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SATV 静岡朝日テレビ

株式会社静岡朝日テレビ(しずおかあさひテレビ、Shizuoka Asahi Television Co., Ltd.)は、静岡県を放送対象地域としたテレビジョン放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者である。略称はSATV (Shizuoka Asahi TeleVision)であり、テレビ朝日系列のフルネット局として機能している。1978年7月1日、弁護士の鈴木信雄を社長として開局し、静岡県内で3局目の民放テレビ局としてスタートした。

開局当初の社名は「静岡県民放送」で、愛称は「静岡けんみんテレビ」であった。1993年10月1日に現在の「静岡朝日テレビ」に社名変更された。開局から1年間はANN系列と日本テレビ系列(NNN)のクロスネット局として運営されていたが、1979年7月1日に静岡第一テレビ(SDT)が開局したことでANN系列に一本化された。現在でもわずかにテレビ東京系列の番組を番販扱いで放送している。
静岡朝日テレビのコールサインはJOSI-DTVで、リモコンキーIDは5である。本社は静岡市葵区東町に位置し、在静の放送局の中で唯一静岡市葵区に本社・演奏所を構えている。2018年には開局40周年を迎え、キャッチコピーとして「テレベンチャー!」を掲げた。
静岡朝日テレビは、地元密着の情報番組制作に力を入れている。1980年に放送が開始された土曜早朝の情報ワイド番組『おはようしずおか』を皮切りに、2000年にスタートした夕方の情報ワイド番組『とびっきり!しずおか』へとその流れが引き継がれている。近年では『霜降り明星のあてみなげ』などのバラエティ番組の制作にも注力しており、2023年現在では県内民放の中で自社制作番組の比率が最も高い。
また、静岡朝日テレビはアップフロント系列の芸人を多く起用していることでも知られている。例えば、『エンジョイDIY』には林マヤが出演し、さわやか五郎(上々軍団)などの芸人も登場している。
静岡朝日テレビの歴史は1973年10月5日に遡る。この日、郵政省(現・総務省)が静岡県を放送区域とする民放テレビ第3波を割り当て、静岡地区では274件の免許申請があった。1976年9月24日に予備免許を取得し、11月19日に静岡県民放送株式会社が設立された。1978年4月21日にアナログ放送の試験電波を発射し、6月15日にサービス放送を開始、7月1日に本放送を開始した。
1979年7月1日に静岡第一テレビの開局によりNNNから離脱し、ANN系列のフルネット局となった。1980年4月19日には『おはようしずおか730(おはようしずおか)』が開始され、2000年3月25日まで放送された。1990年8月1日には音声多重放送を開始し、静岡県内のテレビ局の中では最も遅れた。
1993年10月1日には社名を株式会社静岡朝日テレビ(SATV)に変更し、イメージキャラクター「アーサー」を図案化したシンボルマークを使用開始した。1998年3月にはデータ放送を開始し、7月1日には静岡市葵区東町に新社屋が完成、同市七間町の旧社屋から移転した。同時に主調整室(マスター)も更新された。
2005年3月25日にはデジタル放送の試験電波を初めて発射し、3月28日には局の愛称を「あさひテレビ」に変更した。9月12日にはデジタル放送のサービス放送を開始し、11月1日にはデジタル放送の本放送を開始した。2006年3月27日には『とびっきり!しずおか』の一部でハイビジョン制作を開始し、4月1日にはワンセグの本放送を開始した。2011年7月24日にはアナログ放送を終了した。
2015年1月30日には若手社員によるWEB放送局・SunSetTVを開局し、2017年3月にはテレビ朝日ホールディングスによる持分法適用関連会社化が行われた。2018年9月には本社隣接地に別館が竣工し、2020年2月21日には新型コロナウイルス感染症の影響で「静岡マラソン2020」の開催中止を発表した。
2021年4月1日には正式なロゴマークとしてシンボルマーク「□SATV」を制定し、4月4日には『とびっきり!しずおか』の日曜版「とびっきり!サンデー」が開始された。10月4日には終夜放送を開始し、2022年4月4日にはビデオリサーチが調査した2021年度の静岡地区の視聴率で、開局以来初めて全日帯(午前6時~深夜0時)の世帯平均視聴率と個人全体視聴率で1位を獲得した。
2023年4月3日にはビデオリサーチが調査した2022年度の静岡地区の視聴率で、個人・世帯ともに全日・ゴールデン・プライムタイムで1位となり、開局以来初の三冠を獲得した。2024年1月4日には2023年の年間視聴率で個人・世帯ともに全日・ゴールデン・プライムタイムで1位となり、開局以来年間視聴率ダブル3冠を達成した。
静岡朝日テレビは、地域に密着した放送局としての役割を果たしつつ、全国ネットワークの一員としても重要な位置を占めている。今後も、地域の情報発信や文化振興に貢献しながら、放送技術の進化に対応し、視聴者のニーズに応える放送局として発展を続けていくことが期待される。

アナウンサー・気象予報士