に写っている近藤学(石田卓也)という男前の学生だった。め以子は学校でもソワソワするあまり、担任の宮本先生(奥貫薫)から浮ついた気分をたしなめられる。
め以子は桜子と民子に習って、自分を可愛く印象づける研究をする。大股で歩くのをやめ、丁寧な言葉遣いを心がければ、何とかサマにはなる・・・かと思いきや、家族から笑われてしまう。
そして、ついに下宿人の学生が訪れる。しかし、そこに現れたのは近藤と、あの通天閣で――。
(第2週「黄身と出会った」第8話の結末まで/上記にないキャスト:室井幸斎(山中崇)クマ(松寺千恵美)タマ(郷原慧)そのほかのキャスト(森中保、吉田佳)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
卯野家に新しく下宿人が訪れる。下宿人は、男前の近藤かと思いきや、カフェで口論となった「通天閣」こと西門悠太郎(東出昌大)だった。
じつは、通天閣・・・改め、悠太郎にも他の下宿先が決まっていたのだが、悠太郎は背が高すぎるため、大事な欄間に頭をぶつけることを嫌がった下宿先の主人が難色を示したらしい。そして、近藤と交代することになった、と――。
悠太郎は帝大で建築学を学んでいると言い、卯野家の面々もマジメそうな悠太郎に好印象を抱く。ただ一人、め以子だけは悠太郎が気に入らない。カフェでの怒りがあるからだ。しかし、悠太郎にとっては取るに足らない些細な出来事だったらしく、め以子はさらにムッとしてしまう。
その夜、め以子はふと幼なじみの源太を思い出す。あの時、源太がいちごを届けてくれたが、今はどこで何をしてるんだろう――。め以子はここのところ、いちごの栽培に挑戦しているが、一度も成功したことがない。そこへ悠太郎がひょっこりとやってくる。父の大五が酔っぱらって悠太郎に幼少の出来事を話してしまったらしく、悠太郎は源太の話にも乗ってきて――。
そんな中、め以子の理科の成績が下がって、落第のピンチに。しかも、悠太郎に「1点」のテストを見られてしまう。「わざと1点なんて、なかなか出来ることじゃない。え?もしかしてわざとじゃないんですか?」と、悠太郎はマジメなつもりでイヤミを言う。
これがキッカケで、め以子は悠太郎から理科を教わることに。しかし、勉強に付いていけず、ヘソを曲げてしまう。「勉強がダメなら、お嫁に行けばいい」、現実逃避するめ以子だったが――。
(第2週「黄身と出会った」第10話の結末まで/上記にないキャスト:理科の教師(炭釜基孝)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
め以子は松山巌夫(光平崇弘)という学生から付け文を渡され、恋の予感を感じる。その松山に会いに行くが、松山が好きな相手は民子で、恋愛成就の協力を頼まれただけだった。
このままでは嫁に行くどころか、恋愛さえできない。め以子は自分に浮いた話がないのは「背が高すぎるから」と身長のせいにするが、悠太郎から「それは言い訳で、ただ魅力がないだけ」と全否定される。その言葉に発奮しため以子は、やけくそで勉強を開始する。
そんな中、悠太郎が開明軒で試作中のスコッチエッグを持ってくる。ゆで卵を挽き肉で包んで揚げたそのスコッチエッグは、サクッとした衣に、トロッとした半熟卵。め以子の理想の出来上がりだった。悠太郎が大五のために揚げ加減などのアイデアを出したという。「熱伝導と比熱を考えて作れば、これだけ美味しく出来上がる。料理は科学です」という悠太郎の話に、め以子は衝撃を受ける。
それからというもの、「食べる専門」だっため以子は料理と科学の融合に初めて興味を持ち、「浸透圧が」「凝固点が」と悠太郎から聞きかじったことを学校で得意げに話す。
そして、ついに追試の当日、悠太郎が勉強を教えてくれたおかげで、56点を取っため以子は落第を免れる。その時、思いがけず、一緒に喜んでくれる悠太郎になぜかドキドキして赤面してしまい――。
(第2週「黄身と出会った」第12話の結末まで~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
下宿人の悠太郎が納豆を食わず嫌いしていることがわかる。この時から「悠太郎に納豆を食べさせたい」という思いでめ以子の頭の中はいっぱいになる。
そのめ以子の変化に割烹の宮本先生も気付く。め以子が納豆を食べさせるためのアドバイスを宮本先生に聞くと「自分で作らせてみればいい」という。め以子はその助言に従って、悠太郎に納豆をかき混ぜさせようとするが、匂いに気付かれ、逃げられてしまう。
め以子は高級品のキャビアを納豆の薬味にし、悠太郎に納豆を一口でも食べてもらおうとするが、悠太郎は口に入れる寸前で断念する。悠太郎は、自分のために一生懸命がんばってくれため以子に申し訳なく思う。
そんな中、悠太郎が所属している剣道部の試合の日に、め以子がお弁当作りを任せられることに。
友人の民子の理想のタイプが悠太郎だと知っため以子は、悠太郎のお弁当を作る役割を民子に譲る。
剣道の試合は、悠太郎が華麗に一本を取って勝利する。その勇ましい姿にドキッとするめ以子。民子のお弁当作戦も無事に成功するが、どこか心に晴れない思いが込み上げてきて――。
(第3週「なっとうくう!」第14話の結末まで~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
め以子は、悠太郎の好きなタイプの女性が「よく食べて、一生懸命で明るくて、見ていて自然と元気が出てくる人」だと民子から聞く。民子は悠太郎に好きな人がいることを察し、自分は脈なしと落ち込んでいる様子である。
め以子は「よく食べる」「一生懸命」「見てたら元気が出てくる」といった言葉を悠太郎にかけられたことにハッと気付き、「まさか、私のことを・・・」という思いが頭をよぎる。やがて「自分が嫌われたらすべてが丸く収まる」とひらめいため以子は、悠太郎に無愛想な態度をとりだす。
そんな中、開明軒の玄関前階段の踏み板が壊れていたせいで、客(ムロツヨシ)がケガをしてしまう。すると、悠太郎が階段を修理すると申し出て、手すりのついたコンクリートの頑丈な階段を作ろうとする。
め以子は夜間も作業をする悠太郎を心配して見に行き、そこで思いがけない話を聞く。悠太郎が12歳の時、母が出先の家の火事で亡くなったという。木造住宅が密集する地域で逃げ遅れた子供を助けようとして、火の手に囲まれて――。そうした経験があるからこそ、大阪に安全な街を作りたいという悠太郎の夢を聞き、め以子は自分にそこまでのはっきりした夢があるのか自問自答する。
宮本先生はそんなめ以子に「包丁も砥石で研がなければタダの鉄の板」と説き、数日前、「悠太郎に納豆を食べさせたい」と言っていたころの情熱を思い出させる。
(第3週「なっとうくう!」第16話の結末まで/上記にないキャスト:教授(及川達郎)~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)
先日、開明軒でケガをした客が、工学の専門家・竹元勇蔵(ムロツヨシ)だとわかる。竹元は教え子の悠太郎が修理したコンクリートの階段は「冷たいイメージで開明軒に似合わない」として、明るい花柄のタイルを取り付ける。
そんな中、め以子は悠太郎に納豆を食べてもらえるように再び試行錯誤する。母のイクもアイデアを出し、ついに納豆料理が完成する。
まず、納豆は油揚げの袋の中に入れ、見えないようにすることが重要。納豆に南京豆と山芋を混ぜたものを油揚げの袋に入れ、油で揚げれば完成である。その料理を食べた悠太郎は納豆には気付かず、納豆が入っていたことを明かされると「美味しかったです。ごちそうさん・・・でした」と、あっけにとられた表情で礼を言う。この日、悠太郎は22年の人生で初めて納豆を食べたことになる。
め以子は得意になり、翌日から自分と悠太郎のお弁当を作ると言い出す。悠太郎のリクエストはおむすび。しかし、め以子が初めて握ったおむすびは、ひどい出来映えだった。
それを見かねたイクがまたも助っ人として参上。米の炊き方やおむすびの握り方を細かく教えこむ。新米を炊く時は水は少なめに、梅干しを入れる時は梅酢も一緒に炊く、など――、おにぎり作りに熱中するめ以子は、固めのご飯、柔らかめのご飯、海苔あり、海苔なし・・・など、様々なタイプのおにぎりを悠太郎に試食させる。
それを食べた悠太郎は「あの弁当を作った人とは思えない」と感心。その日から、め以子は「め以子の料理ノート」をつけだす。
翌日、悠太郎はご飯に納豆をかけて食べ、食わず嫌いを克服する。犬猿の仲だったふたりも足並みがそろったようで――。
(第3週「なっとうくう!」第18話の結末まで~ごちそうさん(ごちそうさま)あらすじ・ネタバレ~)