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FTV 福島テレビ

福島テレビ株式会社(ふくしまテレビ、英: Fukushima Television Broadcasting Co., Ltd.、略称: FTV)は、福島県を放送対象地域とし、テレビジョン放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者です。愛称は「福テレ」で、番組表などでは「FTV福島テレビ」と記載されることもあります。コールサインはJOPX-DTV(福島 25ch)で、フジテレビ系列(FNN・FNS)に属しています。リモコンキーIDはフジテレビや関西テレビなどと同じ「8」です。民間放送事業者であるものの、開局の経緯から福島県が株式の半分を保有しているという特徴があります。

福島テレビは1962年に県と地元新聞社などが出資して設立され、いわゆる第三セクターにあたる非独立局唯一の県域放送局です。初代社長には調停役の県から県職員出身の黒川久隆が就任し、2代目から6代目まではすべて副知事を歴任した人物が「天下り」で社長に就任してきました。元社長で相談役の中村啓治は産経新聞の出身者ですが、現在も県関係者や県議会議員などが取締役に就いています。2007年から2016年まで社長を務めた糠沢修一は、8代目にして初めての「生え抜き」社長であり、2016年に9代目社長に就任した森洋一は初のフジテレビ出身者の社長です。
略称「FTV」は現在のキー局でもあるフジテレビが「CX」を使用する前、開局直後の数年間にわたり使用していました。福井テレビジョン放送は本局より後に開局したため、「FTV」を略称に用いることができず、「FTB」を使用しています。台湾のテレビ局、民間全民電視公司が福島県を訪問した際、略称「FTV」が本局と同じだったことで話題となりました。
2019年4月1日からは愛称に「福テレ」を制定しましたが、1998年に制定された従来のロゴマークと略称ロゴは廃止されず、局名告知時に愛称とともに併記されているなど愛称制定後も継続して使用されています。また、現社屋の壁面に掲げられた看板も「FTV」の略称ロゴです。制定当初の半年間は制作著作テロップや天気予報などのミニ番組の名に「FTV」「福島テレビ」の文字を残していましたが、同年10月の改編時に全て「福テレ」に変更されました。
福島テレビは在福テレビ局で唯一の予報業務許可事業者に指定されています。開局までの経緯は複雑で、福島県ではラジオ福島(RFC)が1957年にテレビ予備免許を取得するものの、1958年に失効してしまいました。その後、同名ながら全く別会社である「株式会社福島テレビ」が1960年に予備免許を取得しましたが、1961年に免許が失効し、開局できずに終わりました。この度重なる開局延期劇の背景には、地元2大新聞間の確執や福島市対郡山市といった対立関係がありました。こうした事情のため調整が難航し、県議会や県内の市町村議会が「民放テレビ局の早期開局促進」の決議を行うほどでした。この争いに終止符を打つべく福島県が自ら調整に乗り出し、1962年に福島テレビ株式会社を設立しました。翌年1963年4月に開局しています。
開局当初はオープンネット局であり、1983年10月1日にFNN系列に一本化されました。2006年6月1日に地上デジタル放送を開始し、現在に至っています。福島テレビは第三セクターの特性を持ちながらも、地域に密着した放送を続けており、今後もその役割を果たしていくことが期待されています。
福島テレビの沿革を振り返ると、1962年5月9日に予備免許が交付され、6月1日に福島テレビ株式会社が設立されました。1963年3月25日にサービス放送を開始し、4月1日に福島県初の民放テレビ局として開局しました。1965年11月25日には初のUHF中継局である白河中継局が開局し、1966年10月1日にはカラーテレビ放送を開始しました。1970年4月1日には福島中央テレビ(FCT)の開局に伴い、日本テレビ系列とTBS系列とのクロスネット局となりました。
1971年10月1日には福島中央テレビとネットワーク交換を行い、TBS系列とフジテレビ系列のクロスネット局となりました。1983年4月1日には所属するニュースネットワークがJNNからFNNに変更され、10月1日にはFNN・FNS系列のフルネット局となりました。1985年には福島テレビハウジングプラザがオープンし、1987年には中継用のFPU車が運用開始されました。1989年にはSNG(衛星中継)設備が運用開始され、1990年には主調整室が更新されました。
福島テレビは、地域に密着した放送を続けており、今後もその役割を果たしていくことが期待されています。

アナウンサー・気象予報士