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KTK テレビ金沢
テレビ金沢は、石川県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者として、1990年4月1日に開局した日本テレビ系列のテレビ局です。略称はKTK、愛称はテレ金として親しまれています。本州の日本海側にあるNNN-NNS系列局では最後に開局した局であり、地元の北國新聞社との関係が深いことが特徴です。
開局当初から使用されているイメージソング「てのひらに風の色」は、石川県出身の井上あずみが担当しており、局の象徴的な存在となっています。このソングは、ジャンクションや工事明けのオープニング、天気予報など様々な場面で活用されています。
テレビ金沢の本社は金沢市古府に位置し、東京、大阪、富山にも支社を構えています。1989年の会社設立から1990年の開局に至るまでの準備期間中には、送信所の竣工や演奏所の着工、シンボルマークの決定など、着実に放送局としての体制を整えていきました。
開局時には8つの中継局を有し、石川県で3番目のテレビ局としてスタートしました。開局日の4月1日には、自社制作番組「おはよう朝6」や「テレビ金沢ニュースプラス1」を開始し、地域に密着した情報発信を行っています。その後も、1996年には石川県の民放テレビ局では初となる夕方ワイド自社制作番組「2時間ワイドじゃんけんぽん」を開始するなど、地域に根ざした番組制作に力を入れています。
2006年7月1日には地上デジタル放送を開始し、2011年7月24日にはアナログ放送を終了しました。デジタル化への移行を円滑に進めるため、珠洲中継局では段階的なアナログ放送の休止や早期終了を実施するなど、視聴者への配慮も怠りませんでした。
テレビ金沢は開局以来、視聴率面でも好調な成績を収めています。1998年から2002年まで5年連続で年間視聴率3冠王を獲得し、2014年にも再び3冠王を達成しています。これは、地域に密着した番組作りや情報発信が視聴者から支持されている証と言えるでしょう。
国際的な取り組みとしては、2004年に中国の大連電視台と友好提携を結んでおり、海外メディアとの交流も積極的に行っています。
2020年には開局30周年を迎え、長年にわたり地域の情報発信拠点として重要な役割を果たしてきました。しかし、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、停電などの影響で一部地域で視聴できない事態が発生するなど、災害時の放送継続の課題も浮き彫りになりました。
番組編成面では、開局時に日本テレビ系列のフルネット局となったことで、それまで石川県では放送されていなかった「ズームイン!!朝!」や「それいけ!アンパンマン」などの人気番組が視聴可能になりました。また、「24時間テレビ」や全国高等学校クイズ選手権なども新たに放送されるようになり、視聴者の選択肢が大幅に拡大しました。
テレビ金沢は、開局以来30年以上にわたり、地域に根ざした放送局として成長を続けています。地域密着型の番組制作や情報発信、デジタル化への対応、国際交流など、様々な取り組みを通じて、石川県の視聴者に寄り添い続けています。今後も、地域の声を大切にしながら、時代の変化に対応した放送サービスの提供が期待されています。