RSK 山陽放送

RSK山陽放送のテレビは準広域放送と呼ばれることもあるが、総務省令放送法施行規則別表第5号に基づき、法令上は県域放送とされている。また、地上波Gガイドの岡山・香川地区のホスト局でもある。ラジオは岡山県のみを放送対象地域とし、テレビは岡山県と香川県を対象としている。
RSK山陽放送の筆頭株主は岡山県であり、山陽新聞社、クラレ、岡山市、天満屋、倉敷紡績などが主要株主として名を連ねる。系列新聞は山陽新聞であり、ニュース名称はテレビが「RSKニュース」、ラジオが「山陽新聞ニュース」となっている。新聞のラテ欄の局名クレジットは、2012年9月12日に「山陽テレビ」から「RSKテレビ」に改称された。ラジオでの局名告知の際には「こちらは岡山のRSK山陽放送です」とアナウンスされる。
RSK山陽放送は、TBS系列局（JNN）の中で東北放送（TBC）、静岡放送（SBS）、中国放送（RCC）と並び、JNN基幹局（五社連盟）に次ぐ有力な局（準基幹局）とされている。かつてはJNNカイロ支局へ記者を派遣するなど、国際的な取材活動も行っていた。長期取材による調査報道やドキュメンタリー制作では、香川県豊島の産廃不法投棄事件をスクープした実績があり、毎年6月には全国放送のネット番組を放送している。
創立50周年を迎えた2003年から、RSK山陽放送は毎年10月から翌年3月にかけて、テロや災害で苦しむ世界の子供たちを救済するためのテレビ・ラジオ統一キャンペーン「救え!戦場のこどもたち」を実施している。2006年度からは、地域の子供たちを守るためのシステム作りや安全・安心のまち作りを呼びかける内容に変更し、キャンペーンタイトルも「Peace For The Children～地域、そして戦場の～」に改めた。
RSK山陽放送は、讃岐うどんブームの火付け役の一人である香川県出身の社員「I原D（ディレクター）」が、自社制作番組『VOICE21』で讃岐うどんを幾度となく紹介し、ブームを盛り上げたことでも知られている。また、芸術家岡本太郎の陶板レリーフ「躍進」を保有しており、現在は2020年に竣工した新社屋「RSKイノベイティブ・メディアセンター」の玄関横に設置されている。このレリーフは1972年の山陽新幹線岡山開業に合わせて岡本に制作を依頼したもので、長年岡山駅の顔として親しまれていた。
2019年には大都市圏以外の民放では初めての持株会社体制に移行し、放送業務は分割準備会社に移行すると共に社名も現在のRSK山陽放送に変更された。このような社名は西日本の民放では初めての事例であり、IBC岩手放送やNST新潟総合テレビのような他の放送局にも見られる形式である。
RSK山陽放送は2017年に岡山市北区天神町の市立岡山後楽館中学校・高等学校跡地の民間への売却先を決める公募型プロポーザルに応募し、外部有識者を交えたヒアリングの結果を経て岡山市からの優先交渉権者に選ばれたことから、旧後楽館中・高跡地に新社屋を建設することを決定した。新社屋は地上5階・地下1階建てで、延床面積は約1万1000平方メートル。設計は日建設計が担当し、施工は清水建設・大本組・荒木組の共同企業体が請け負った。2018年12月に着工し、2020年7月22日に竣工した。業務開始は2021年6月6日で、テレビも同日から運用を開始した。なお、多目的ホールは2020年10月から先行開業している。
新社屋「RSKイノベイティブ・メディアセンター」には、テレビ・ラジオのスタジオの他にカフェ・レストランが併設されており、1階には能舞台を備えた多目的ホール「能楽堂ホールtenjin9」（最大250人収容）が新設されている。放送局内に能舞台を常設するのはRSK山陽放送が全国初であり、伝統芸能をはじめ、演奏会や講演会などに利用されている。テレビのニューススタジオは建築家の隈研吾がデザインを手掛けており、岡山の豊かな森林をイメージし、国産スギとヒノキの丸太を半分に割って壁材に使用し、緑と茶色のカーペットでこけむした地面を表現している。
旧社屋である岡山市北区丸の内2-1-3の建物は「丸の内オフィス」に転換され、ラジオ放送部門を統括するラジオ局とラジオマスター及び親会社のRSKホールディングスが残留していたが、2023年4月10日よりラジオ局とラジオマスターがイノベイティブ・メディアセンターに移転し、これによりテレビ・ラジオともに全面移転が完了した。
RSK山陽放送のイメージキャラクターは、1998年6月から「RSK」の各文字をキャラクター化した3匹の妖精「プルルン」が使用されていたが、2006年4月に使用を取り止め、同年6月から新キャラクター「アレすけ」と「ろくたん」が登場した。「アレすけ」はRSKをもじった名前で、「ろくたん」はテレビ型のサブキャラクターで耳が山陽放送の地上デジタル放送のリモコンキーIDである「6」の形になっている。また、同局のメールマガジンのキャラクターには「アットちゃん」がいる。
ラジオでは2008年10月から「ラジオ戦隊キクンジャー」というキャラクターが登場し、五人組で全員アナウンサーが声を担当している。2008年はラジオ開局55周年とテレビ開局50周年にあたり、「地元のテレビ、地元のラジオ」を意味する記念キャッチフレーズ「ジモTV、ジモRa。RSK」が使用された。2011年10月1日からは「もっと、ずっとRSK」がキャッチフレーズとして使用され、2013年4月1日から約1年間は「ありがとう60年 もっと、ずっとRSK」がRSK創立60周年記念キャッチフレーズとして使用された。
RSK山陽放送は、地域に密着した放送局としての役割を果たしつつ、全国ネットワークの一員としても重要な位置を占めている。今後も、地域の情報発信や文化振興に貢献しながら、放送技術の進化に対応し、視聴者のニーズに応える放送局として発展を続けていくことが期待される。