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KYT 鹿児島読売テレビ
株式会社鹿児島讀賣テレビ(かごしまよみうりテレビ、Kagoshima Yomiuri Television)は、鹿児島県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者であり、テレビジョン放送事業を行っています。通称は鹿児島読売テレビ、略称はKYTで、日本テレビ系列(NNN)のフルネット局として運営されています。1994年4月1日に開局し、鹿児島県内では4番目の民放テレビ局、日本テレビ系列局としては29番目の放送局となりました。
KYTの設立は1993年2月9日で、翌年の1994年4月1日に正式に開局しました。開局当初から日本テレビ系列のフルネット局として運営され、鹿児島県内の視聴者に日本テレビの番組を提供しています。キャッチコピーは「いつでも4で♪KYT」で、マスコットキャラクターには薄緑色のクマの「山本さん」を採用しています。
KYTは、隣接する宮崎県や沖縄県には日本テレビ系列のフルネット局がないため、現時点では日本最南端の日本テレビ系列局となっています。宮崎県南西部の一部地域では、末吉中継局(主に都城市)、鹿屋中継局(主に串間市と三股町)、吉松中継局(主にえびの市)を通じてリアルタイムで日本テレビ系の放送を視聴することができます。また、沖縄本島北部の一部地域では与論中継局や知名中継局を通じて視聴が可能です。さらに、宮崎県内では宮崎ケーブルテレビ、BTV、BBIQ光テレビ(QTnet)が再送信を実施しています。沖縄県内でも2019年8月1日より、沖縄ケーブルネットワークの自主放送チャンネル「テレビにらい」において、生放送の報道番組や情報番組を中心とした一部番組限定でKYTの区域外再放送が開始されました。2022年10月1日からは宮古テレビでも同様の再放送が開始されています。
KYTの送信所は、アナログ放送時代から鹿児島テレビ(KTS、フジテレビ系列)と共用しています。KTSからは開局時に多数の番組が移行しており、南日本放送(MBC、TBS系列)からも少数ながら番組が移行しました。局名に「読売」の冠が付く放送局は、KYTと近畿広域圏の読売テレビ放送(ytv)のみであり、読売テレビ放送からも出資を受けています。登記上は旧字体の「讀賣」を社名に入れている点も特徴です。
KYTは、開局以来ロゴを変更しておらず、在鹿民放局や九州地方の日本テレビ系列フルネット局で唯一の例となっています。2021年度には個人全体視聴率で三冠王を達成し、2022年の年間視聴率、年度視聴率でも個人全体視聴率で三冠王を達成しました。2023年も同様に年間視聴率、年度視聴率で三冠王を達成し、視聴者からの支持を得ています。
しかし、2023年2月24日の自社制作番組『かごピタ』の特集で新タマネギの甘さを紹介する際に、糖度を測定する際に水を加えたり砂糖水を使って数値を示すという問題が発生しました。この問題に対して、同年3月31日の同じ番組で情報を訂正しました。この件に関しては、同年6月19日と7月26日に番組審議委員会の議題に取り上げられ、6月30日には放送倫理・番組向上機構(BPO)に出向き、放送に至った経緯や問題点、放送後の対応、今後の再発防止への取り組みについて報告しました。BPOはこの問題を恒常的なものとは認めず、再発防止策も報告されているとして「審議の対象としない」こととしました。
KYTの本社は鹿児島県鹿児島市与次郎1-9-34にあり、東京、大阪、福岡にも支社を設置しています。送信所は鹿児島市紫原6-15-8の鹿児島テレビ放送本社テレビ塔にあり、鹿児島親局テレビ・FM放送所を参照しています。デジタル放送のチャンネル番号は29チャンネルで、リモコンキーIDは「4」です。アナログ放送時代のチャンネル番号は30チャンネルでしたが、2011年7月24日にアナログ放送は終了しました。
KYTは、1994年4月1日に日本テレビ系列のフルネット局として開局しました。これにより、鹿児島県内では鹿児島放送(KKB)に次ぐ2番目のフルネット局となりました。九州地区では、福岡放送(FBS)、くまもと県民テレビ(KKT)、長崎国際テレビ(NIB)に続いて4局目の日本テレビ系フルネット局となりました。それまでの鹿児島県の日本テレビ系列局は鹿児島テレビ(KTS)で、フジテレビ系列とのクロスネット局として運営されていました。KTSがネットしていたニュース番組は朝・昼・夜の3本がNNN、夕方がFNNでした。KYTの開局により、鹿児島県内における夕方の日テレ系ニュースは9年ぶりに再開されました。
KYT開局時に移行された番組の割合は、KTSが9、MBCが1という比率でした。これは、KTSがクロスネット解消の前日までNNN・NNSに加盟し、多くの番組をネットしていたためです。1995年4月7日には、最後までMBCに残っていた日本テレビ制作の日本医師会提供番組がKYTに移行され、これをもって日本テレビ系全番組の完全移行が完了しました。
KYTは、地域に密着した放送局として、様々な自社制作番組を提供しています。平日18時台にはニュース番組『KYTニュース』を放送し、地域の最新情報を伝えています。また、金曜22時54分からは『KYTニュース』、土曜10時25分からは『あさコレ!』、日曜11時からは『がんばれ高知!!eco応援団』など、多彩な番組を制作・放送しています。
さらに、KYTは地上デジタル放送にも対応しており、2006年4月1日から地上デジタル放送の試験電波を発射し、同年12月1日には地上デジタル放送とワンセグの本放送を開始しました。2007年5月31日には「志布志事件をめぐる一連の報道」で第44回ギャラクシー賞報道活動部門の大賞を受賞しました。2008年4月14日には地上デジタル放送の南種子中継局が開局し、離島部での放送も開始しました。2011年7月24日にはアナログテレビ放送が終了し、完全にデジタル放送へ移行しました。
KYTは、地域の情報発信源としての役割を果たすだけでなく、災害時の情報提供など、地域の安全・安心を支える重要な役割も担っています。今後も、デジタル技術の進化や視聴者のニーズの変化に対応しながら、鹿児島県の情報発信の中心として、地域に根ざした放送局としての使命を果たし続けることが期待されています。
主要取引銀行には、みずほ銀行、三井住友銀行、南日本銀行、鹿児島銀行があり、関連事業としてKYTオートピアを運営しています。KYTは、地域の企業や団体との連携を強化し、地域経済の活性化にも貢献しています。開局以来、地域に密着した放送局として成長を続けており、視聴者に寄り添いながら、時代の変化に対応した放送サービスを提供しています。今後も、地域の声を大切にしながら、鹿児島県の情報発信の中心として、地域に根ざした放送局としての使命を果たし続けることが期待されています。