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IAT 岩手朝日テレビ

株式会社岩手朝日テレビ(Iwate Asahi TV Co., Ltd.)、通称IATは、岩手県を放送対象地域とするテレビジョン放送事業を行う企業です。1996年10月1日に開局し、そのキャッチフレーズは「いつも、すぐそば。」でした。この開局により、岩手県を含む東北6県全てにANN系列のフルネット局が開局し、ANNとNNNの2つのネットワークが東北全域をカバーすることとなりました。IATは県内で4番目の民放テレビ局であり、朝日新聞社との繋がりが強く、出向社員も受け入れています。

IATの開局は、バブル崩壊後の厳しい経済状況下で行われたため、初期投資を抑えた状態でのスタートを余儀なくされました。そのため、スタジオ設備は最小限に留められ、支社や支局も少なく、アナログ放送中継所も特に沿岸部での難視聴地域が多く存在していました。しかし、地上デジタル放送に移行することで、中継局が増設され、県内全域を事実上カバーすることが可能となりました。
IATの送信所などの建物は、フジテレビ系列の岩手めんこいテレビと共同で建設されました。これは、岩手県に民放テレビ局第3局である岩手めんこいテレビが開局する際、テレビ朝日系列の第4局がその後に開局することが決定していたためです。テレビ朝日系列の方針により、IATではデータ放送(ADAMS)やEPG配信サービスを提供しています。局のロゴは宮沢賢治の絵画「日輪と山」や北上川をイメージしたものとなっています。
IATは開局以来、小規模な体制で運営されているため、自社制作番組は控えめであり、キー局であるテレビ朝日に依存する傾向が見られますが、近年ではテレビ東京系列からの番組調達も増えています。報道番組に関しては、平日夕方のニュース「IATスーパーJチャンネル」を中心に、東日本大震災後には土・日の夕方のニュースでもローカルニュースの放送を開始しました。また、夏の高校野球の中継には力を入れており、地区大会期間中は全試合を放送するなど、最大のコンテンツとなっています。
岩手朝日テレビは1993年に岩手地区第4局の周波数割り当てが行われ、1995年には標準テレビジョン放送の予備免許が交付されました。その後、1996年にサービス放送を開始し、10月1日に放送を開始しました。1997年には夏の高校野球岩手大会の実況中継を開始し、2004年にはデジタル化対応の社屋増築工事が行われました。2006年には地上デジタル放送を開始し、2011年にはバーチャルスタジオを導入しました。
IATは、開局当初から岩手県内のテレビ朝日系列の番組を担当しており、全国高等学校野球選手権岩手大会の中継権も取得しています。テレビ朝日をキー局に持つ不利もありましたが、ネット番組の好転や東日本放送など系列局のサポートにより、比較的大型の番組を立ち上げるまでに成長しました。また、IATは「Go!Go!いわて」や「ゴエティーニョ!」などの自社制作番組も軌道に乗せるなど、自社制作部門の強化も進めています。
岩手朝日テレビの本社は岩手県盛岡市にあり、東京支社、大阪支社、仙台支社も設置されています。開局以来、岩手県内でのテレビ朝日系列の番組放送を担い、県内全域においてテレビ朝日の番組を提供しています。

アナウンサー・気象予報士