TV

SDT 静岡第一テレビ

株式会社静岡第一テレビ(Shizuoka Daiichi Television Corporation)は、静岡県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者であり、略称はSDT、愛称はDaiichi-TV(ダイイチ・ティーヴィー)です。本社は静岡市駿河区中原にあり、元々は理研産業の工場跡地を買い上げて設立されました。コールサインはJOSX-DTVで、日本テレビ系列のフルネット局です。本州の太平洋側にあるNNN・NNS系列局の中では最後に開局しました。また、静岡県内のテレビ局としては最初に音声多重放送を開始しました。

開局当初から「ふれあいだいいち」というスローガンを掲げており、ブランドステートメントは「NEXT VISIONへ。」です。社名に「第一」を入れている理由は、先発局との差別化を図るためであり、静岡で一番のテレビ局を目指すという意味を込めています。2016年1月1日からは愛称を「Daiichi-TV」に変更し、以降は「SDT」という略称はあまり使われず、全て「Daiichi-TV」に統一されました。
静岡第一テレビはニュース映像のハイビジョン化を在静民放局の中で最も早く進めました。また、地上デジタル放送のサイマル試験を本放送開始の5か月前から開始し、試験放送中に独自編成の番組を放送しました。中継機材としては、報道などで使用するハイビジョン対応小型中継車を導入していますが、大型中継車の導入は公式に発表されていません。
静岡第一テレビの製作番組ではタレントの起用率が高く、特に夕方ワイド番組『まるごと』(『まるごとGOLD』を含む)ではほぼ全ての曜日でお笑いタレントを起用しています。また、県内出身の人気俳優やアイドルグループを積極的に出演させています。開局40周年のアンバサダーには出川哲朗を起用し、視聴キャンペーンや番組・イベント宣伝にはずん飯尾やみやぞんを積極的に起用しています。特に静岡のローカルタレント久保ひとみは『まるごと』のメインキャスターを務めており、同社アナウンサーの秋元啓二と共に約20年以上にわたりメインキャスターを務めています。
2021年には個人全体視聴率で年間三冠王を獲得し、年度三冠王も獲得しました。同社には子会社としてSDTエンタープライズとDIプロがあります。
本社は静岡県静岡市駿河区中原に位置し、東京支社、大阪支社、名古屋支社、東部支局、西部支局といった各地に拠点を持っています。資本構成としては、2021年3月31日時点で資本金は10億円、発行済株式総数は200,000株、株主数は27社です。主な株主には読売新聞グループ本社、日本テレビホールディングス、日本テレビ小鳩文化事業団などが名を連ねています。
静岡第一テレビの沿革を見ると、1978年に静岡県に民放第4局の周波数割り当てが決定され、1979年2月に予備免許が交付されました。同年7月1日に開局し、最初のネット番組は『NNN朝のニュース』でした。1980年には静岡駅前地下街爆発事故の取材中に二次爆発に遭遇し、その様子が全国に配信されました。1993年には日本テレビ放送網常務取締役の岩淵康郎が社長に就任し、1999年にはCM未放送問題で民放連から除名処分を受けましたが、2000年に再加盟し、2001年にはNNSの会員資格停止措置が解除されました。
2005年には地上デジタルテレビジョン放送の試験放送を開始し、2006年にはワンセグの本放送を開始しました。2008年にはハイビジョン用デジタル中継が可能なヘリコプターを導入し、在静放送局で初めてハイビジョン対応となりました。2016年には新しいロゴと愛称「Daiichi-TV」に変更し、2017年には無免許運転が発覚したアナウンサーの藤原恭一が解雇される事件もありました。
2018年には新社屋建設計画に着手し、2022年4月にグランドオープンしました。2023年には静岡第一テレビ新社屋が第15回県景観賞の最優秀賞に選出されました。同年には開局以来初のGP帯でのレギュラー番組『まるごとGOLD』が開始され、2024年にはプロサッカー選手の三浦知良のドキュメント作品を開局45周年記念番組として放送しました。
1979年の開局以来、日本テレビ系列のフルネット局として静岡県内で放送を続けてきた静岡第一テレビは、これからも地域に密着した番組制作を続け、視聴者に愛される放送局であり続けることでしょう。

アナウンサー・気象予報士