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mit 岩手めんこいテレビ
株式会社岩手めんこいテレビ(いわてめんこいテレビ、英: Iwate Menkoi Television Co., Ltd.)は、岩手県を放送対象地域とするテレビジョン放送事業を行う特定地上基幹放送事業者で、略称はmit(menkoi iwate television)です。1991年4月に開局したこの局は、バブル期に郵政省(現・総務省)が推進した民放テレビ全国四波化の波に乗り、岩手県では第3の民放局として誕生しました。現在の本社は盛岡市にあり、コールサインはJOYH-DTV、FNN(FNS)系列フルネットです。資本的にはフジ・メディア・ホールディングス(FMHD)の持分法適用会社で、産業経済新聞社、読売新聞東京本社、朝日新聞社、日本経済新聞社も主要株主となっています。
めんこいテレビは、フジテレビ系列の番組を多く放送することを主眼としており、自社制作番組は控えめにしてきました。局名の「めんこい」は、北海道や東北地方の方言で「可愛らしい」「小さい」という意味です。開局当時のキャッチコピーは「IWATEかつてない面白さ、楽しくなければテレビじゃない」でした。
沿革として、1986年1月17日に岩手地区第3局の周波数割り当てが行われ、1989年12月19日にテレビ予備免許が交付されました。1990年4月10日に会社が設立され、11月1日に試験電波発射を開始しました。1991年3月3日にサービス放送を開始し、4月1日にフジテレビ系列局として正式に開局しました。岩手県内では初のフルネット局であり、開局当初からIBC岩手放送とテレビ岩手から一部の番組を移行しました。
1995年9月に盛岡市の業務センター(演奏所)が本社に昇格し、1996年4月1日に八戸支局を開設しました。2006年5月15日には地上デジタル放送に対応した主調整室設備に更新し、7月1日に試験放送を開始、10月1日に正式に地上デジタル放送を開始しました。2007年9月3日に北上支局を開設し、2008年4月1日にスタジオ設備をハイビジョン化しました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、フジテレビからの報道特別番組を連続放送し、被災地からの最新情報を伝えました。その後、地上アナログ放送は2012年3月31日に終了し、地上デジタル放送に完全移行しました。
岩手めんこいテレビの本社は当初、県南の水沢市(現・奥州市水沢)にありましたが、県庁所在地の盛岡市に業務センターが設置され、利便性の高い盛岡業務センターが本社・放送センター機能を担うことになりました。旧本社社屋は水沢市に無償譲渡され、現在は「めんこい美術館」として使用されています。
資本構成については、フジ・メディア・ホールディングスが30.9%を保有しており、その他の大株主には読売新聞東京本社、朝日新聞社、岩手銀行、産業経済新聞社、日本経済新聞社などが名を連ねています。
デジタル放送の親局は盛岡20chで、出力は1kWです。主要な中継局には、二戸、一関、遠野、大槌新山、釜石、宮古、大船渡、久慈、西根松尾、大槌、野田、岩泉、陸前高田、雫石、新里、普代田野畑、岩手沼宮内、湯田、山田、陸中大野、種市本町などがあります。
スタジオ設備には、ニューススタジオとアトリウムがあります。ニューススタジオは30坪の広さで、報道番組以外でも使用されています。アトリウムはエントランスホールで、報道番組や特別番組のスタジオとして使用されることがあります。
本社所在地は岩手県盛岡市本宮5丁目2-25で、支社網は奥州市水沢花園町にある業務センターや東京支社、大阪支社、県南支社、仙台支社、八戸支社などが含まれます。報道局の配下には釜石支局、宮古支局、大船渡・陸前高田支局があります。
編成の特徴としては、開局以来フジテレビ系列の番組を多く放送してきましたが、近年はテレビ東京系列の番組も増えています。自社制作番組は、平日夕方のローカルニュースや土曜の生番組「サタデーファンキーズ」、長寿番組の「山・海・漬」などが中心です。音楽番組「BEATNIKS」やスポーツイベント関連の番組も制作されています。2018年からはローカルセールス枠を利用した天気予報番組「mit天気予報」を放送していましたが、現在はフルバージョンで放送されています。